筆で起こす魔法
氷壁の発生源までついた
座り込む彼女の足元には起動中の術式があった
氷壁の中には一つのコアが、ゴーレムを一撃か……
「貴方!ここから離れて…ください!」
彼女はどうやら術式を止めようと躍起になっている
かなり雑な魔力制御だ…この調子では止まらないであろう。
どうしたものか、妨害しても、押さえ込んでも危険だな
対処を考えていると…
「早くっ!逃げて!」
「大丈夫だ、師匠の名にかけて絶対に助けるから」
僕は筆を取り出し、彼女の発動中の術式に介入する
「貴方…何を」
「しー、少し静かにしてて」
発動中の術式に割り込むのはかなり危険だ。暴走中ともなればさらに
だが、僕はずっと見てきた。師匠の背中をできる、やれる。
そうイメージするのが大事だと教わった
円は体、星は心、式は血管、流れる魔力は血。筆を使い、彼女の術式を書き換える。
徐々に、確実に、彼女に合わせるように
「こ、これは…筆で術式を…」
「ゆっくりだ…ゆっくり深呼吸をして」
彼女は言われた通り深呼吸をする。があまり変わっていない
「目を瞑ってイメージして、自分の鼓動と流れる血を」
うん、少しマシになったか
「そう、ゆっくりベットに座って、横になるように」
よし、魔力の流れが綺麗になった
深呼吸をしながら、目を瞑る彼女
荒れていた魔力の流れが徐々に落ち着いていき
それと共に術式の光も消えていく
「よし!成功だ!調子はどうかな?」
「あ、ありがとう……貴方は確か…」
「えっと…待って、君……う〜ん、まだ魔力の流れがひどいね。
う〜ん、ちょっと待っててね。えっと〜あーあった」
あたりを見渡し、僕は太い木の枝を拾った
それを魔導具の『錬金術師の手』で形を変え、腕輪にした。
「それは…」
「あともう少し…」
僕は筆を構え、詠唱を始める
「”私が筆をとり…私が描き…私が生み出す。
子は世に生を受け、我が祝福をもって誕生せよ”」
魔法をかけた腕輪は光り輝き、術式が刻み込まれていく
「これは…」
「抗魔の腕輪とゆうより制魔の腕輪になるかな、魔力出力を抑える腕輪だよ。はい、これ」
僕は彼女に腕輪を差し出した。
「これを…私に?」
「うん、君の魔力の流れがひどいのは出力の関係だね。
君の魔力量に対してあの術式はあっていない…のもあるけど
あの魔力量を制御するのはまだ慣れていないからですよね」
「こんな物までいいのですか?お礼は…」
「原材料が木の枝だし……いらないや。あ!でも終わったら、
新しくて質の良い物を買うことをお勧めするよ」
「助けてくれたお礼も…」
「う〜ん、別にいらないけどな〜、そうだ!じゃあ一緒に行動しよう!」
シャルマさんは推薦者だし、あれほどの魔術を使えるのだ。
彼女がいれば怖いものは無いだろう
それに、ルールで推薦者同士の共闘はなしとは言われなかったし
「では、共に行きましょう。私はシャルマ・フリドです」
「僕はノア・リクヴァだ。」
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