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十五話目







side癒音


私は蒼乃くんと千波弥ちゃんに言われた場所で待っている。すると、優月くんが何かの曲を歌いながらやってきた。私はその曲は知らなかったからよく分からなかったけど、歌っている歌詞から重い歌じゃないのかと考えた。


その後、歌っている優月くんの元に蒼乃くんと千波弥ちゃんがやってくる。私は蒼乃くんからチャットで呼びかけてくるまで出たらダメって言われてるから、盗み聞きのようなことをしている。


彼の、優月くん達の会話を聞いていると昔何かあったんだと分かる。けれど、私にはそれが何か分からない。2人は“あの日”っていうのが何を指しているのか分かっているみたい。


少し顔を出して3人・・・もとい、優月くんのことを見てみるととても歪な顔で2人の、蒼乃くんと千波弥ちゃんのことを見ていた。私にはそれがとても儚く見えた。


その後も話を聞き続けると優月くんの考えていることを知れた。救われたいけど、救って欲しくないそんな矛盾を抱えているような子だと。


私はそんな彼らのことを見て小さく、改めて決心する。


「後悔しない選択を・・・・。必ず救ってみせる・・・!」


小さく呟いたから誰にも聞かれずに、夜空が照らす闇夜に溶けて消えていった。すると、優月くんが戻っていくと宣言して、鼻歌交じりに歌いながら去って行った。


私達はそれを見届ける。どうやら私がいたことには気付いてないみたいで助かった。優月くんが見えなくなったところで蒼乃くんから声をかけられる。


「なんとなく分かったか?琴吹」

「うん。なんとなくだけど過去に何かあって矛盾した感情を抱えているってのはね」

「・・・そうね。優月は、あぁいう子。昔は・・・前は優しかったんだけどね・・・」

「そっか・・・。何かあったんだね。それが原因であぁなっていると」

「あぁ」


私が2人の元に近づいていきながら話す。


「教えてくれんだよね?優月くんについて」

「それが約束だからね。でも、その前に確認させて。どこまで知ってるの?」

「優月くんが一人暮らしをしていて、基本は女装していること。稀に元の・・・男の子としての服で出かけることがあるってことだね」


すると、蒼乃くんは顎に手を当てて考える。その仕草をした蒼乃くんに千波弥ちゃんが服を引っ張って耳打ちする。


「あ、後は2人が彼の幼馴染だってことくらいだね。他は知らないよ」

「なるほどね・・・」


私がそう言うと、蒼乃くんと千波弥ちゃんは二人で見あって頷く。そして私の方を向いて、口を開く。


「だったら・・・。アイツの小学校の時のことだな」

「小学校?」

「えぇ。優月の終わりで始まり。あぁなってしまった優月の原点よ」

「小学校に何かあったわけね・・・」


私がつぶやくように言うと2人は深く頷いた。2人も少し顔を強ばらせている。2人にとっても小学校の時の記憶はあまりいい物ではないみたい。


「あれは小学校の高学年ね」

「これは優月のプライバシーにも関わるから深くは言えないけど、転機となるある事が起きた」

「高学年?プライバシー・・・・」

「あぁ。俺達にとっても最悪な時だ」

「2人にとっても・・・」


私はゴクリと喉を鳴らす。2人が言えるってことは2人は最悪だけどトラウマとかにはなってない。つまり・・・優月くんはトラウマか何か近いものを抱えている気がする。


「どの学校でも、大なれ小なれあると思うイジメ。優月はそれを2年間に渡ってされていた。俺の近くでしている時は止めていたが・・・正直裏でやっていただろうな」

「そんなことをされ続けて普通の人は無事なわけないでしょ?普通」

「そう・・・だね・・・」


私は思ったよりも少し重くて呟くようにしか答えられない。そんな私を放置してさらに話を続ける。


「もちろん私も、零夜も優月も先生に言った。けれど、取り合ってくれなかった」

「それを優月は言われて、大人を、人を一部を除いて信用しなくなった。いや、できなくなった」

「つまり・・・人間不信・・・」

「あぁ。俺達は幼馴染ってのもあって比較的信用されている。が、正直同じ部活動生であろうが今の優月を見ると・・・信用はしてないだろうな。信頼はしてるんだろうけど」

「なるほど・・・」


私はそれを聞いて納得する。もし、あれ(女装)が信用していないなら、学校のクラスメイトどころか私達でさえ信用されていないことになる。


人間不信になったのだから仕方ないといえばそれ以上無いのかもしれない。だけど、それでも、そうじゃないと私は考えてしまう。


「・・・・・・どうやら優月には救うって言ってたみたいだしね」

「ッ・・・!な、なんでそれを・・・?」

「優月から聞いた。言ったら有言実行までとはいかなくても・・・やれるだけやってみろ」

「言われなくても・・・!」


私は睨みつけるようにして、そんなことを言ってきた蒼乃くんを見る。そんな私のことを見て蒼乃くんは呟くように言ってくる。


「ま、俺達でさえ無理だったんだから救えるとは思えないがな」

「えっ!?」


私が困惑の声を上げている間に蒼乃くんと千波弥ちゃんはコテージの方に戻っていく。


「ま、待って!今のどういう・・・!」

「そのままの意味よ」


蒼乃くんの代わりに千波弥ちゃんが私のことを一蹴するように答える。2人はそれ以上話は無いといった雰囲気でコテージの方に歩いていった。







本日も数あるWeb小説の中から私の作品を読んでくれてありがとうございます!これからも週2投稿を掲げて頑張っていきますので応援のほどよろしくお願いします!




よろしければ是非、下の評価マークを☆☆☆☆☆➞★★★★★にしてください!




では次回の話しでお会いしましょう!

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