カラスウリのような人々とトウメイン
私は東明。
久しぶりに街に出たカラスウリの種を持って。
彼女はどこに? 彼女は公園にいた。
彼女は俺に気付いた。
こんにちは。
こんにちは。
私はカラスウリの種をまいた。
育ちますか?
どうでしょうね、だといいんですが。知っていましたか?カラスウリは夜だけに開くんです。
なんだかロマンチックですね。
はい、カラスウリは誰にもわからなくたって一人花を開くんです。でもね、気持ち悪いんですよ、カラスウリ。あんなのが好きな人はきっと気持ちの悪い人なんですよ。
いいえ、そんなことありません。それに気持ち悪くなんてありません。
どうしてですか?
みんなが見えないところで、一人でひっそりと咲くのです。とても素敵です。
そんなことないですよ。気持ち悪いです。
そんなことないですよ。
そんなことないですよ。
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私は東明。
私は公園に居た。戦争で世界は終わった。
いぼではなく戦争で世界は終わり、街は荒廃していた。
いぼはいぼを呼ばなかった。
トウメインは万能薬ではなかった。
だから私はクレームを入れたかった。
誰にって……あなたねぇ、薬局の親父に決まってるでしょ。
彼女は公園にいた。
すみませんねえ、気持ち悪いですよねえ。
こんなじいさんが急に話しかけてきて。しかも、変な薬を作ってるときたもんだ。気持ち悪すぎて笑っちゃいますよ。
私は彼女のことが好きだった。
彼女に思いを告げたかった。
しかし、それは許されないことだ。勃起薬はもうないのだから。
ちょっと!お客さん!あなたに必要なのは勃起不全用の薬ですよ。
私は透明になりたかった。




