愚かな罪人の生活
「お父様?その、お腹の太鼓」
「先ずはそこなのか?一ノ姫…。」
「えぇ、その立派な太鼓……我が東国の端にある地域のお土産に似てますわ…叩きたい…。」
「お姉様?。」
「姫様方、お茶とお菓子の用意が整いました。親方と一緒に隣の部屋へどうぞ。」
「わかりましたわ。」
「婆や!何故ここに?定年退職した筈じゃ」
「姫殿下方、お久しぶりでございます。婆が育てた子が愚かな選択をしてしまったと聞き…アルバイトに参っております。」
「…アルバイト?」
「はい、ひ孫にお小遣いをあげたくて。」
「お給金は、誰が出してますの?」
「親方のアトリエですから、親方から頂いておりますよ。」
「親方とはそんなに、すごいんですの?」
「はい、先程の扉や馬車などの発明で元側妃さまが払う筈の慰謝料が払い終える迄に…発明と同時に親方は…。」
「婆が禁止していた、お菓子を食べ過ぎて…愚かにも…このような腹に!」
「愚かな選択とは、お菓子の食べ過ぎですの!」
「太やすいのでお菓子は1日一つと親方と約束しておりましたのに。」
「婆や…さぞ悔しいでしょう…」
「姫様、乳母殿…話を本題に移してもよろしいですか?」
「えぇ、お姉様達は放って置いていいですわ…お父様!」
「何だ?二ノ姫?」
「何故、勝手に作戦を変えたのですか!私達は元側妃を退場させるだけだったのに!」
「…母上の予言では、私も深く関わっていたからな念を入れての事だ、私だって娘を不幸にする者と深く関わるのだから居ない方がいい。」
「ですが!あの子は…弟はお父様が立派な方とは知りません…。」
「よい、私は側妃を王家に迎え入れた挙げ句に臣下を傷つけてしまったからな…悔いはない。」
「お父様、本音は?」
「煩わしい書類仕事からの解放!そして、甘いものは食べ放題!好きな研究だけしていられる!」
「親方、健康診断で体重の異常なまでの増加が確認されています!ですから…。」
「婆が昔のように鍛えて差し上げます!」
「な!」
「お菓子は2日に一つ!毎日二時間のウォーキングに筋トレから始めましょう」
「お肉を落とすには、プールも良いみたいよ?婆や」
「…では、次回の研究の報酬でプールを作りましょうか親方。」
「わかった…婆や、明日から頑張るからお菓子は1日一つにしてくれ…。」
「ダメです!それ以上お腹が膨らんだらどうするんですか!」