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43.準備をしましょう

お久しぶりです、めちゃくちゃ久しぶりすぎてどう書いてたから忘れかけてきてる今日この頃。


また、ゆるゆるのんびりと更新していきたい所存。

のんびり気長にお付き合いして頂ければ幸いです(ㆁᴗㆁ✿)

 

「アンリエッタ!お待たせ!」


「あぁ、大丈夫だよ、さっき来たばかりさ。こちらこそ、うちの用事に付き合わせて悪いね」


 待ち合わせ場所に向かったらすでにアンリエッタがいたので慌ててそばに駆け寄る。

 そう伝えれば、むしろアンリエッタの方が申し訳なさそうだった。


「大丈夫大丈夫!私、アンリエッタのご飯好きだもん。そのお手伝いなら喜んで!」


「ガウッ!!!」


 私がそういえば、同意するようにブラールも吠える。その様子にアンリエッタは破顔した。


「あははっ!そうかい、ありがとう。じゃあ、いっぱい頑張ってもらったら、あとで2人に好きなもん作ってやるよ」


「……っ!!!頑張る!!!」


「ガウッ!!ワフッ!!」


 アンリエッタからPT申請が来たので即了承。

 すると彼女がおや?っと思案する顔をした。


「ん?アンリエッタ、どーしたの?」


「あっ、いや、ユズリハのレベルまだ7なのかって思ってね。手慣れてたからもっと上だと……」


「もしかして、これから行く予定の場所だと私とブラールのレベル足りない?」


「そうさね、ちょいと足りないかもしれないねぇ……ユズリハは、中間地点のセーフティエリアはわかるかい?」


「あの大きな焚き火ってか、キャンプファイヤーがある場所でしょ、この間そこまではから知ってる」


 そう答えれば、彼女曰く、これから行く予定の採取場所はそのセーフティエリアを抜けた少し先。

 敵のレベルとしてはLv.10〜12辺りが多く出るエリアで、私がゲームに手慣れてる様子から、それなりレベルも高い&アンリエッタの友人が私と同じ配信初日からスタート組で今Lv.20ぐらいだったから、同じ感じだと思ったそうだ。

 なお、アンリエッタのレベルはその友人さんと同じLv.20とのこと。

 思ってたよりもアンリエッタのレベルが高かった件について……まぁ、よく考えたらβテスト組だし、そりゃ2、3日で始めた人と比べたらレベルは高いよね。



 あー、でも確かにちょいとLv.としては上かぁ……ブラールは……ちょっと心配だけど。

 レベルに関しては私があえてすぐ上げない様に立ち回ってたのもあるからなぁ。

 うーん、でも5ぐらいなら、まだやり方によっては、どうとでもなりそうな気がする。


「アンリエッタは、森の敵が素早いから攻撃がなかなか当たらなくて倒せないって感じなんだよね、当たればすぐ倒せる?」


「あぁ、当たればその辺りの敵は一撃で倒せるよ」


「なら、大丈夫。私とブラールで足止めするからトドメはアンリエッタにお願いする形にすれば、問題ないと思う。……でも、まぁ、それで死んじゃったらごめんなさいだけど」


「デスペナとかうちは特に気にしてないから、構わないよ。むしろこっちが付き添いをお願いしてるからね、大丈夫さ」


 むしろ、寄生対策としてレベル差がありすぎるプレイヤー同士がPTを組むと貰える経験値が低レベルプレイヤーに合わせ減少したり、敵からのアイテムドロップ率がかなり下がったりするデメリットがあるらしい。

 簡単に例で説明すれば、同レベルまたは適正レベル同士で組んでると100貰える経験値が、レベル差がある同士で組むと20〜30程度しかもらえないって感じになるそうだ。


 まぁ、私としては最優先でレベル上げたいわけじゃないし、今回は採取がメインだし、狙ってるドロップもないし…って感じなのでこの程度のデメリットは別にって感じかなぁ。


 とりあえず、アンリエッタとは戦闘は出来るだけ避けようって事で話がまとまった。



 行く前に冒険者ギルドに寄り、始まりの森で達成できるクエストをついでに受注と軽く準備することにする。


 なお、PTを組んでる状態で依頼を受注するとその依頼はPTで受けるか個人で受けるかで選べる仕様になるらしい。

 とりあえず今回は個人で受けることにして、選んだクエストは以下の通りだ。




『薬草の納品』

 説明:薬草を最低10個集め、納品する

 報酬:500G(品質&数により増減あり)

 ランク:F


『月光草の納品』

 説明:月光草を10個集め納品する

 報酬:700G(品質により増減あり)

 ランク:F


『魔力茸の納品』

 説明:魔力を10個集め納品する

 報酬:700G(品質により増減あり)

 ランク:F




 さて、受けたはいいけど『月光草』と『魔力茸』ってどんなんだろ?

 初めて聞くアイテムなので、近くにいたギルド職員に聞いてみたらめちゃくちゃ丁寧に教えてくれた。


 どちらも群生地は始まりの森で取れる素材で、

『月光草』は見た目は鈴蘭の花と似ており、違うところは月が出てる夜には、その花は淡く発光するので、探すなら月の出ている夜がおすすめとのこと。


『魔力茸』は始まりの森の木の根元に纏まって生えてるキノコのことで、見た目ほぼホワイトマッシュルームと一緒。

 普通のキノコと違う点は魔力を感知すると淡く光る特性があるので見分ける際は魔力を帯びたものを近づければ分かりやすいそうだ。



 ちなみにこの2つは初心者MPポーションの材料だったりするので、なるべく多めに集める予定。


 なお、この世界は現実と同じ見た目や名前の植物だったり食べ物など共通しているものも多数ある。

 運営曰く、魂の旅人には神の力でわかりやすいように現実に準じた翻訳されてるという裏設定があるそうだ……まぁ、メタいこといえば1から全て設定してたら大変だし、めちゃくちゃ面倒だもんな、うん。



 クエストは受けたから、次はアイテムかなぁ。

 一応手持ちにあるけど今のレベルよりも上のエリアに行くので多めに備えておこう。


 って事で、ギルマスことリッカルドさんのところで、初心者HPポーションはさっき自分で作ったものがあるのでいいとして、初心者MPポーションを数点と、そろそろ喉の渇きが起きそうなので、もう少し人間の血も購入しておく。


 あ、そういえばレベル上がっちゃった際の対策しなきゃ。

 ってことで、貰ってて忘れてた『装備品引換券』を使っちゃおう。

 明日になったらジンから新しい装備品一式貰えるんだけど……突然、戦力外になるよりはマシかなと。

 むしろジンに装備作って貰えたからこそ、このアイテムの使い道悩むんだよね…売却譲渡不可だし、これ。


 とりあえずリッカルドさんに『装備品引換券』を見せつつ聞く。


「マスター、『装備品引換券』ってここで交換できる?」


「あぁ、ここで交換できるぞ。ほら、これが目録だ」


 ポンっと目の前に半透明のパネルが現れる。

 ふむふむ、種類ごとにタブで管理されてるから探しやすいね。

 とりあえず、交換希望なのは使い慣れてる刀なんだけど……



「マスター……これ、種類多すぎでは????」


 刀の項目で出てきた種類、100ぐらいあるんですけど??


「あー、それな、冒険者がこのギルドで売却したものが表示されててな、同じ種類のものでも性能の違いとかあるから、その数なんだわ。ちなみにどれもほぼ一点ものだ」


「……あの、すぐに必要なんだけどじっくり吟味する時間はないんで、ソート機能とか……」


「ないな」


「えーーー」


 思わず不満が声に出たし、私の顔にもありありと出たらしくめちゃくちゃ笑われた。

 そして、何かを思いついたようにニヤリと笑うとこう提案する。


「おいおい、そんな顔すんなよ。……そうだな、俺が選んでやろうか? 一応お前さんの要望はある程度聞くが、性能は受け取ってからのお楽しみって事で……どうだ?」


 性能はお楽しみか……でも要望は聞いてくれるのか、え、普通にそれはそれで面白そう!!って事で二つ返事でお願いする。


 そして選んでもらったらものはこちら。




『刀・佳宵』

攻撃力:40 耐久値:5000

説明:刀身にとある花の彫り物が施された脇差。鐔は月と狼の模様と鞘は漆黒と銀で彩られている一品。現在、刃の輝きは失われているが、うっすらと刃に魔力を帯びているのがわかる。強化可能。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 これは遥か昔、月に焦がれ、

 そして、月を愛した者が、

 あの方と交わした約束の一つ。

 どうか、あの方に、この子を届けて。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





 …………あの、これ、意味深なフレーバーテキスト的なのがあるんですが????

 思わずマスターを無言でガン見すれば、とても良い笑顔でぽんぽんっと頭を軽く撫でられた。


「……ははっ!お前さんなら、うまく活用すんだろ。あ、返品交換は無しだぞ」


「しないよ!?! いや、うん、いろいろ聞きたいこととか言いたいことあるけど、時間ないから今度にする……とりあえず、ありがとうございます!」


「いやこちらとしても、対応に困ってたものを引き取ってもらってんだ、逆に助かる」


 在庫処分的なやつかいっ!!!と心の中で盛大にツッコミつつ、ありがたく選んでもらった刀をインベントリにしまいつつお礼を言う。

 なんかのこれ、めっちゃキーアイテムっぽいんですけど……いろいろこれがここにある経緯を問いただしたい……。

 でも、このあと予定があるから……アンリエッタ頼み事終わったら問いただしてやるからね!!と息巻いてその場を離れたのだった。





「ユズリハ、そろそろ向かう準備できたかい? あ、食事に関してはうちから提供するから」


「ほんと!!アンリエッタのご飯好きだから嬉しい!!!準備は大丈夫!むしろこちらこそお待たせしてごめん。マスターがめちゃくちゃ問いただしたくなるもの渡してくるから……」


 軽く先ほどの経緯を説明したらアンリエッタは妙に納得した顔。

 ……どうやらアンリエッタも同じ経験があるようですね??ね??


「いや、そんなに時間経ってないから大丈夫さ。あぁ、あの人な……見かけによらず面白いことやら人を驚かせるのが好きな人だよねぇ」


「それにはめちゃくちゃ同意。でも助かってるからこう、ぐぎぎしちゃう」



 なんて会話をしつつ冒険者ギルドを後にしたのだった。





 ***********************




 はい、何事も問題なく到着しました!!

 始まりの森のセーフティエリア!!


 相変わらず大きなキャンプファイヤーがとても目立ち、今日はチラホラと他にも数名、プレイヤーの姿があるね。

 とりあえずこの先に行く前に、ここで腹ごしらえをする事に。



「ユズリハ、この石を使って簡単でいいからかまどを作って貰ってもいいかい?……ってか、かまどの作り方はわかる?」


「大丈夫だと思う、そういったスキルとか特に持ってないけど、前作と仕様が一緒ならいけると思う……ぶっちゃけ今作では初めてやるから自信ないけど……」


 アンリエッタが調理の準備している間、私とブラールは火の準備。


 受け取った石でかまどを組む。確かこんな感じに石をバランスよく組んで……よし、こんなもんかな?

 一応アンリエッタ、大きさとか確認してもらったらOK貰ったので、かまどに火をつける。

 現実と違って楽な所は、薪を突っ込んでキャンプファイヤーから貰った火種をそこに突っ込んだら、あら簡単!綺麗に薪に着火して、かまどの完成だ。

 まじここら辺はゲーム仕様なのありがたいよね。


「あぁ、ありがとう。あとはうちの仕事だから出来上がるまで好きな事してておくれよ」


「簡単な事なら手伝うよ?」


「いや、これはお礼も兼ねてるからうちにやらせておくれよ」


 めちゃくちゃお手伝いする気満々だったけど、そう言われちゃうと手が出せないのでアンリエッタにお任せする事にした。

 何作るの?って聞いたらめちゃくちゃいい笑顔で秘密って言われたので、えへへ、めちゃくちゃ楽しみに待ってる事にします!


 さて、待ってる間何をしようか……と悩みつつとりあえず自分は手持ちのアイテム整理でもしようかな。


 ブラールはどうするのかなとそちらを見れば、邪魔にならない場所から期待に満ちた目でアンリエッタの作業を見つめておりました。

 そして、時々作業中のアンリエッタからおこぼれを貰ってるのを目撃して……ブラールほんと食いしん坊だね……。


 その様子にふふっと笑ってから、さてアイテム整理やりますか!

 アンリエッタが何を作ってくれるか楽しみだなぁ♪


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