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41.美味しいご飯は最高です

明けましてた、おめでとうございます(遅い)


相変わらず仕事やばい(白目)なので、ゆるゆるのんびり更新ですが気長にお付き合い頂けたら幸いです。

ほんと、まじ、こんな小説あったねぐらいの感覚でいてくれるといいと思う…( ˘ω˘ )


っということで、街まで戻ってきました!

アンリエッタにメールを送ったところ、すぐに返信がきた。今日は酒場の日じゃないんだって、ぐぬぬ…残念。

でも、噴水広場で屋台を出してるから良かったらおいでよって言って貰えたのですぐに向かうことにする。



まだ夜でも時間が早いからか、開いてるお店が多く、夜でも街中は活気に溢れている。


まぁ、開いてるのは食事処か宿屋が多い感じかな?

それ以外のNPCがやってるお店は閉まってるところが多そうだ……ちなみに、私が初日に行った服屋さんはこの時間だと閉まっていた。

そうなると図書館とかも夜は開いてなさそうだよなぁ……調べ物は明日以降か…あぁ、やりたい事やら寄りたい場所が増えてゆく……ぐぬぬ。


ブラールは昼間とはまた雰囲気の違う夜の街を不思議そうにキョロキョロと見渡しながらも興味深げだ。


噴水広場に近づくにつれ、美味しそうな匂いが周囲に漂ってくるとブラールがその匂いに反応してソワソワし始め、私の腹はまた勝手に鳴りそうになる。

落ち着け、私の腹よ…まだ鳴る時じゃない…今はその時ではないのだ…我慢して…お願い…。



「ユズリハ!ここだよ!おいで!」


噴水広場に入った瞬間、名前を呼ばれたのでそちらを見ればアンリエッタがとでもいい笑顔で手を振っていた。

あ、入り口からすぐの所で屋台出してたんだ。

小走りに近寄れば、相変わらずアンリエッタの屋台からあの時一目惚れした美味しそうな肉の焼ける匂いがする。

私の腹が、きゅぅっと小さく鳴った気がした……聞かれてないからセーフ、セーフだ。



「こんばんは、アンリエッタ。急にごめん」


「いや、別にかまないさ。……っと、その犬っころはなんだい?」


アンリエッタは豪快に笑うと、視線をブラールに移す。

ブラールはじっと食い入るようにアンリエッタの屋台で焼ける串焼きをガン見していた。

犬っころって言われたのに気がつかないほど、串焼きに夢中だ。ブラール……君ってば…ほんと……。



「ふふっ、犬じゃないよ森狼(フォレストウルフ)っていう狼だよ。この子は私の従魔でブラールって言うの…ほら、ブラール、アンリエッタにご挨拶は?」


「… ハッ! ガウッ!ワッフ!!」


串焼きをガン見してるブラールの頭を撫でてから、そうアンリエッタに答えれば、今気がついたとばかりに元気よくブラールが挨拶をする。

うん、良いお返事だけど、すぐに視線は串焼きに戻ったから、本当に分かりやすくて笑ってしまった。

そんな様子のブラールを見て、アンリエッタも可笑しそうに笑う。


「あははっ!この子、まるでユズリハそっくりじゃないか!…ほら、ブラール、よかったらこれ食いな」


「ワウっ!?ガウッ!ワフッ!クゥンッ!」


アンリエッタか串焼きを1本、ブラールが食べやすいように串から外し皿に盛ってから渡してくれたので、そっとブラールの前に置いてあげる。

嬉しそうにまるでお礼を言うように吠えてから、美味しそうに串焼きを頬張ると、クゥンクゥン鳴きながらあっという間に完食。

そのあと期待したキラキラな目で私を見つめてくる。


「美味しかった? ふふっ、わかった、わかったから。アンリエッタ、串焼きをとりあえず……5本下さい!」


「はいよ!全部で2500Gだよ。…あっ、ユズリハ、今ハーブラビットの肉持ってないかい?もし、買い取らせてくれるなら串焼き1本200Gで良いよ」


なんだって……!!値引きしてくれるって!!これで倍の数食べられる…!!即答で了承した。

ということで、持ってたハーブラビットの肉はアンリエッタに速攻で売ることにする。


「持ってる!普通のが12個、上質肉が23個あるけど両方?」


「へぇ!上質肉もあるのかい!串焼きに使うのは普通のでいいから、そっちは全部と上質肉も10個ほど買い取らせてもらって良いかい?」


オッケー!って事ですぐにトレード申請。

買取額は説明文の最低金額でいいよって言ったら凄い顔されたけど、私とブラールにとってはハーブラビットなんて簡単に倒せるから気にしないでとゴリ押し。

アンリエッタ、使用してる武器と合わせて素早いハーブラビットは自力で倒しにくいいんだってさ。

彼女は苦笑しながら、私の頭をくしゃっと撫でた。


「まったく…あんたねぇ…そうしたらユズリハは今後串焼きは200Gでいいよ!あと今後も手に入ったらで良いから、肉系持ってきてくれると嬉しいねぇ」


「私にとってはアンリエッタの料理がお手頃価格で食べられる方が大事だから。お肉の件も任せて!手に入ったら速攻でもってくる…!」


イキイキとそう返事をしたら、しょうがない子だねぇって笑われたけど、私にとってはお金や貢献度よりはこっちの方が本当にとっても重要なのだ(真顔)

そして持ってたハーブラビットの肉を渡して、それぞれ1つ通常が100G、上質肉か500Gなので合計6,500Gをアンリエッタから受け取った。


「ほら、注文の串焼き5本焼けたよ。ブラールは何本食べるんだい?」


「とりあえず2本分をブラール用でお願いします」


「あいよ」


そうお願いすれば、焼けた2本は先程と同じようにお皿に盛り付けてくれた。

はち切れんばかりに尻尾を振って、お皿の串焼きに釘付けのブラール……よっぽど気に入ったんだなぁ。


「ほら、2人とも熱いから気をつけてお食べよ!」


「ワッフっ!クゥンッ…!」


「はーい……んっ!あぁ、やっぱりアンリエッタの料理美味しい……!!」


出来立ての熱さを、我慢しつつはふはふとお肉を頬張る。

口の中で蕩ける兎肉の脂身と香ばしいタレの匂い。外側はカリッとしつつ簡単に噛み切れる柔さ…うん、やっぱりアンリエッタのご飯はめちゃくちゃ美味しい。

ちらりとブラールを見れば同じように、はふはふと凄い勢いでお皿のお肉を平らげ、そして目が合う。

ってか、ブラール、食べるのめっちゃ早いな?!?!


「クゥン……キュゥン…」


「ふふっ、ブラールもっと食べたいの? いいよ、じゃあ、私の分あげるね」


もっと食べたいと可愛い顔でおねだりされちゃったら……断れないよね。

って事で、まだ手をつけてなかった2本をブラールに譲る。

さらにキラキラと目を輝かせて、尻尾を左右にぶんぶんと振りながら嬉しそうにブラールが鳴き、またお肉にかぶりつく。


「ははっ!!ブラール、あんたいい食いっぷりじゃないかい!そんなに気に入ってくれたのかい?」


「ハフッ、ワウっ!クゥン、ワフッ!!ワフッ!!」


そんなブラールの様子を見て、アンリエッタが豪快に笑い、肯定するように、さらに尻尾を振りながら元気よくブラールが鳴く。

そんな2人の様子を見て私もくすくすと笑ってしまった。

嬉しそうに微笑みながらアンリエッタが私に言う。


「気に入ってくれたようで嬉しいねぇ、さて、ユズリハはまだ食うかい?」


「夜食用に欲しいから、追加で5本お願いしますっ!」




***********************




あのあと、追加で焼いてもらった5本も全てブラールの胃に綺麗に収まりましたので、さらに追加で5本焼いてもらってるなうです。(ブラール…どれだけ気に入ったの…)(アンリエッタはさらに爆笑してた)


ちなみにブラールは、満足いくまでたらふく食べた影響で眠いのか私の足元で丸くなってうたた寝しております。

可愛いけど、ほんとよく食べたよね………8本か……その前にステーキもらって食べてたし……そのさらに前も孤児院でシチューいっぱい食べてたよね……これは食べ過ぎでは???ブラール、お腹大丈夫?あ、大丈夫なの、はい。

(ちょっと心配になってステータス確認した)(《状態:満腹》ってなってた)



閑話休題



焼いてもらってる間にアンリエッタといろいろ雑談。

そうだアンリエッタにも教えとこってことで、あの商業ギルドで聞いた特殊チェーンクエストのことをアンリエッタに伝えてみた。


「……ちょっとアンタ、そんな特殊クエスト受けてんのにうちに肉売ってよかったのかい?」


「大丈夫、大丈夫ー。アンリエッタのご飯好きだし、今のところ貢献度よりアンリエッタのご飯の方が最優先。お肉はまたいっぱい狩れば問題ないし」


すごい顔でガン見されたあと、私がそう答えれば呆れたようにため息をつかれる。そしてまた頭をくしゃりと撫でられた。


「まぁ、ユズリハがそういうんなら良いけどさ。とりあえずうちはハーブラビット狩るの苦手だから、気になるけど今は様子見だねぇ」


「チェーンクエストだし、お肉集まったら次は調理で手伝いとかありそうじゃない?」


「あぁ、収穫祭の準備ってことなら調理はありそうだね…それならうちも役立てそうだ…まぁ、その時は参加してみるかね!」


店と仕入れ関係で商業ギルドには世話になってるから、何かしら手伝ってやりたいんだと、アンリエッタは言う。

それならクエスト進んだあたりでまた教えるよと彼女と約束をして、会話中に焼けた追加の串焼きを貰ってインベントリへ放り込んだ。


「ユズリハは、このあとどうするんだい?」


次の仕込み用にハーブラビットの肉を捌きながらアンリエッタに問われる。

うーんと考えつつ、今後の予定かぁ、そうだなぁ……


「うーんと、とりあえず受けてたクエストの報告して、生産系のスキルをゲーム内時間で日付変わるまでやる感じかな? そのあとはまた外に出て、森あたりで時間が許す限りレベル上げしようかなぁっと」


「なるほどねぇ、ちょっと頼みごとなんだけど、レベル上げする時一緒に行ってもいいかい?『始まりの森』の真夜中にしか採取できない食材が欲しくて…ただうち1人で行くには、森は厳しくてねぇ」


なんでもアンリエッタの戦闘スタイル的に『始まりの森』に出てくる魔物たちも相性が悪いらしく、試しに1人で行ったら複数のレッサーウルフに囲まれて、ヤバっと思った瞬間、あっという間に死に戻ったらしい。

いつもは友人に付き合ってもらってたが、その友人はリアルが忙しくて時間が合わず…けれどそこの食材アイテムは今すぐにでも入り用で……困っていたそうだ。


「いいよ!任せて!」


「本当かい!助かるよ!ありがとう、ユズリハ」


しかもそこで採取できるアイテムが、この串焼きの味の秘訣だって聞いたら、もうこれは二つ返事でOKしますよね!!ね!!!




***********************




アンリエッタとは、ゲーム内の日付が変わる頃にまた連絡と落ち合う約束をしてから彼女と別れた。


満腹の為か少し眠そうなブラールを連れて、まずは冒険者ギルドにクエスト報告。

『マメダの討伐』は20匹倒してたので基本報酬3000Gと追加で倒した数1匹につき300Gになるので合計で6000G。

『スライムの討伐』はめっちゃ倒してたけどクエスト1回目だったので基本報酬1000Gのみ、2つクエストの報告をして合計で7000Gでした。


そして次は、商業ギルドへ。

受付にいたサーシャさんに声をかけて、レンタルスペースを借りたいことを伝える。

今回やりたいのは《調合》と《料理》なので、借りるのは総合個室の方ですね、時間は今はゲーム内時間で21時頃だから、とりあえず3時間で。


「ユズリハ様、こちら《1108号室》をお使いください。2階に上がって奥の部屋になります。このカードは部屋の鍵となりますので、退出時には必ず受付に返却をお願い致します」


「ありがとうございます、サーシャさん」


《1108号室》と書かれたトランプサイズの半透明のカードが部屋の鍵らしい、なんかビジネスホテルのカードキーみたいで、うん、これは、なんというか、ファンタジー感はゼロですね…。


言われた通りに2階に上がる、商業ギルドの2階は初めてだからちょっとドキドキするね…!ブラールも眠そうだけど、興味深げに周囲を見渡している。


「《1108号室》……あ、あった。この部屋か…」


銅のルームプレートに《1108号室》の文字がある扉の前に着く。

ぱっと見た感じ扉には鍵を差し込む場所はなくて、え、どう使うのかな…そういえば聞くの忘れてたわ…うっかりうっかり。

とりあえず、このプレートにカードをかざして……あ、ガチャって音がしたから開いたっぽい、うん、開け方あってたみたい。カード返却するときにでも開け方聞いとこう、忘れなければ。


扉を開いて中に入る。

電気はどこかなぁ〜…って、うわっ?!……入った瞬間、パッと部屋の電気がついたのでちょっとビビった…。

部屋の中は、10畳ほどのスペースで白と黒のモノトーンで纏められた部屋でファンタジー感は…以下略。


入り口付近に初級のレシピや図鑑が入った本棚といろんな道具が収められた棚、さらにその横には私の腰の高さぐらいの少し小さめチェストが2つ…チェストに触れたらアイテム一覧の画面が出てきたから、なるほどこのチェストが素材BOXになるのか。


部屋の中央に大きめの木製の作業机と簡易な椅子、部屋の奥には簡易システムキッチンみたいなのがあって、だからファンタジー…以下略。

簡易システムキッチン(仮)をみたら、水や火を使う際はは魔力をMP1ほど使うらしい…そこはファンタジー仕様なんですね…そこは……。

眠そうなブラールには好きなところで寝てて良いよと声を掛けてから、『紺色の毛皮』を数枚出してブラールに渡す。

寝るときにそのまま床はなんとなく可哀想なので、それ引いてねと伝えれば、短く鳴いて返事をしてから、本棚の前辺りに丸くなって寝始めた。


「とりあえず、作業始める前に初級レシピ読むか……あ、初級入門書的なのもある…こっちも読んどこ」


本棚からお目当ての本を数冊取ると、椅子に座って読み始める。

本のタイトルに『子供でもわかる簡単調合』『子供でも作れる簡単料理』と書かれてるだけあって、めっちゃすぐ読み終わりました。なんかほぼ絵本みたいな感じ。



【『精製水』『初心者HPポーション』『初心者MPポーション』の作り方を覚えました】

【『ステーキ』『サラダ』『シチュー』『丸パン』『クッキー』の作り方を覚えました】



「さってと、下準備は終わりっと! じゃあ、いろいろ始めましょうかね!!」



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