表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の日記  作者: コーレア
003 暗号編
71/146

030420 図書館→逮捕

 午後2時過ぎ。

 スマホで改めて今が何時か確認して、7つの暗号の答えを書いた紙を太地さんに任せて、私は図書館に向かう。

 もちろん6階まで登らず、渡り廊下がある3階からエスカレーターで1階まで降りて、そこのロビーで本を返す。


「ありがとうございました」


 学生用に3つ、一般用に5つと分けられた内の1つのカウンターに返して、私は3階に戻る。

 その3階で神主の格好をした人がいた事に驚きながらも、ゼレマノフさんに7回目の挨拶をして、いつも静かな通路を通って、8クラス計32人が集っている『南天』に帰り着く。

 太地さんから解散宣言が出され、今日知った同じ方に家がある他クラスの学生を遊びに誘っている人もいれば、氏衛門に歴史の講義を受けている人もいるし、隣の人にわからない所を教えてもらっている人もいる。

 私も鈴蘭の眼鏡を取りに行かなければならないので、御嶽さんから数学を学んでいるっぽい鈴蘭が動いたら私も動こうと思い、鈴蘭の隣に座ろうとする。


「んっ?」


 その前に、スマホが震えた。

 宛名は太地さんで『すぐに他のクラス委員長と生徒会室に来てほしい』との事。なので、まだ『南天』にいた仙南さんなどのクラス委員長の人を連れて、生徒会室に向かう。

 『合同生徒会室』のソファーには、窮屈そうな太地さんとゆったりとした江渡生徒会長が座っていた。


「羽柴君」

「はい」

「君には太地君と河尻さんと一緒に鉄道省に行ってほしい」

「はっ?」

「チケットを貰ったら、それぞれのクラス委員長に渡してほしい。明日の昼休みぐらいに」

「………………今日に取りに行くのですか?」

「明日の朝だよ。丁度、3人とも京都に近いしね」


 ……河内も近江も余り近くないのだが。


「代金は?」

「既に払っているらしいよ。後は取りに行くだけだ」

「…………大人の初めてのお使いみたいですね」

「まあ、8クラス320人の切符を運ぶからな。その分、朝食代と往復代金は受け持ってくれるぞ」


 笑い始めた江渡生徒会長に電撃を撃ち込みたいのを抑えて、太地さんを見ると小さく頭を下げていて、後ろに立つクラス委員長の方々は呆然としていた。

 1日まともに授業を受けてない方が依然として多い事に溜め息をつきながら、ひとまず明日の予定を頭の中で考える。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


 担任の先生には江渡生徒会長が話してくれるらしいので、木ノ本の姫音さんと寝屋川の太地さんと集合場所を鉄道省の前と決めてから解散する。

 鈴蘭の眼鏡を燈島駅の向こう側に並ぶビルの1つにある眼鏡屋で買い、代金を生駒のセンターに請求するためにそのセンターの人から渡された紙に必要事項を書いて、江渡生徒会長にそれを渡す。

 生徒会長からの誘いを断って、帰路につけた時には既に3時を過ぎていた。


「疲れたぁ」


 その一言の後に眠りについた鈴蘭の暖かさを左肩に感じながら、私は手元のスマホの画面を見て考える。

 解散した後から来た御嶽さんからの『河尻さんのメルアドを教えてほしい』というメール。結局、今日は姿を現さなかった姫音さんに確認を取ってから教えたのが30分前。それから、どんなやり取りがあったのかわからないが、さっき姫音さんから送られてきた『リレーション』のグループの所に貼られた文に辿り着いた。


『1年4組の御嶽さんから依頼です

 彼女が入った化学部の先輩の方が魔法で27日日曜日に大阪駅で行われるショーを盛り上げたいとの事ですが、皆さんはどうしますか?』


 うーむ。

 大阪駅のショー、というのは月末の日曜日に畿内の学校の持ち回りで行われるショーの事だろう。学校にとっては宣伝に、駅にとってはイメージアップに繋がるから、5年前から列島だったら大阪・鳥取・広島・福岡・徳島・名古屋・仙台・富山の駅で開かれている。1度も見たことはないけど。

 最初に姫音さん自身からオッケーの返事が送られて来たので、私も別に明日以外は特別な私用は無いのでオッケーと返事する。その1時間後、薫さんからも承諾の返事が来たことから、全員一致でLRH部2つ目の依頼がLRH部で承認される。後は、生徒会と学校だけだ。


『名古屋市内で容疑者逮捕』


 荒浪大衆党国会対策委員長暗殺事件で指名手配されていた人物が逮捕されたというニュースが駆け巡ったのは、夜の9時過ぎ。

 魔法使いが重要事件で捕まる、という事の波がその直後から広がっていくが、8時に晩御飯を食べて、自分の部屋に戻ってから1度もテレビを見ていない私達は、その事には気付かなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ