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寿さんの雑記帳  作者: 寿
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第21話『ライゾウの成績』

麻実也視点


まず僕たちは亜空間航行で惑星Gの大気圏内へ。

亜空間に隠れているうちに潜望鏡で帝国軍陣地を確認。

僕たちの邪魔になりそうな飛行場がすぐそこに見えた。


「乙姫、通信施設と電探も確認してくれ」

「わかりました、麻実也艦長」


潜水艦乙姫にとって、最初の獲物は通信施設とレーダーだ。

このふたつを潰してしまえば、この飛行場は孤立する。援軍も呼べない。

「麻実也艦長、九時方向に砲台があります」


「イヤなところにイヤなものがあるなぁ……」

亜空間に半身浸かっているとはいえ、帝国軍陣地は現在夜の時刻。

そこから光弾を発射すれば、僕たちの存在がモロバレである。


「通信施設を破壊したら、乙姫は砲台攻撃に移ってはいかがでしょう? 飛行機と飛行場施設の破壊は桜姫にまかせて」

「そうだね。それじゃあ砲撃前にそのように指示してやってくれ」


桜姫からも了解の返事がきた。

それじゃあ艦隊司令官のお仕事だ。

「第二十一潜水艦隊、撃ちーー方ーーはじめーーっ!」


第一射撃、乙姫の砲弾は帝国軍陣地の通信、レーダー施設をことごとく破壊した。

桜姫の砲弾も待機中の飛行機を次々と吹き飛ばす。

九時方向、砲台も目を覚ましたようだ。

各部署、テントに灯りがともる。


しかし全体が覚醒する前に、乙姫の主砲は狙いをつけていた。

砲雷長の号令が飛ぶ。

「各砲塔、よければ撃て!」


主砲一番四番が火を吹いた。

二、三、五番が遅れて火を吹く。

敵が奇襲を受けたと通信するのと、僕たちが蹂躙するのと、どちらが早いだろうか?

そんなことを考えていたら、誘爆が始まった。


なにしろ攻撃目標が砲台陣地なのだ。

本来アルファ軍陣地に雨アラレと降らせるはずだった弾薬が、山のように積まれていたのだ。

誘爆を起こさない方がどうかしている。


というか、ここまで一方的でいいものなのだろうか?

「今のうちだけですよ、麻実也艦長。次のラウンドは私たちが飛行機に襲われるんですから」

乙姫が言う。

そうだ。僕たちの本命は、あくまで敵の補給艦隊なのだ。

それも空母に護衛された、ブルジョアにもほどがある補給艦隊だ。


「じゃあ白星を挙げられるうちに、勝ちをおさめておこう」

「そうですよ、麻実也艦長」

ついでという訳ではないが、歩兵たちのテントに物資の集積所も破壊しておく。

砲台陣地はすでに、沈黙していた。




「よし、このくらいにしておくか」

「桜姫に送信。補給艦隊迎撃の位置へ戻る」

いよいよ本番だ。

下腹部がキュンとくるのがわかる。


「なー麻実也兄ちゃん」

ライゾウのリラックスしきった声が届いた。

「飛行機の迎撃、全部桜姫にまかしてもらえないかなー?」


「いや、ライゾウ。飛行機って何機飛んでくるかわからないんだぞ?」

「ピンチになったら呼ぶからさー、それまではオイラたちにまかしてもらえね?」

「自信満々だな、ライゾウ」

「麻実也艦長……」


乙姫がデータを調べていた。

「桜姫の対空射撃訓練。四基八門の防空駆逐艦よりも成績が上です。……というかまだまだ余裕っていうか、サクラちゃん!」

「は、ハイ! なんでしょか、お姉ちゃん!」

「貴女、ライゾウ艦長に……許しましたね!」

「うにゅう……その、チョッピリ……」

「いえ、艦長に操縦権利を許すのは乙女の誉れ。叱ったりはしません。ですがこの痕跡……ライゾウ艦長は鼻歌うたいながらこの成績を出したんですか⁉」


「はい、ライゾウ艦長ってば大変にお上手で、ヨユーヨユーって鼻歌を歌ってましたよ?」

なんだか僕にはわかりづらい会話だけど、要するに地獄の対空訓練でライゾウは直接桜姫を操作して、鼻歌混じりに全機撃墜を果たしたと?




もしかしてライゾウって、とても頼りになる相棒?

「だからずっと言ってたじゃん。飛行機はオイラにまかせてくれって。なのに麻実也兄ちゃん全然信じてくれないのな!」

「いや、ライゾウ。それはお前が悪い」

「なんで?」

「お前の成績は超人を超えた奇跡の成績だ。それを信じられない僕に否は無い。そんな奇跡を起こしたお前が悪い」



「え〜〜っ! オイラが悪いのかよ〜〜っ! そりゃないぜ、麻実也兄ちゃん!」

「だけど乙姫がお前の成績を分析してくれた。だから今度は存分に働いてもらうぜ、ライゾウ!」

「じゃあ、飛行機は全部……」

「あぁ、お前にまかせる。頼んだぞ、相棒」

「まかしといてよ、麻実也兄ちゃん」

「それじゃあ第二十一潜水艦隊、亜空間航行で大気圏を離脱する!」


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