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ARゲームに挑む我侭姫とプレイヤーたち-不正破壊者の我侭姫-  作者: 桜崎あかり
ステージ3

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エピソード45-6

・2022年7月3日付

行間調整版へ変更

 午後2時、草加駅に到着した橿原隼鷹は疑問を持っていた。アルストロメリアが起こした今回の行動は、あの時にスタッフへ見せたDVDのパッケージ――その作品と同じである。確か、超有名アイドル商法や特定芸能事務所に支配された世界を救う為にゲーマーが立ちあがると言う物であり――。


「あれを再現させて、何をしようと言うのか――まだ分からない」


 橿原は彼女の行動が未だに分からないでいる。芸能事務所AとJの行ってきた事を公表すると言う箇所は他の勢力も行っていた事であり、特に目新しいものではない。しかし、アルストロメリアの行っていた事は――それとは比べ物にならない規模であるのだけは間違いないと思った。


「どちらにしても、事の重要性は――」


 橿原がICカードを手に駅の改札口を通過しようとしたが、何かが通り過ぎたような錯覚を感じた。一体、何が通り過ぎたのは――橿原には感じ取れない。ARガジェットでもデータエラーの類として処理されるノイズやデータと言うのもある為である。駅構内ではARゲームフィールドの展開許可が出ない限り、安全であるのは確約されているからだ。



 同刻、テレビのニュース番組でアルストロメリアの出現した襲撃事件が取り上げられているか調べる人物もいたが、該当ニュースは報道されていなかった。


『次のニュースは、芸能事務所のアイドルが薬物所持の現行犯で――』


 取り上げられるニュースは、芸能事務所A及びJからすればライバルとなるアイドルの不祥事等ばかり――。この状況には、あるテレビ局が映画を放送している事に対して、神対応と言うような反応もネット上であったのだが。


【アルストロメリアの一件、ニュースでは取り上げていないようだ】


【それは民放や国営のテレビ局だけの話だ。ARゲームのモニターでは簡単にだが触れられている】


【それでも、センターに襲撃者が現れた事、青騎士を逮捕した事だけだ】


【このニュース、運営側が触れて欲しくないと言うメッセージなのか?】


【ふるさと納税やその他のシステムで、色々と都合の悪い出来事を――青騎士が訴えようとしたとか?】


【そう言ったレベルではない。多分――もっと大きな何かが影響しているのだろう】


【一体、何を隠そうと言うのか? あのニュースで報道していない事とは――】


 ネット上にも、今回の民放が動かない事等に疑問の声を持つ声がある。その声があるのは間違いではないのだが――あくまでも草加市という限られたフィールドの事件を大きく取り上げる事に、何か不利益があると考えているのか?


『やはり、そうなるか――』


 一連のネット上のつぶやきを見ていたのは、ARメットにインナースーツ姿のヴィザールだった。ヴィザールとしても今回の事件に関しては取り上げない事に違和感を持っている。確実に隠し通せるような規模の些細な事件ではないのは――誰の目から見ても明らかであり――。


『どちらにしても、動く必要性が再び出てくるのか』


 青騎士騒動の事例もあるので、自分が下手に表舞台に出るのは棄権と考えている。しかし、ネット上で注目されているのはガングートの方が話題のレベルとしては大きいだろう。それを踏まえれば、自分が今動いたとしても目的が悟られる危険性は少ないと踏んだ。



 午後2時10分、そんなヴィザールの行動を見て何か不審に思ったのはビスマルクだった。


「青騎士に類似した存在とも言えるヴィザールが、今のタイミングで動く理由――」


 色々と思う部分はあるのだが、今はそちらよりもスコアアタックの方が優先される。上位メンバーには有名なプレイヤーが並ぶ中、プロゲーマーと思わしき人物もランキング上位には存在していた。自分の順位は1位を維持しているのだが、1回のプレイだけでひっくり返される危険性がある。シューティングゲームの場合、わずかな操作ミスが命取りになるのは誰の目から見ても明らかだろう。そこまで集中力を削ってトライするような事でもないのだが――。


「どちらにしても、アルストロメリアの動向を探る方が優先するべき――」


 ビスマルクも何となくだが、アルストロメリアに関しての危険性を感じている。彼女はアーケードリバースの運営を見届けるような――狂言回し的な立ち位置なのかもしれないが、それでも稀に起こす行動は見過ごせない。


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