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【完結済】異世界生活は難しい。〜勇者一行、現代日本に転移する〜  作者: 松竹紅葉
第1章 勇者一行、召喚される?
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勇者一行、魔核の守護者と相対する。

やっと目的地に到着しました。

「……多目的ホールか。」


 遂に最上階まで辿り着いた勇者一行とツトムは、他の教室とは異なる重厚な扉の部屋の前に居た。


 多目的ホール。小さな講演会や吹奏楽部やオーケストラ部の練習に使われていた部屋だ。防音設備がしっかりしているので、多少の騒音なら外に漏れない。


「……ツトム。」

「何だよ、アレックス。」

「お前、此処で待ってろ。結界石ありゃ魔物もお前を襲えないだろ。」


 後方にいるツトムからアレックスの表情は窺えない。だが、ツトムでもこの先に居るモノには自身では到底敵わないことは理解している。何より、勇者一行の纏う雰囲気が一変した。


「(……さっきまでの緩さが完全に消えてる。)」


 ツトムは自分の実力が分からないほど馬鹿ではない。


「分かった、気を付けてな。……ヤバそうだったら校舎の破壊とか気にしなくて良いから。」

「お、マジか。じゃあ全力出すか!」

「ヤバそうだったらな!?」


 変なこと言わなきゃ良かった。ツトムは少し後悔するが、同時にアレックスの言葉から彼等が旧校舎を壊さないように戦ってくれていたことに気が付く。


「(……母さんに後で修復魔法教わろう。)」


 そんなことを考えながら、ツトムは勇者一行を見送った。







「……さて。ツトムはちゃんと結界石を使ったようだな。」


 多目的ホールに入った所でシャーロットが呟く。エリザベスの強大な魔力で作られたものだ。ちょっとやそっとでは結界を破壊できないだろう。


 たとえ魔王城に出現する位の強敵(雑魚)であっても。


 ツトムに余計な心配をかけさせたくなかったのであの場では適当に誤魔化したのだ。しかし、魔王城クラスの魔物がわんさか出てくるとなると、最早此処はミニ魔王城と言っても差し支えないのではないだろうか。


「ハァ……。此処に来るまであの可能性を全く考慮していなかったのは僕等の落ち度ですね。」

「そうねぇ。私たちが転移させられたんだもの。()()()も転移させられてたって可笑しくないわよねぇ……。」


 これまでの魔物との戦いを通して、アレックスたちはあることを確信していた。


 勇者一行が転移させられたのは、魔王との戦闘真っ只中だ。足元に突如として魔法陣が現れ、気が付けばツトムの家の地下室に居た。今思い返すと、あの魔法陣は部屋一帯に拡がっていたように思える。


 そうなれば当然、()()()()()()()


「言ってしまえば、魔王は自立した魔核だ。常に魔障を撒き散らしている奴が此処に転移させられるだけで、新たな魔核が発生しても何ら不思議ではない。」

「俺らを転移させたヤベェ奴に加えて魔王様まで居るとは、随分と厄介だな。」


 世界を救うのが簡単だと思ったことなど1度もないが、魔王を倒しても終わりでないのは中々に酷いとアレックスは思う。……たとえ困難な道であっても突き進むのもまた彼ではあるが。



「……つぅ訳だ。お前に構ってる暇はねぇんだよ。魔核竜(雑魚ボス)!」


 そう言って、アレックスは一閃を放った。






 魔核は出現すると魔障をばら撒きながら自身を守る魔物たちを生み出し、その中で1番強大な力を持つ魔物を守護者とする。魔核から直接力を与えられた守護者はその他の魔物とは一線を画す化け物だ。勿論魔核自体に格があるので、小さなものであれば守護者も他より少し強い程度の雑魚だろう。


 では逆に、その魔核が魔王の影響を受けたものであるならば?


 豪炎の如く輝く赤い鱗と黄金の瞳。

 多目的ホールを埋め尽くすが如く大きく広げられた翼。

 頭には一対の黒い角、そして額の中央には赤黒く光を放つ魔核が埋め込まれている。


 魔核竜(まかくりゅう)。魔核の守護者の中でも、最も大きな力を持つとされる()()()()()()()




 

 本来であれば、国が総出をあげて討伐に乗り出す『災害』であった。

vs魔核竜戦スタートです。

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