22話 計算高い変態
リズさん頼むからやらかさないで
俺は身体真化を使い全力でリズの元まで駆ける。ベレス達が何か言ってた気がするが、俺に言ったわけじゃないかもしれないから先を急ぐ。数分したところで帝都が見えてきた。リズも家の前に立っている。ん?なんか絡まれてないか?
「へい、姉ちゃん俺と一緒に遊ぼうぜ。気持ちよくしてやるよ!」テンプレ的なセリフをチンピラみたいな輩が言ってリズの腕につかみかかろうとしている。
何やってるんだ?あのゴミカスは。そんな汚い顔と手でリズを触らないでほしいな。すうーっと心が冷えていく感じがしてつい「殺すか…」と思わず言ってしまう。
「おい。そこのこの世の汚物以下のゴミクズ。その汚い手でリズに触れるな。」殺意を込めながら語気を強めて言うと「あ゙ぁ゙ん?」と物怖じせずに突っかかってくる。「なんだ〜?お前そんな変な髪と目しやがってよぉ?」いや、そこにいる姉ちゃんことリズと同じなんだが?やっぱ物語でよくでてくるテンプレチンピラだ
「お兄様、この人が話しかけてきて私嫌って言ってるのにしつこく…怖かったです。」なっ!?こいつリズを怖がらせやがって…こんなに怯えてるじゃないか。許さん普通に殺るか
「よしよし、怖かったね…兄ちゃんちょっとこいつに用があるから待っててくれる?」
「おい!調子乗ってんじゃねえぞ!」
はっーーー???調子に乗ってるのはお前の方だろ。まじで、何が言いたいんだよ…こいつ。もうまじで潰すか…
「無視すんなやーーーー!!!」と言ってナイフを取り出してきた。「うぉーーー」目が据わったまま、こちらに突撃してくる。いや、ただのナイフで傷つくわけないじゃん。魔力集中・硬を使ってナイフを受け止める。
「なっ!?」バリィーーンと音を立ててナイフが粉々になる。ま、そりゃそうだ普通のナイフでは俺を傷つけることはできない。
「お、お前なんなんだよ!」「………」問を無視して何も言わずに男をぶん殴る。手加減したがやはり、肋骨が折れ気絶してしまったようだ。気絶してる男をペチペチと叩いて起こし「二度と近づくな」と敵意を込めて言うと「お、覚えてろよ〜」といかにもすぎるテンプレゼリフを吐いてチンピラが逃げていく。
「ごめんねリズ…俺が離れたばっかりに怖い思いさせて…」リズの頭を撫でて、抱きしめる。「あへ、あへ」とても嬉しそうな顔をしてくれていい気分になる。
リズがどこかを見てニヤリとしていたが「何かあるの?」と言っても「えぇ…かわいそうな人達が…」と言って何があるのかは教えてくれずにはぐらかされた。
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「あの変態野郎〜!」リズが絡まれてきた男に魔道具を使おうとした瞬間レノンがやって来て、怖いフリをする。そしてレノンが華麗に追い払ってレノンの方から撫でたりハグされる状況を作り出す。そして撫でられハグされたと同時に「あへ、あへと言いながら」こちらを見てニヤリとした笑みを浮かべてきた。あろうことか「かわいそうな人達」と言ってきた。
「ムカつく〜あのド変態」「あへ、あへ、言ってキモい」シズが少しムッとしながら毒を吐く。「あの変態さっきからレノンの匂い嗅ぎすぎ」「あっ!手繋ぎながら歩き出した!」リズがワンアクションかますたびにわざわざこちらを見ながらやるので余計にたちが悪い。
4人のヤンデレと一匹の拡大解釈ドラゴンの怒りのボルテージがメキメキと上がっていく。それはもう恐ろしいくらいに…
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「リズ、そろそろ昼だからご飯食べに行こっか?」と嬉しそうにニマニマしながら横を歩くリズに問いかける「そうですねお兄様!どこか行きたいところありますか?」上目遣いに聞いて後ろのヒロインズが騒がしくなる。「うーん。久しぶりにステーキ食べたいな。それでもいいかな?」「もちろん。良いですよ。さぁ行きましょう。」と手を引っ張って歩き出すのでリズのテンションの高さがうかがえる。
今日誘ってよかったな…こんななテンション高いリズは久しぶりに見た。
「いらっしゃいませ〜ってレノン!?」と厨房にいたおじさんが驚いたように声をかけてくる。
「あ!久しぶりおじさん。」「なんだレノン最近見ないと思ったらリズちゃん連れてひょいと現れやがって。」と嬉しそうにこちらに駆け寄り背中をバシバシ叩いてくる。
この人の名前はモストさん。この店のオーナーでもあり、シェフでもある。従業員を雇っても自分が作る理由は「自分が作ったものをおいしく食べてもらいてぇのさ」とのことモストさんらしい理由だ。そしてモストさんは帝都の元騎士団隊長というなかなかに異色の経歴を持つ。クマのように大きくガッシリとした体格に似合う通り強いらしい。そんなモストさんにいつかは手合わせしてもらいたいとひそかに思っている。
「おじさん。いつものおねがい!」といつも頼んでいるモストさん特製のステーキを頼む。とろけるような肉とあの濃厚なソースが絶妙にマッチするのはもはや芸術である。特製のステーキを思い浮かべてると
「あれ?今日は嬢ちゃん達は一緒じゃないのか?」
と聞いてくる。それもそうだこの店にはほとんどパーティーの皆でくることが多いからだ。リズと来るときもあるがパーティーで来る方が圧倒的に多い。
「モストじいさん。今日は私お兄様とお出かけなんです。」とリズが頬を染めおじさんに伝える。
「ほぉ…そうかいそうかい。よかったなリズちゃん。がんばれよ!」となぜかリズのことを応援している。
そして席に座り、しばらくしてステーキセットが運ばれてくる。じゅうっと音を立て表面がこんがりしていて、それでいて中はとろけるような柔らかさ。おじさんが作る特製の濃厚なソースと絡み合い最高のうまさを引き出す。それはまさに黄金比の割合と言えるくらい。
「うわ〜マジでうまそう。おじさんのステーキは最高なんだよな。いただきます。」食べやすい大きさに切り分けて、口に入れる。
歯を突き立てたときは一瞬パリッときてその後にほどよくソースと溶け合った肉汁がでる柔らかい肉をじっくりと堪能する。うん…これだよこれ。最高!
リズの方を見るとリズも美味しそうな顔をしてどんどん口に運んでいく。なんかその姿が小動物みたいで可愛いらしい。
しばらく立ち最後の一口を口に運んで食事を終える。リズも丁度食べ終わったようだ。
「美味しかった?」と聞くと「はい!とても美味しかったです!」とニッコリとしながら返事をしてくれた。「あ!お兄様口元にご飯粒がついています。」え?どうやらご飯粒がついていたようだ。それに気づかず食事してた。…恥ずかしいな。
「取りますね。」と言ってなんと
直接キスするみたいな形で俺の口についていたご飯粒を取った。「……お兄様の味がします。」ともじもじと照れる。その姿は15歳の少女とは思えないほど妙に艶めかしく、周りが一気にシーンとなる。
最後の最後に盛大にやらかし、見ていたヤンデレズが噴火するのは時間の問題だった。
願い虚しく盛大にやらかしてしまいました…
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