音に敏感、匂いに寛容
私は息子が3歳の頃から漢方を飲んでいる。
毎日煎じて飲む漢方なので、家の中はいつも独特の匂いが充満している。
香水の香りは苦手だけど、漢方の匂いは受け入れられた。
「体のため」と思えば、まずいと言われがちな漢方も続けられた。
もう10年以上、その時々の体調に合わせて漢方医に処方してもらいながら飲み続けているので、今さら抵抗はない。
息子も、小さい頃からこの匂いの中で育ったせいか、文句を言われたことは一度もない。
幼少期からの漢方の“英才教育”のおかげかもしれない。
そんな息子だが、音にはとても敏感だ。
いや、正確に言うと、不登校になってから敏感になった気がする。
たとえば電車の中。
私がヒソヒソ声で話しているつもりでも「声が大きい」と文句を言われる。
しかも「ここでは話さないで」と、場所の判断基準まであるらしく、息子なりのルールがとてもややこしい。
でも息子自身は、その場で話したりする。どうやら、内容によって“話していいこと・ダメなこと”があるらしい。
私が少し声を張っただけで、これまで注意されたことのないようなことを指摘される。
一応弁解はするけれど、私は特別に声が大きいわけではない。
不登校になってからは「ゲーム部屋を防音にしてほしい」と言い出し、音に関する要求は一気に増えた。
正直、過敏すぎると思った。
…かと思えば、ゲーム中に腹が立つと大声で叫ぶ。
部屋から何かを叩く音も響いてくる。
「自分の音には甘くて、他人の音には敏感なのか?」と突っ込みたくなる。
でも、息子が殻を破り始めた頃から、音に関する文句はぐんと減った。
私のストレスも、だいぶ軽くなった。
最近では「なぜそれがダメなの?」と理解しがたいような音のルールも、言われなくなった。
音に関しても寛容になってきたのかもしれない。




