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神殺しは銃で死ぬ  作者: 尾根末彦
第11章 大災厄テュポーン
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贅沢な牽制

 大巨人の、陸塊ほどの大きさの突撃が、地響きと共におそいかかる。

 まるで小惑星の衝突にも似た一歩一歩に、陽美香は獰猛な笑みを浮かべる。

 

 くいくいと手を動かす。

 合図に応えた大地の神ポセイドンが、テュポーンの足元を揺るがし突進力を弱める。

 地面が波打ち、割れ、砕かれ、地盤が完全に崩壊した。

 

 陽美香はさらにひらひらと天に手をかざして合図を送る。

 太陽の神アポロンと月の女神アルテミスが、星屑のような極光を、一斉に巨人に照射する。

 大巨人は防御するように手で顔を覆う。

 

「まあまあね」

 陽美香はニヤリと笑う。防御行動を取ったのだ。

 効いてはいる。

「アレス、アテナ、よろしく」

「応よ!」

 軍神と戦女神は駆け出した。一歩ずつ、確かな勢いで駆け出す。

 その姿が十メートル、数十メートルと巨大化し、それでもテュポーンの膝丈程度ではあったが、突貫した。

 二槍と大盾が巨人を押し込めていき、さらに上空の爆撃が降り注ぐ。


 大巨人はアレスとアテナを押し返しながらも、うっとうしそうに上空を向き、溶岩の渦が形作った口から、高密度のエネルギーを生み出そうとしている。

 物質を生み世界を創生するようなエネルギー。

 それをそのままぶつける。

 

「ヘルメス! ヘファイストス」

「あいあいさー!」

 ヘファイストスが槌で地面を叩き黄金の鎖が出来上がる。それを握りしめたヘルメスが空を文字通り踏みしめ、縦横無尽に走り回る。

 影のあとにつづく金の鎖が星座のような織物を作る。

 そして、黄金の鎖が絞り、大巨人の口を縛り上げる。

 暴発する閃光。爆発する頭部。


「蒼天に座す、天国のRays」

 風雅が音を奏で、四体の獣を解き放つ。

 朱雀、青龍、白虎、玄武。

 それらが流星となって降り注ぎ、溶岩の巨人を吹き飛ばす。

 

 弾けた頭部から火山が爆発するような、雄叫びのような音が響く。

 GO GO GO GO GO


 溶岩の巨人はのけ反りながらも両腕を合わせて振り落とす。

 ダブルスレッジハンマー。

 それが大地にたたきつけられる前に、滑り込む神王女。

 

 放電し轟いた閃光が、衝撃となって空間を割いた。

 絶世の咆哮。

 

 雷鳴万華。

 

 その衝撃は溶岩の巨人の頭部どころか首の中ほどまで吹き飛ばし。

 

「行け! 大和!」

「行って! イサミン!」


 大和と勇美が突貫し、首元からテュポーンの中へと吸い込まれていく。

 続いて飛び込む、影と影。




 大和と勇美がテュポーンの中に突撃して見たのは、雲霞のような軍勢であった。

 灼熱の地獄を埋め尽くす、土塊の巨人達。


 地平が見えぬほどの、軍団。 

 

 それに相対する二人は、一瞬顔を見合わせ、飛び掛かる。

 大和は黒い炎を、勇美は紫の炎を、共に噴出させ空間を叩いて飛び込んでいく。


 二人が軍勢に届く前に、一人の女が姿を現す。

「「アフロディーテ!?」」


 美の女神は金の鎖を振り上げて、叫んだ。

 瞬間、金の鎖は膨張し、不穏な圧縮と湾曲を繰り返し暴走する。

「全部持っていけー!!」

 鎖が弾け、極大の衝撃破が巨人達を吹き飛ばした。

更新再開します!

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