第35話 愛情の違い、立場の違い
南実先高等学校二年生の修学旅行先―――奈良。
奈良公園で生徒たちは皆散らばり、
各々友人と喋りながら野生の鹿と触れ合ったり、写真を撮ったりなどしている。
二年A組のガートルードもカメラを構え、風景を撮っていると、
シャッターを切った瞬間映り込んできた見知った人影に、持っていたカメラを下ろした。
「ちょ、ちょっと待って! ちゃんとみんなにあげるから、止まって!!」
彼の目線の先では、リーフェルトが鹿の餌を片手に、
自分に群がろうと早足でついてくる鹿の集団に対し説得を試みている。
しかしなかなか餌をくれないクラスメートに焦れたのか。
ついに走りだした鹿たちに、リーフェルトは悲鳴を上げて逃げ出した。
「矢部さん! 矢部さん助けて!!」
「わああぁあガーシェル君! こっち来ないで!!」
「きゃー!!」
「……」
魔の中で上位の戦闘能力を誇るといわれているヴァンパイアが、
鹿の集団相手から全力で逃げ回っているという光景。
同じ班の女子たちも巻き添えに大騒ぎしているリーフェルトに、
ガートルードは何とも言いようのない顔をして、大きなため息を吐きだした。
その夜、京都の宿泊先の旅館。
旅館内の一室にて、浴衣姿のリーフェルトとガートルードが他愛のない話を楽しむ。
他のルームメイトたちは、他の班の友人たちの部屋に遊びに行ったのをいいことに、
互いの故郷の話について花を咲かせていた。
「……ところで、良かったのかよ」
「?」
「修学旅行。キャンセルしようとかずっと言ってたろ。お前」
「……うん。でも、これ以上彼女に迷惑をかけられないから」
狭山勇治郎と初めて対面したあの日。
眉一つ動かさず、「では小夜を陽人に任せて自分も旅行をキャンセルする」と言い放った歩花を思い出す。
旅行のキャンセル料は従兄に借りて、少しずつ返していく―――それが退魔師として自分が負うべき責任だと。
『で。どうするんや王子君。
自分の我儘のせいで辰弥君板挟みやで』
『……っ』
『事実、人間界で起こってる事件で、被害にあってるのも人間なんやで。
本音を言えば、今すぐ城兵動かして犯人とっ捕まえて欲しいくらいなんやけどな』
今でも思い出すたび、胸に突き刺さる勇治郎の言葉。
リーフェルト自身、人間のことは好きだ。その気持ちに偽りはない。
一方で、同じ種族だからこそ、人間を襲う背景に何か深い事情があった場合、
自分がフォローして受ける罰を少しでも軽くしてやれないかとも思う。
人間はそこまで悪いものではないと、犯人である彼に教えたい。
わかり合おうとすればわかり合えるものだと、説得したい。
しかしそれはただの自分の我儘であることも、否定はできなくて。
「街には狭山さんや後で上京してきたもう一人の退魔師に、星野尾君たちもいるから。被害は心配することはないと思う。
僕がいると、彼らの邪魔になる―――」
陽人や歩花は、ヴァンパイア側に立つ自分に対し苛立っているだろうか。
『人間には人間の都合があるように、ヴァンパイアにはヴァンパイアの都合がある。
ヴァンパイア側の都合に踏み入るほど私たちは人間側に戻れなくなるし、
人間側の都合に踏み入るほどリーフェルトはヴァンパイア側に戻れなくなる―――』
かつて陽人の口から聞いた、
歩花が陽人に言った科白を、リーフェルトは今になって思い出していた。
そして歩花は、元相棒にこうも言っていた。
『リーフェルトが結局ヴァンパイア側に回るようなら、敵対することも覚悟しろ』とも。
(僕は―――)
そこまで考えたところで、いきなり襖が開く音が耳に入り振り返る。
「よ。遊びに来た」
「ポテチ食べるぞ。ポテチ」
陽人と辰弥の姿をした歩花が、
各々コンビニの袋を片手に、自分たちと同じ浴衣姿で部屋に入ってきた。
笑顔の二人に、笑顔を返して。
リーフェルトは心の内で自問する。
(僕に、あるのか……? 陽人君や歩花と、敵対する覚悟が)
守りたいと願っている人さえ、傷つけて―――。
賑やかになった会話の合間。
ふと思い出したように歩花は顔を上げて、
「なあ陽人。そういえば結局狭山さんは今回君の部屋に泊まっているのか?」
「いや、なんか新宿でたまたま意気投合した外国人の家で世話になるとか言ってたな。
たまたま俺たちと同じ街に住んでるとかで」
「そうか。まあ、同じ街ならどこでステイしても問題はないからな……」
同刻。場所は変わって、リーフェルトたちが住んでいる街では、
インキュバスのシュガー・コフィと、ミリー・バークスたちがシェアしているマンションの一室。
二人と狭山勇治郎は、互いが人外と退魔師だと気づかないまま、
ビール缶を傾けながら、女の落とし方テクの向上のための情報交換をし合っている。
そんな三人から少し離れたところでヴェルナーはテレビを眺めながら、
秋の期間限定の菓子の味に夢中になっていた。
『そういうことだから。夜は決して出歩かないでくれ。
護身用に退魔の札を念のため渡しておくから―――』
真優の部屋。
修学旅行に行く前に歩花から渡された、少し多めに渡された退魔の札を彼女は見つめていた。
(……ヴァンパイア―――か……)
また、小夜が狙われるのだろうか。
そしたらまた、陽人と歩花が戦って……小夜を、守るために。
ボロボロになった二人。
体中に刻み付けられた痛々しい傷。血―――中学時代の記憶が真優の頭によみがえる。
(笹永君は、それでいいの?)
どれだけ死ぬ思いをしたって、振り向いてもらえるどころか、お礼を言われることもない。
(歩花は、それでいいの……?)
どれだけ彼女を守ったって、本当の自分に気付いてもらえないまま。
勿論、陽人と歩花、二人の気持ちはわかる。
自分だって小夜のことが大事だ。小夜は良い子だし、大切な親友だと思っている。
万が一のことがあったら、きっと悲しい。悲しいに決まっている。
「……それで、いいの?」
一人。この場にいない何も知らない少女に、ぽつりと呟く真優。
修学旅行の宿泊先。
リーフェルトたちがいる部屋とは違う、別の一室で、小夜は他のクラスメートの女子たちと無邪気に笑っていた。
(多分……いえ、絶対。
このまま逃げていたら貴方は、いつか何もかも失ってしまうのよ―――小夜)
陽人と歩花―――
優しすぎる二人の目隠しが、緩やかな時間をかけて小夜の首を絞めていく。
そして彼らも、そのことにはまったくといっていいほどに気づいていない。
退魔の札から顔を上げ、窓越しに真優は空を見上げる。
裕福な家に生まれ、家柄を守るためにずっと親から『いい子』を強制されてきた彼女だったが。
(私は、いつまで『いい子』でいられるんだろう……)
今まで傍観を決め込んできたが故の歯痒さに、
自分の我慢が限界に近付いていることに、彼女は気付いていた。
修学旅行、最後の夜。
消灯時間から、一時間ほど時間が経った後もリーフェルトは眠れなかった。
彼は上体を起こしてひっそりと溜め息を吐きだすと、
誰も起こさないように音を殺して部屋を出る。
犯人であるヴァンパイア。元ダンピールの双子たち。恋人のこと。
ロビーから見える曇り空を見上げながら物思いにふけっていると、
背後から突如声をかけられ、どきりとして振り返る。
「……っ、ああ―――」
「眠れないのか?」
「……うん」
教師に部屋を抜け出したことがバレてしまったかと思ったのだが、目に入ったのは男子の姿を借りた恋人。
安堵しながら、隣に立つ歩花に小さく笑んだ。
「歩花も?」
「ああ」
「そう……」
リーフェルトの相槌―――そこから暫し、二人で沈黙を聴く。
数秒の間を置いて、「あの」と先にそれを打ち破ったのは、リーフェルトだった。
「ごめん。……ずっと、謝りたかったんだけど」
「ん?」
「僕のせいで、歩花が狭山さんに怒られることになって」
退魔師、人間側と言う立場を守りながら、
恋人であるが故にリーフェルトの都合まで考えさせて、板挟みにして。
「え? いや、あれは僕の考えが至らなかっただけで、君は悪くない」
「ううん」
勇治郎の立場。リーフェルトの立場。
どちらをも考慮し、自分が思うよりもきっと悩みに悩んで、歩花なりの精一杯の提案をしてくれた。
「結局君に甘えてばっかりだ。僕って」
「そんなことはないさ」
「陽人君や君のためを思うなら、本当なら狭山さんが言うように僕が家に言って、
なんとかしてもらうように頼んだらいいってわかってるんだけど」
「まあ……君に会う以前の僕ならそう言っていただろうが。
陽人は君ともし友達じゃなかったとしても、変わらないと思うぞ。君を庇って、僕たちに反対していたと思う」
苦笑する歩花。
そういえば、歩花が自分を助けようとしてくれたのは陽人の頼みだったことを思い出して、
つられてリーフェルトも「ああ―――」と苦笑してしまう。
そうだった。陽人は、元々そういう性格だった。
「陽人がああいう性格だから、僕のように薄情なフォロー役が必要だと思って、
昔から組んでいたわけだしな。……でも、僕は少し変わってしまったらしい」
リーフェルトはガラス越しに旅館の庭を見つめている歩花の横顔を見やる。
その視線を受けながら、
彼女は前を向いたまま静かに口を開いた。
「皆それぞれ事情があることはわかっている。しかし敵側の事情なんてわざわざ積極的に聞いたところで叩き潰す判断が鈍るだけだとずっと思っていたから、今まであえて聞かないままにしてきた。
相手の事情を考える余裕がなかったのもあったんだろうがな。
最近、とある人のことを、思い出すんだ」
「人―――?」
「私が小さい頃に出会った男子の話さ」
そう言って間を一拍置いた後。
「その男子はな、どこにでもいる普通の少年だった。人間ではなかったけれど。
しかし嫌われていた。道行く人々に睨まれ、悪口を言われ……彼自身、何一つ悪いことはしていないのに。―――何故、嫌われていたと思う?」
「……う……ん……? どうしてだい?」
「彼の父親が、人を死に追いやったからだ」
突然すぎる重い科白に、どういう反応をしていいのかわからないリーフェルト。
それでもいつもと変わらぬ口調で、歩花は淡々とリーフェルトに語り続ける。
「動機は、自らの出世のため。
少年の家はそれで成り上がることに成功したが、多くの者たちの嫌悪の対象になり、
罪のない子供まで非難されるようになってしまった」
「ひどいね……」
「ひどいだろう?
でも私も、少年に対してどういう態度をとればいいのかわからなかった。
彼自身に罪はないと理解はしていても、感情がついてこなくて。彼も、上手く隠していたからな。
彼のことを受け入れようと思ったのは、鏡がきっかけだった」
「鏡??」
「彼はいつも顔に食べかすがついていたから。都度手鏡を渡していたんだが、
ある日、鏡は好きじゃないからと嫌がられてな。
ちゃんと綺麗にしろと無理矢理自分の顔を見せようとしたら、本気で怒られて、その場で鏡を叩き割られたよ。
父親似の自分の顔が嫌いだと、泣き叫ばれた」
「……」
「君に出会ったこと。そしてランフランクの事情を知ったことから、
時々疑問に思うんだ。自分から相手を理解し、傷を少しでも癒して、和解するという選択肢もあったのではないのかと―――。
こんな考えをするようになったことを、“成長”と呼ぶのか、その逆なのかは自分でもわからないが」
歩花は言葉を止め、リーフェルトと目をかち合わせた。
「だから、私は君を信用し、君の願いも尊重する。邪魔はしない。
しかしこんなことを私と君の仲でハッキリ言いたくはないが、私たちの仕事の邪魔も、どうかしないでほしい。
狭山さんの言っていた通り、狙われているのは人間界に住んでいる人間たちだ。
つまりはどちらが犯人を止めるか、退魔師たちと君との“競争”という形になる」
「……」
「もし力を貸してほしければ、内容によって協力はするし、私で良ければ助言もするが。
私は元々は人間側。それは理解してほしい」
自分と歩花が恋人同士だということ。自分の種族が人間を襲っている事件のこと。
話はまったく別だということは、リーフェルトにもわかっていた。
「うん……大丈夫。わかってるよ」
口では納得している言葉を返していても。
心細い気持ちは否めなかった。
悪魔祓い笹永陽人と対峙したことで羽を失い、
気分転換である夜の散歩も、その漢字どおり自らの足を使わなければならなくなったのを憂いながら、
シュガーは道の中で紺碧の空を見上げ溜め息を吐く。
『最近夜は物騒やから、外に出たらあかんで』
数日間限定で自分が住んでいる家にステイさせている人間に、妙に大人ぶった口調で言われたが、
所詮人間の警告。聞いてやる義理などない。
自分もミリーも、ニュースなんてまともに見たことはない。
人間界で起こっている事件になど興味はなかった。
(僕男だし―――女に間違われそうになっても喋ったらわかるし。
なんかあったらうちの執事とか使用人利用しまくって精神的にズタボロにしてやりゃいいよねー)
力が使えなくなってから、毎日が退屈なのだ。
人の不幸は蜜の味。日々不自由を強いられているのだ。それくらいの娯楽くらいあったっていいだろう。
「あの―――」
「……?」
控えめな声が微かに耳に入り、そちらを振り向き足を止めるシュガー。
視線を落とせば、夜道の灯りの真下―――そこにスーツ姿の女がうずくまっている。
「すみません……足を捻挫してしまって」
女の傍らに転がっている靴にふと目を転じれば、
ヒールが折れてしまっている。
「家はすぐそこなんですが。どうか、肩を貸していただけないでしょうか」
次いで、長い黒髪から覗く彼女の顔をよくよく眺めてみる。
自分よりも若干年上ではあるが、少女のように潤んだ円らな瞳が愛らしい。
ぽってりとした唇に乗った真っ赤なルージュが良く似合ってどきりとした。
「……うん。いいよ!」
自分の魅力を知り尽くした外向けの笑顔で愛嬌たっぷりに答えて、シュガーは女に近づく。
彼女と距離をある程度縮めてから、気付いた。
この女―――かなり胸が大きい。
「大丈夫ー?」
「はい……なんとか……」
白い華奢な手で自分の手を取り、女はふらりと立ち上がる。
その際痛めた足に重心をかけてしまったらしく、
彼女は小さな悲鳴を上げて、豊満な身体をシュガーに押し付けてしまう。
「ごっ……ごめんなさい―――」
「ううん! 平気だよ♪」
女の身体を咄嗟に抱き留めながら、
自分の胸板に強く当てられた柔らかな感覚に、うっかりシュガーの下心が表情に出そうになる。
加えて、鼻をくすぐる女独特の甘い匂い。
(やばい。たまんない……)
今すぐこの場で唇を奪ってあれこれそれこれ。
しかしここは野外。
最近飢えているとはいえ、出会ったばかりの女をこんなところで……なんてしてしまうほど、自分はみっともない男ではない。
内心人間を見下してはいるが、それを表面に出すほど浅くはない。
女というものに対し、表面上だけではあるものの、自分は基本的に紳士だ。
抱き合うような体勢から離れようとした時、女と至近距離で目がかち合う。
恥ずかしそうにほんのり赤らんだ頬を見て、更に身体の熱が上がる。
「……一人暮らし?」
相手の魅力に押されて思わず聞いてしまい、すぐに「しまった」と、スマートではない質問をしてしまい後悔したシュガーだったが、
彼女は不快な表情を一切見せることなく、彼から目を離さないまま
「―――友達とルームシェア。今夜は、彼女は朝まで帰らないけれど。
だから、助けてくれたお礼に紅茶でもどう? カフェイン入り。
それとも……子どもだから、眠れないと困る?」
上目遣いではにかみながら、しかしどこか蠱惑的な微笑み。
これは明らかに、どう聞いても“YES”だ。
心の内でたちまちこれから起こる展開への期待に舞い上がり、
「子ども扱いしないでよ」と、シュガーは甘く囁いて彼女に肩を貸し歩き出した。
が。
一歩。足を踏み出した瞬間に、突如傍にいる彼女から高い悲鳴が上がった。
「はい。ビンゴ」
第三者のボーイソプラノ。
驚いてシュガーが振り向けば、いつの間にかそこに、自分のマンションに現在泊まらせている人間の連れが妙な手袋を片手に着けて立っていた。
自分の隣では、女がうなじを抑えて苦しげに呻いている。
「えっ?? えっ―――」と、戸惑うシュガーの耳に、
「だから外は危ないって言ったやろ」と、独特の方言混じりの声が入る。
「ここから先はオトナの時間。
シゲキの強さに大ヤケドする前に、はよ帰りぃ」
夜の闇の中から、灯りに近づき姿を見せたのは勇治郎。
ヴェルナーは手袋の甲の部分を掴みそれを彼に投げて寄こすと、
女が相棒に気を取られている隙にパーカーについているフードを頭に乗せ、姿を消した。
「!」
ヴェルナーが突如忽然といなくなったのに驚いたシュガーは、
不にぐい、と腕を引っ張られる感覚に身体を跳ねさせる。
<家まで送るから。黙ってついてきて>
頭の中に流れ込んでくる声。
この感覚は知っている。自分たちがよく使っている力とまったく同じものだ。
「な、なに……?」
<黙ってって言ってるじゃん。巻き込まれたいの?
せっかくあの女から助けてやったのに>
「……? ??」
<あの女、人間じゃないよ。信じられないかもしれないけど、吸血鬼ってやつ。
アンタ、あのままだったら間違いなく全身の血抜かれて殺されてたよ>
「―――はぁあ……!?」
<ていうか何ふらふらふらふら外ほっつき歩いてんの?
そういえばアンタ、家じゃいっつもくだらない番組ばっか見てるもんね。
もう十七なんだから、ニュースの一つや二つくらい見たら? 顔だけ良くっても意味ないよ?>
「……」
年下が年上に向けるとは思えない呆れ果てたような科白に、シュガーは引き攣った顔で青筋を立てる。
しかしもし彼の言う通りあの女が吸血鬼だというなら、助けられ、守られていることは事実。
返す言葉が見つからず、
シュガーはうぐぐ、と唇を結ぶしかなかった。
キャラクター図鑑
星野尾里央
ウェーブがかったプラチナブロンドの髪が特徴的な、ヴァンパイアハンターの元ダンピール(吸血鬼と人間の混血)。インキュバス戦で成熟したヴァンパイアとなった、聖アイテール学院三年生。ヴァンパイアの父親と人間の母親の間に生まれる。(父親は元人間で、生まれつきヴァンパイアだったわけではない。)幸せな家庭で育ってきたが、ある夜彼の母親は何者かに血を吸い尽くされ、父は干からびた妻の傍ら『私は何もやっていない』と怯えた声で叫んだのを最後に、里央たちの前から失踪してしまう。父を信じて母を殺したヴァンパイアを憎み、双子の妹の美央と共にヴァンパイアハンターとなった。
母方の叔母、星野尾日奈子とマンションで生活しながら、自分たちのような被害者が出ないよう、毎晩ヴァンパイアを探し回り、狩り続ける日々を送る。
正義感が強く誠実な性格で、常に学年トップをキープ。一見なんでもこなす完璧人間で、学校では男女ともに尊敬を向けられるが、家事が苦手。(あまり物を置かないため、部屋は綺麗なものである。)家庭科の授業では天然が炸裂し、その点においてのみ、同じグループになった男子たちからいじられる。
母方の祖父に可愛がられ、妹共におじいちゃんっ子でもある。私立高校に通っているのも、祖父の勧めと援助のおかげ。
失踪した父を探すための旅費を少しでも貯めておこうと、バイトにも励んでいる。
メイン武器↓
聖の祝福を施された純白の鎌。柄の部分に祝福は施されていないが、念のため里央はこれを扱う際常に手袋を着用している。
長い柄の先は杭となっており、杭に鎌の刃が付属しているようなデザインとなっている。
サブ武器↓
拳銃。弾丸は聖の祝福を施されており、人間ではない者が扱う際は手袋必須。
星野尾美央
長いウェーブがかったプラチナブロンドの髪が特徴の、元ダンピール。ヴァンパイアハンター。里央の双子の妹。インキュバス戦で里央と血を分け合い成熟したヴァンパイアとなった、聖アイテール学院三年生。
干からび死んでいる母とその傍らにいる父を一番に発見したのは彼女である。最初は父を強く信じヴァンパイアハンターになったが、悪夢にうなされるたび、『母を殺したのはひょっとしたら父ではないか』と胸の内で疑うようになる。更には、元々争いを好まない優しい気質にも関わらず、父の汚名を晴らすため自ら戦いに身を投じることで精神は病んでいき、身体は次第に痩せ細っていった。ヴァンパイアの血の恩恵だけでなんとか戦ってこれたようなもので、普通の人間の身体ならいつ戦えなくなってもおかしくはなかった。
『美央がいなくなれば、父も兄も居場所を失ってしまうことになる』と歩花に諭され、一番にあの事件を目にした自分が一番父を信じてあげなければと目を覚ます。今、彼女なりに少しずつ自分を変える努力をしているようだ。
バストサイズはAカップ。成長期にしっかり食べていなかったことが原因となっている。最近になって胸がないことを意識し、ちょっぴり焦っているようだ。
メイン武器↓
聖の祝福を施された純白のチャクラム。柄の部分に祝福は施されていないが、彼女もこれを扱う際常に手袋を着用している。
二対の大きな円月輪で、飛び道具としても、近距離武器としても使用可能。
サブ武器↓
拳銃。
純白の杭。祝福を施された対ヴァンパイアとどめ用の武器。




