第Ⅲ幕.廃校へ・・・。
「3」
*廃校の教室。4人とも板付き。疲れきっている。
武野 ……それにしてもココの村、不気味だよな。
関元 ああ、ボロいし、静かだし、人とも一回も会ってないもんな。それにしても、
集合場所に行っても誰も居ないし、代わりにあったのが、校舎内の地図だけだっ
たし。愛想ォ悪ィよなー。
郷実 しかも、廊下に何かチッコイ矢印が貼ってあったよね・・・。
森口 そうそう、それで結局たどって行ったらこの宿泊場であるこの3‐4の教室に着
いたワケです。
4人 感じ悪いよなぁ~・・・
森口 はぁ、それにしても、落ち着かないトコですね。――でも、まあ、寝れないこ
とはありませんか。一応、寝袋(又は布団)が置いてありますし。それも新品。
*武野、さり気なく積まれた寝袋の方へ行き、触りながら「ひぃー、ふぅー、
みぃー…」と数える。
関元 そうですね。
武野 三組しかないぜ。
関元 そりゃあそうだろ。内田が『参加者』は 〝三人〟で、て送ったんだから。
森口 そんなー。僕はどこで寝たら良いのです?
郷実 (考えて)えーと、でしたらそこどうです?そこ。
*郷実、教室の隅のゴミ箱がある辺りに指を差す。
森口 ……僕はゴミですか・・・
武野 いや、むしろネズミ辺りですかねぇ
森口 誰がです!?僕一応、教師ですよ!何か恨みでもあるのですか…?
郷実 ないですよ。自分達は。あっ、でも教師って大抵そういうもんじゃないですか。
森口 まぁ、それはそうなんですが。第一、狭過ぎです。僕身長が170センチ位
あるのに、ムリです。
関元 では、廊下で……
森口 もっとイヤです。
武野 …どっちにしたって、今日の内に解いてしまえば、関係ないのでは?
関・郷・森 (同時に)あっ。
関元 そうだよな。解けなくても、諦めればいいんだよな。
郷実 見つかったら逃げちゃえばいいし。
案内人(off)『そんなことは、ダメですよ』
*4人、ほぼ一斉にびっくりする。
関元 誰だ!お前ッ!
案内人(off) 『これは失礼。ワタシは、今回この催しの案内人です。質問は答えられる範
囲なら受け付けておます。以後、お見知りおきを。』
4人 はぁ・・・
案内人(off) 『さて、参加頂いた貴方方4名には……4名?』
森口 僕は引率の者です。
案内人(off) 『左様でございますか。では、気を取り直しまして。今回、貴方方には、
この村に残されし、と言うより、発見された暗号ですね、そちらの方と、
この小学校の校歌に隠されし謎、と申しましても、むしろ噂、について
解いて頂きます。』
森口 なんか、規模が小さくなっていませんか?曖昧ですし・・・
案内人(off)『お気になさらずに。えー、とにかく解いてもらいます。問題の方はそちらに
ありますので』
*4人辺りを見回し、関元が床にあることに気付き、3人ともそっちを見る。
4人 いつの間に…。
武野 気になっていたのですが参加者は何組居るのです?
案内人(off) 『貴方方、一組のみです。』
4人 えっ!?
関元 何故です?
案内人 『こんな、マニアックなイベント、来る方が珍しいものです。』
4人 おい! (一斉ツッコミ)
関元 で、でも、解けば、そのぉ、賞金130万貰えるって聞いたのですが…
案内人(off) 『ヘンですねぇ、賞金は一人に付き3万円のはずですが……』(不可解そうに)
関元・武野 少なッ。
*関元・武野、郷実を睨み付ける。
郷実 な、何よ。いいじゃん、どーせ、50分の1貰えんだから。だって、参加した
かったンだもん。
関元・武野 おまえなぁー!!
*関・武・郷、口論(軽い喧嘩)になる。
案内人(off) 『・・・え、では、健闘をお祈りします―――』(ドサクサに紛れて)
森口、とりあえず、3人を止める。3人とも正面に向き直る。
森口 ところで、カードには何と書いてあるのです。
*関元、カードを拾って中を開ける。
郷実 なんて書いてあるの?
武野 どぉ?
関元 (カードを見ながら)――校歌とワケの分からん暗号だな。(3人に見せる)
武野 ホントだ。解らん。
郷実 うーん、そしたら、先に解りやすそ~な、校歌からいく?
森口 ですが、順序的にはコッチが先では?
郷実 そうですね。
武野 一回声に出して読んでみたら?
関元 そうだな。えーと――『輪を足し、蠆・刹那・文雄を濃くば、角 そーとも 二画 下』
…先生、この『蠆』と『文雄』って、なんて読むのです?(出来ればボードに書く)
森口 (文字を見ながら)えーと。『蠆』はサソリですね。『文雄』はモンノウと読みます。
郷実 モンノウって?
森口 江戸時代に使われていた名前の一つです。
関元 よくそんなの読めますね。
森口 一応、国語担当なので。
3人 あーあ!
森口 何ですか。その反応は・・・
武野 ――とりあえず、これらに共通する何かを探そう。ヒントかもしれないし。
関元 そうだな。
武野 まずは、『輪を足し』ってところだな。
郷実 (考えて)…三つの言葉の上に『わ』を付け加えてみる、とか。
森口 (三つの語に『わ』を付けて言ってから)意味合いが無いですね…。共通する
と言う意味かな?
関元 あーあ、…う~ん……共通するもの共通するモノ、か……あっ!
武野 何か解ったのか?
関元 『蠆』と言えば、毒。『刹那』と言えば緊迫感。『文雄』と言えば江戸時代。
ここで共通するモノとい・え・ば?
武・郷・森 戦! (少し考えてから)
関元 YES! (ノリ良く)
郷実 となると・・・外? (間を空けてから)
武野 そうだな。戦ってたいがい外でやるモノだしな。
郷実 宝探し的な要素から行くと、庭、かな?
森口 そうと決まれば、関元クン任せた。
関元 はい!
武野 (逃げる感じで)さーて、と。ボクは――
森口 武野クン、君もです。
武野 外寒いのに…分かりました。
森口 では、頼みましたよ。気をつけてー。(手を振る)
郷実 いってらっしゃーい。
*関元・武野、手を振ってはける。
森口 さて、と。この暗号の続きは彼らが探しに行っているヒントが無ければ解け
ないかもしれませんし、僕らは、校歌の方を先にやっておきもしょう。
郷実 そうですね。楽譜付きですし、一回歌ってみます?
森口 やりましょうか。
郷実・森口 『(歌う)』
*照明が突如消える。郷実・森口、騒ぐ。
Woman(off) (いきなり嘆き悲しむ様な泣き声をする)
*郷実・森口、怖がってさっきよりも騒ぐ。スポットは2人をあてる。
Woman (不気味に出てきながら)うぅ、カナシイ、悲しい、ツライ、ダレカァ
……(出てきたら照明をあてる)
*Womanのスポットを消す。その間にW、はける。その時に郷実、
倒れる。森口、困惑する。
森口 (かなりビビッて後退りをしながら)ヒ、ででででででで、でたあ
ああ ーーー !!!!
*森口、猛ダッシュで逃げる。郷実はそのまま。森口がはけた後、
暗転。暗転後、郷実、舞台の隅に移動し、顔を隠す様に体育座りをする。
その後、照明をつける。関・武・森は騒ぎ+息を切らしながら入って
来る。森口は物凄い顔で2人の手を引きながら。




