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LUCK TiME  作者: 風快李吏


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2/7

第Ⅰ幕.サボリと演劇部。


    ナレーション そう、あれは、私が中三の時だった。私達3人は面白半分である村に向かっ

    (off)    たのだ。あの雪降る冬休みに。謎に満ちた渦に巻き込まれたのだ。

         私達は何も知らずに……。

   


              「1」  幕が開く。

                  

*三人組は部活を終え、教室にいる。3人とも椅子に座っている。郷実は手

 orポケットにケータイを所持している。

            

    関元     あーっ疲れた。それにしても今日の部活しんどかったなー

    武野     演劇部なのに外周を何回も走らされるとは思わなかったよな・・・

    関元・武野  キツかった~・・・(だるそうに)

    郷実     そんなの2人が部活サボった上に嘘を付いたからじゃん。

    関元     それはぁな、えーと――

    武野     猫がこの寒さの中で捨てられていたんだよ。それで助けて――

    郷実     ウソ言いなさい!

    武野     うっ、ホントはゲーム買いに行ってましたー。(ホントから棒読み)

    関元     今日が発売日だったので。         (  〃   )

    関元・武野  それが何か!?

    郷実     あんた達ねぇ……                                 

    武野     まあまあ、次からは、ちゃんと参加するから、さ。たぶん。

    郷実     たぶんって何?たぶんって。

    関元     いや、絶対に行くから、おそらく。

    郷実     おい、いい加減にしないとチクルよ?

    関元     はいはい。

    武野     わ、わかったって。

    関元     行くから、行くから。

    武野     だって、先生より内田のほうが怖いし、ちゃんと行くって。

    郷実     なによソレ。

    関元     まあまあ、それじゃあ内田が今したいこと、出来ることならおれら何でもする

           からさ。許してやれって。

    郷実     え、いいの?じゃあ、この話題に乗ってくれる?

             *郷実、カバンから雑誌を取り出す。

    郷実     (雑誌を見せつけながら)見て、コレ。ね、面白そうでしょ?

    関元     (雑誌を見て)『ミステリアス~これでアナタも信じる~』……。

    郷実     どう?

    関元     胡散臭ェー!(リズム良く)

    武野     何だよそのタイトル。

    郷実     けっこう流行ってるんだって。一部の女子の中では。

    武野     それって、マニアックな奴らって事か?

    郷実     さあ・・・私の場合、友達に薦められて買ったんだよ。

    関元     内田ぁなんかおれ、お前に同情したくなってきた。

    武野     ボクも。

    郷実     なんで?

    関元     (聞き流して)前から思っていたけど、何で女子ってこーゆーのが好きなワケ?

    郷実     皆が皆そうじゃないと思うけど、うちの場合、これが作り話でも本当にあったら

           面白いし、なんかこう、引き付けられる、というか・・・。

    武野     まあ、気持ちは分かるな。 (この後に関元、頷く)

    郷実     取り敢えず見てって。

            *郷実、2人に雑誌を渡す。

    関元     しかたないなぁ。

    武野     で、中はどう?(興味なさげに)

*関元・武野、 雑誌をめくり何秒か見る。その間、郷実、ケータイと取

  り出す。いじってる。

    武野     て、言うかこの記事、ていうより全体的にやっぱり怪しくねェか。

    郷実     そう?

    関元     そんなの、表紙からしてそうだよ。分かりきっているし。やっぱ胡散臭ぇ。

    郷実     でも、面白いじゃん。ホントに起きたら、さ。

    関元     起きねぇよ。

    郷実     夢がないねー。(可哀想と思いながら)

    関元     オカルトで「夢がない」と言われてもなぁ……。

    郷実     ハハハ、そうだよね。

            *郷実、ケータイに向き直る。その間、関元・武野は何かを喋っている。

    郷実     (ケータイを見ながら)ねぇ、これちょっと気にならない?

    武野     (ケータイを覗き込んで)ん、サイトか?

    郷実     そう。

    関元     今度はなんだ?

    郷実     えーと。『今宵、貴方は奇怪かつ不思議な体験をする』――。

    関元     これもオカルトか?

    郷実     多分。

    武野     で、本文は?

    郷実     ンー、と。『我らが故郷、イシナカ村に残されし暗号と我が村の廃校の校歌に

           潜む謎を解きし者求む――』・・・

    関元     おい、武野、こいつ目がヤバイぞ。                           

    武野     ああ、何かキラキラしてる・・・。ヤバイ。来るぞ、来るぞ、来るぞ・・・。

    郷実     ねぇ、『参加』しようよ。

    関元・武野  やっぱりかぁ……。

    郷実     だって、面白そうじゃない?クイズ的要素もあるし。ねぇ、やってみようよ!?

    武野     あぶないって、それ。絶対に。やめとけって。ボクはイヤだからな。

    関元     そうだぜ、面白半分でやると、えーと、よく、うん、アレだ。ドラマや映画とか      

           マンガとかであるだろ?ヘンなことに巻き込まれる、とかさ。後悔する前に、

           諦めろって。勿論、おれも不参加だからな。

            *郷実、うつむく。

    関元     (焦って)ご、ゴメン言い過ぎた。ゴメンこの通り。

*この直後、郷実、顔をあげてパァと明るくなり、ニッと笑う。

*関元、後悔する。

    郷実     (陽気に)だからいいんだよ。・・・遭ってみたいな~。そーゆーの。

            *関元・武野、少し引く。

    武野     (ヒソヒソ声で)一番危険なのは、じつはコイツじゃあねぇか?(関元に向かって)

    関元     確かに。

    郷実     お願い、一生のお願いだって! (顔の前で手を合わせて)

    関元・武野  (キッパリと)絶対に断る!!

    郷実     (嫌そうに)ええー。   (溜め息を付く)

            *郷実、顔をさげ、ケータイをいじる。何かを見つけた様子でその後、顔を上げる。

    郷実     ふ~ん。残念だなー。賞金付きなんだけ・れ・ど……。

    関元・武野  (ふっと顔を上げて)えっ!

    関元     そーれーはー・・・どのくらい?(恐る恐る訊く)

    郷実     えーっと。いち、じゅー、ひゃくぅ・・・・・・

    武野     (がっついて)おいおい、そんなにか!?

    郷実     130万円……。

    関元・武野  うっそ~

    郷実     ホント。

    武野     欲しィー

    関元     是非とも。

    武野     遊び放題!

    関元     買い物し放題!

            *関元・武野、ニマッとする。

    関元     でも、13って縁起悪ッ

    武野     そこはまあまあ。

    郷実     じゃあ、参加するってことだよね!?

    関元     えっ、でも・・・

    武野     よろしくない気がするンだけど・・・ 

    郷実     えっ、でも、もう送信しちゃったけど。『3人で参加』、とサイトに(スラッと言う)       

    関元・武野  勝手だぁ!!

    郷実     いいじゃんいいじゃん!

    武野     はぁ、あーあ、送ったからにはもう引き返せないぜ。

    関元     ああ。仕方がない。でもさぁおれらだけで行って良いものか?真面目にとか

           そーゆーのじゃなくてさ。

    武野     うん、そうだよな。聞いたこともないし、『イシナカ村』ってトコなんか。

    関元     それに、賞金、多いし。

    武野     解けたらの話だけどな。

    関元     ハハハ、そうだな―――…

           で、どうするんだ。内田ぁ。親はうるさいからダメだし、先生になんて以ての外だし。 

           あてが無いぞー。んー、仕方がない、ボクらだけでいくか?(少し悩みながら)

           

            *郷実いきなりフフフと笑い出す。

    郷実     心配御無用!うち、あの先生の弱味を握ってるんだよねぇ・・・

            *関元・武野、興味を示す。

    関元     誰の?

    郷実     森口センセーの。

    関元・武野  はぁ?

    関元     おれらとよく喋ってて、周りから好かれている、あの副担の!?

    武野     あのいい先生が隙を見せるような弱味なんかあんの!? 

    郷実     そう。

    関元・武野  ありえん・・・

    郷実     それがさあ、この前の塾帰りに森口っさんを見かけたんだけど、何か様子がお

           かしくってさ、気になって後をつけたんだけど、そしたら――

    関元・武野  そしたら?

    郷実     『ギラめくピンクのSM~あなたのハァトにごーるいん~』って店に入って行った。

    関元・武野  えええー!

    武野     それホントか?    

    関元     ものすごいイメージダウンじゃん。

    郷実     だって、ホラ。

            *郷実ケータイを見せる。

    関元・武野  うっっそ~~ん!!

    郷実     証拠あるし。コレ使って頼んでみる。

    武野     お前はモンスターペアレント以上に悪魔だ。

    関元     武野、お前ッなんかツッコミどころズレてる。

    郷実     こういうのは、プロフェッショナルというの。(無邪気な笑みで)

    関元     お前の笑みが一番怖い・・・・ (引く感じで)


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