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光なき道、月下の契約
光なき道
古の迷宮に挑んだ冒険者は、松明が尽きても進み続けた。
暗闇の中、壁を撫でる指先が感じたのは、かつて同じ道を辿った者たちの刻んだ痕跡だった。
「先人の導きか」と彼は思った。
やがて指先に温かな風を感じ、出口の光が見えた。
振り返ると、自らの足跡も壁に刻まれていた。
月下の契約
禁忌の儀式を執り行う夜、魔術師は月光に照らされた湖の中央へと進んだ。
「愛する者を救うため」と彼は呟き、自らの血を水面に落とした。
湖面が赤く染まり、深淵から声が響いた。
「命には代価が必要だ」と。
彼は躊躇わず答えた。
「私の全てを捧げよう」
翌朝、湖畔に横たわる彼の体は冷たく、愛する者の病は癒えていた。




