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異世界住人譚~ショートショート集~  作者: nireron


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空に浮かぶ故郷、最後の標的

空に浮かぶ故郷


「あれが私の故郷だ」老人は空を指さした。雲の上に浮かぶ島。

「なぜ降りてきたの?」少年が尋ねる。

「五十年前、島が沈み始めた。若者は皆、地上に逃げた」

老人は懐から種を取り出す。「これは浮遊の木。根が大地を引き上げる力を持つ」

「帰れるの?」

「私は無理だ。でもお前が植えてくれれば、いつか新しい浮遊島が生まれる」


最後の標的


賞金稼ぎの彼女は、追跡した盗賊を森の奥で追い詰めた。

「命乞いは聞かない」と冷たく告げると、盗賊は笑った。

「私を捕らえれば、あなたの過去も明るみに出る」

彼女は動揺を隠し剣を構えた。

しかし、盗賊の顔に父の面影を見た瞬間、手が震えた。

血の繋がりか、それとも罪の連鎖か。

彼女は剣を下ろし、初めて標的に背を向けた。

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