20/46
空に浮かぶ故郷、最後の標的
空に浮かぶ故郷
「あれが私の故郷だ」老人は空を指さした。雲の上に浮かぶ島。
「なぜ降りてきたの?」少年が尋ねる。
「五十年前、島が沈み始めた。若者は皆、地上に逃げた」
老人は懐から種を取り出す。「これは浮遊の木。根が大地を引き上げる力を持つ」
「帰れるの?」
「私は無理だ。でもお前が植えてくれれば、いつか新しい浮遊島が生まれる」
最後の標的
賞金稼ぎの彼女は、追跡した盗賊を森の奥で追い詰めた。
「命乞いは聞かない」と冷たく告げると、盗賊は笑った。
「私を捕らえれば、あなたの過去も明るみに出る」
彼女は動揺を隠し剣を構えた。
しかし、盗賊の顔に父の面影を見た瞬間、手が震えた。
血の繋がりか、それとも罪の連鎖か。
彼女は剣を下ろし、初めて標的に背を向けた。




