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血統の魔力、器と魂
血統の魔力
王家の末裔である少女は、一族に伝わる炎の魔力を宿していた。
だが彼女は魔力を継ぐために生まれたのではなく、ただ絵を描きたかった。
「血が望む未来と、私が望む未来は違う」
少女は王宮を出て、小さな村で絵筆を握った。
やがてその絵には不思議な温もりが宿った。
炎は、彼女なりの形で受け継がれていたのだ。
器と魂
老鍛冶師は死の間際、弟子に告げた。
「わしの魂を、あの剣に移してくれ」
弟子は師の願いを叶えた。
剣は語り、笑い、時に泣いた。
だが季節を重ねるうち、剣の声は静かになっていった。
「肉体を失くして初めてわかった。魂とは、朽ちゆく体があってこそ燃えるものだったんだな」
最後の一言を残し、剣は沈黙した。




