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強制進化、精霊契約
強制進化
王国の兵士たちは、魔法薬で獣の力を注がれた。
腕は太く、爪は鋭くなり、戦場では無敵だった。
だが戦が終わっても、体は元に戻らなかった。
ある兵士は震える獣の手で、幼い娘の頭を撫でようとした。
娘は怯えず、その手を両手で包んだ。
「お父さんの手、あったかいよ」
彼は初めて、変わらなかったものに気づいた。
精霊契約
水の精霊と契約した青年は、干ばつに苦しむ村を救った。
だが契約の代償として、彼は少しずつ感情を失っていった。
喜びも悲しみも薄れゆく中、幼馴染の少女が泣きながら言った。
「あんたが笑わなくなったら、雨なんか降らなくていい」
その言葉に、枯れたはずの涙が一筋こぼれた。
精霊は静かに微笑み、契約を解いた。




