01 勇者マイン解雇される
はじめまして、つきがめ ゆうたと申します。
初心者なうえ遅筆ですが温かく見守っていただけると幸いです。
導入、一話です。
ゆるーくお話を進めていきたいです。
ここは王城、玉座の間。
今日そこにはただならぬ空気が漂っていた。
玉座に座るのはには険しい顔をした王、両脇にいる宰相と騎士団長、王の側近たち。
赤いカーペットの上でひざまずく勇者。
そして王の隣に棒立ちしている異装の少年。
あとは屈強な兵がちらほら。
そんな中で王が荘厳な表情を浮かべ勇者に無機質に説明をしていた。
異界から異装の少年が召喚されたこと、
その少年にはマインよりもはるかに勇者の適性があったこと
マインの活躍も認めているが、それ以上に少年に期待ができること。
「...ということで、勇者マインよ、きみには勇者から降りてほしい。」
王グレイツの発した一言に勇者は答えた。
「はい!!!!!」
王は茫然とした。即座に受け入れるとは思っていなかったのだ。
さすがになぜかと問い、苦渋の顔を浮かべるのだろうと思った。
万が一、怒り狂った勇者を押さえつけれるよう実力のある兵も傍に控えさせておいた。
だがしかし、勇者はあっさりと返事をした。
これには宰相たちも驚愕だ。
ただ異装の少年はだけは変わらず、心此処に在らずといった表情である。
王は我に返り、話を進める。
「ヴェ”ェ”ェッホォ”ッ”!!………コホン。」
予想外の返事に軽く動揺した王は咽た。
玉座の間に沈黙が走る。
宰相や側仕えが顔を伏せ、騎士団長の眉間に皺が寄る。
異装の少年はこれまた変わらず虚空を見つめていた。
王が沈黙を破る。
「……ありがとう、勇者マインよ。では君はこの王城から出たら唯のマインに戻る。
国のために君の多くの時間を奪ってしまって大変申し訳なく思う。せめてこれを受け取ってくれ。」
王が側近に合図をする。側近がマインに近づき、両手に丁度おさまるぐらいの上等な革袋を渡した。
マインの両手がずしりと沈む。革袋の中には大量の金貨と親指の先ほどの宝石が入っていた。
「これはせめてもの報酬である。これを煮るなり焼くなり使うなりして、自由に生きておくれ。
君もまだまだ若い。これまでにできなかったたくさんのことを経験するとよい。」
王は先ほどよりも柔らかい口調でマインに話しかけ、退室を促す。
宰相たちも心なしか最初より申し訳なさそうで、玉座の間には微妙な空気が流れる。
そのなかでマインが定型文通りに感謝を述べ、粛々と退室する。
マインが退室した玉座の間には、微妙な空気の当事者である王グレイツ、宰相、騎士団長たち、
それと異装の、黒髪黒目で少し小柄な少年———異世界から召喚された勇者アオト―—が
暫くの間無言で佇んでいたのだった。
読んでいただきありがとうございました!
2話まで書き溜めているのでよければ続きも読んでいってください。




