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最強姉妹は異世界でも無双する。シスコン上等、家族仲が良くて何が悪い!  作者: 文字書きA
第一章 4人の旅

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翌日

「ねえ、お姉ちゃん」


敷布で体を(くる)んで、向かい合う。お互いの顔を見ながら、2人寄り添って眠りにつく。その刹那。(かな)(れん)に、問いかけた。


「ジゼルさんは、ステータスとかスキルのこと、知らないって言ったよね。でも、私たちより大人なのに。旅に、慣れているみたいなのに。どうして、知らないのかな」


「……どうしてだろうね。この世界のことを知らないのは、私も同じだけど……。でも、もしかしたら。ステータスもスキルも、普通は見えない物なのかもしれないね」


「そうなんだ。それが見えるから、特別だって言われたのかな」


「そうかも。……でもさ、もしも私たちが特別なんだとしても。ジゼルさんが居なかったら、きっと逃げきれなかったと思う」


蓮の言葉に、華が頷く。


「そうだね。私たちは本当に、幸運だったんだ」


手を繋いで、笑って、目を閉じる。白い部屋には窓がない。夜になっても暗くなることは無いけれど、朝日が差しこむこともない。だから次に目を開けた時、2人はどれだけ時間が経ったのか分からなかった。けれど、熟睡した時特有の、頭の中に(もや)がかかったような感覚があったから。詳細な時間は分からなくても、朝になったことだけは確かだろうと思って。子供たちは敷布から這い出して、起き上がった。


「おはよう、2人とも」


先に置きていたジゼルが、朝食の準備をしている。昨日食べた物と同じ物が並べられている机に、姉妹は未だに夢見心地のままで、歩いていった。


(たらい)は無いからな、この布を代わりに使うと良い」


お湯を染み込ませてから絞った布を、ジゼルから渡される。それはまるで、喫茶店で稀に出てくることがあるおしぼりのような物だったから。姉妹はすぐに、その用途を理解した。温かい布で、顔を(ぬぐ)う。その布は、現代日本にあるタオルほど柔らかくは無かったけれど、寝起きの頭が覚醒するには十分だった。使い終わった布を横に置いて、用意された料理を食べる。全員が食べ終わったのを見計(みはか)らって、ジゼルが後始末をして立ち上がった。姉妹もそれに(なら)って、歩き出す。白い部屋の入口には、扉はない。けれどジゼルは迷わずに、壁に向かって()を進める。2人の子供はその後を追って、壁を通り抜けた。広い草原を、白い日差しが照らしている。草の匂いが、風に乗って届いてきた。黒土の道の端を、3人はゆっくりと歩いていく。そうしてしばらく歩いた頃、先の方に見えていた大きな山が、近づいてきた。


「ビルン山が見えてきたな。……今更だが、山登りに自信はあるか?」


ジゼルの問いに、双子は顔を見合わせて、同時に首を振った。


「そうか。いや、心配せずとも、心得(こころえ)のない者に無理を()いるつもりはない。ビルン山の(ふもと)には、過去に坑道(こうどう)だった洞窟がある。今は整備されて、通り抜けられるようになっているから、その道を通ることにしよう。追っ手に見つかる危険性はあるが、背に腹は代えられないからな」


ジゼルの言葉に、蓮と華が同意する。3人は洞窟を目指して、歩き出した。

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