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第31話 古戦

第31話 古戦


ミンチェンを後にした一行はさらに南の、

ベルクショウギ(元山形県)に着いた。


「ここって、ショウギで有名な所ですよね?」

巳波が珍しく声を上げる。

「あ、ああ。そうだよ。ここはベルク

ショウギ。元山形県だ。」

少し驚きながら説明する上藤。

「私、ショウギ好きなんですよね。」

巳波は分かりやすくテンションが

上がっている。

「ああ、ここがベルクショウギなんっすね。」

テンションが上がっている巳波をにこやかに

見つめながら感心する鳴門。

「ショウギってうちにありましたっけ?」

茉耶が物珍しさに聞く。

「ショウギは俺が持ってきたんだよ。模造品

だがな。」

上藤が答える。納得する一行。

「宿場で少しさすか?」

上藤が巳波に軽く誘ってみる。

「やめたほうがいいっすよ、上藤さん。」

鳴門が止める。

「なんかあるのか?」

少し頭にハテナが出た上藤。

「巳波はめっちゃショウギ強いんで上藤さんと

いえどもさすがにやばいっすよ?」

鳴門が少し焦って止めさそうとしている。

「そんな強くないですよ。上藤さんのほうが

長くやってるでしょうし。」

謙虚になる巳波。いつも謙虚気味だが何処か

自信が見えるのは何故だろうか。

「まあ、やろうや。皆で。」

上藤は構わず皆でやろうと提案した。


巳波と鳴門、上藤と茉耶はルールを

知っていたが、宗也と鷹斗、玲衣奈は

ショウギの存在すら知らなかった。

宗也と鷹斗と玲衣奈にルールを教える

所から始まり、巳波と上藤の真剣勝負も

行われた。


「参りました。」

先に負けたのは巳波だった。

「いやぁ、結構強いね雪笠くん。」

上藤が笑みを浮かべながら感心する。

「巳波が負けた…マジっすか?上藤さん

何やらしても強いじゃないですか!」

褒め称える鳴門。初挑戦組も試合をする。

「これってどうやるんだっけ?鳴門。」

宗也が駒の動きについて聞く。

「宗也さん、これは……ってやるんですよ。」

丁寧に教える鳴門。

「ああ、そうだった。ってことはこうだな。」

宗也は思い思いに動かす。

「巳波ちゃん、ここはどうしたらいいの?」

玲衣奈が巳波に助けを求める。

「ここはね、……したり、………したり

出来るよ?」

鳴門よりも丁寧に教える巳波。

「ありがとう。じゃあ、これをこうする。」

順当に進める玲衣奈。

端からみると面白い構図だ。


「まっ参りましたぁ。」

負けたのは玲衣奈だった。

「ごめぇん。巳波ちゃん、丁寧に教えて

くれたのに。」

「しょうがない、しょうがないよ。次

頑張ろう?」

巳波は優しく玲衣奈を撫でる。

「よっしゃあ!勝ったあ!」

相当嬉しかったのか、鳴門とハイタッチする

宗也。

「いいっすね。俺、駒の動きしか教えてない

んすけどゲームの進み方上手いっすね。」

目をキラキラさせて褒める鳴門。

一方、鷹斗は茉耶と戦いながら教えて

貰ってる。

「先輩、これはこう動きますよ。」

「ああ、そうか。じゃあ、こうか?」

「そうです!流石ですね。」

この様子をにやけながら眺める上藤。

なんとも微笑ましい光景だ。まるで敵地に

いるとは思えないほどに。


次の日。

「おい!そこの集団!待て。」

いつもの流れだ。

「よう、上藤さんよ。俺の事覚えてますか?」

絡んできたヤンキー崩れはもちろん

戦闘員だ。

「君はチャリオッツか!」

「幹部間でのあだ名っすかそれ?」

少しハテナな感じになった。

「悪い、不知火翔師(しらぬいしょうじ)

だったな。」

上藤が珍しく、名前を自信なさげに言う。


[彼は不知火翔師(しらぬいしょうじ)

ソウルスキルはシュトライトヴァーゲン。

古代ギリシャなどの戦争で使われた

いわゆる"チャリオッツ"を纏い、昔ながらの

戦闘法で戦う珍しいタイプ。性格は

昔ながらのヤンキー。分かりやすく

喧嘩好き。上藤とは数回しか会ってないが、

お互い記憶に残っていた。幹部に一度

なったが、宗也の父を殺したデカブツに

敗れ、幹部を降ろされた。

GraveランクはA。]


「忘れちゃったんすか!」

まるで普通に兄貴にでも会ったかのような

振る舞いを見せる翔師。

「いやぁ、顔は覚えてたんだがな。で?

俺らと殺り合うのか?」

急に目付きが変わる上藤。

「まあ、あの方の為っすから。俺はあの方に

救われたんで裏切れないんすよ。上藤さん

みたいに。」

翔師の目付きも変わる。

「まあ、そんなことは分かってるさ。」

目付きを変えずに余裕を見せる上藤。

「さて、始めましょう。」

構える翔師。

「ソウルスキル解放!シュトライト

ヴァーゲン!」

チャリオッツが出現する。

合わせて、上藤らもソウルスキルを

解放する。

「オラァ!」

バシッ!ヒヒーン!

鞭で馬を叩き、猛スピードで走る。

植物操作(プランツェベトリープ)

暴れる(アルボロートヴルツェル)!」

地面から多数の根っこが暴れながら生える!

ブン!ブン!

しかし、根はチャリオッツの馬に

当たったように見えたがすり抜けた。

「これは一体どうゆう事だ!」

宗也が聞く。

「このチャリオッツに物理攻撃は当たらない。

上藤さん、忘れてたんすね。」

翔師が勝ちを確信したかのような笑みを

浮かべる。

「なら、こうしたらどうだ?

植物牢獄(プラングニス)!」

シュルシュルシュル!パシッ!

根は翔師を捕まえた!

「なっ!これを見破るの速すぎだろ!」

翔師は暴れまくる!

「その牢獄はあのプロ野球選手でさえ、

抜けられない。暴れるだけ怪我するから

やめた方がいい。」

宗也は優しさを見せる。

「うるせぇ!こんなとこで負けてたまるかっ

ての!オラァ!」

ミシミシ!

根が割れ始めた。同時に割れて棘ができ、

翔師に刺さる。

「ぐっ!」

「だからやめとけって…。」

バキバキバキバキ!

完全に植物牢獄(プラングニス)は崩れた。

ヒヒーン!

血だらけだが、突進する翔師。

「死んでもテメェらはぶっ倒す!オラァ!」

真っ直ぐ宗也に向かって突進する翔師。

「宗也!」

ドン!

宗也と翔師がぶつかる。


第31話 完

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