俺と勇者
俺は、美樹ちゃんを操りながら繰り出してくる勇者の斬撃を距離をとりつつ回避する。
「どうした、逃げ回るだけしか能がないのか?
こちらの世界に逃げてきたくらいだしな。
とんだ腰抜け魔王だな」
勇者は、好き勝手なことをほざいてくる。
俺は魔王じゃないが、ミリーとの共同生活をしているものとして、多少イラっとはした。でも、今は他のことが気になってしょうがない。
それは、
こいつ、勇者のくせに弱すぎじゃないのか?
ということだ。
「さっさと、くたばってしまえ!」
(テレポート)
今の斬撃も、体重の乗ったすごい一撃だと素人ながらに思う。
確かに戦斧を利用した攻撃は、一般人を相手にするには十分すぎるくらいの威力を持つ。
だけど、それで魔王時代のミリーを討伐できたとは到底思えないのだ。
「もらったっ!」
「おっと危ない!」
余計なことを考えていると、思いの外距離を詰められてしまっていた。
しょうがない。一旦離れてもらうとしよう。
(竜巻・level1)
俺と美樹ちゃんの間に、2メートルの風の渦が巻き起こる。
「構うものか!」
「へっ?」
俺が間抜けな声をあげるなか、美樹ちゃんが風の渦に突っ込んできた。
風の圧力をまともに受けて、美樹ちゃんは体ごと上空に舞い上げられてしまうが戦斧でバランスを整える。
上空から鋭い斬撃を繰り出してきた。
(テレポート)
「動きに見とれている場合じゃないな。今のも結構危なかっ…………!!!」
俺は目を見開いた。
俺の視線の先。
そこには地面に着地した美樹ちゃんがいた。
服が風でズタズタになり、白いレースの下着や肌が見え隠れしてしまっている。
普段の俺なら、目のやり場に困り動揺しただろう。
だが、今はそんなものより、俺の視線を捉えて離さないものがあった。
それは、……美樹ちゃんから滴り落ちる血だ。
美樹ちゃんの白い肌を赤い血が滴り、小さな水溜まりを作っている。
よく見ると、全身いたるところに小さな傷が無数にあるようだ。
さっき、俺の発生させた竜巻に突っ込んだんだ。無傷というわけはなかった。
動揺している俺と違って、美樹ちゃんを操っている勇者の方は平然としている。
「ちっ、これだから女の体は弱っちくて困るぜ。
こんな力じゃ技も使えなくなるしな。
まぁ、後々楽しめるって意味では悪くないんだがな」
そういって、自分の胸を遠慮なく揉む美樹ちゃん。
それなりにある胸の膨らみが縦横無尽に変形している。
勿論、それは操っている勇者がさせていることだろう。
「お前をさっさと片付けてから、せいぜい楽しませてもらうとするか。そのあとはそこら辺に捨てときゃ誰かが勝手に拾ってくれんだろ」
勇者の言葉に、さらにイラってきた。
「その子はお前に操れてるだけの無関係な子だろ」
「だが、強い魔力反応の近くにいたんだ。
無関係ってことはないと思ったぜ。実際にこうして出会えたんだからな」
「あんたは勇者なんだろう。そんなことをしていいのか?」
俺は戦いの最初から正直迷っていた。
勇者というからには、異世界の平和のためにもあまり手を出さないで、お互いに無傷ですめば越したことはないのだろうかというように。
「そう、俺は勇者様だぜ。こんなことをしても許される……な!」
美樹ちゃんの服の胸元を強引に引きちぎる。
すると、白い優しい丸みを帯びた胸が顔を出す。
その行為が俺の中の何かを引きちぎった。
野郎、ぶち殺す!!!
俺が動き出そうとする直前、今まで瞑想をしていたかのように検索の魔法を使用していたミリーが瞳を開く。
<俺様としたことが遅くなったな。ようやく、あの女から勇者を引き剥がす方法が見つかったぞ>
俺の感情の爆発とともに、うちの頼れる魔王様が馬鹿をぶち殺すための方法を見つけてきてくれたようだ。
誤字脱字だらけでスミマセン。
簡単に読めるように短めにしてますが、どんなのでもいいので感想など頂けたら参考にさせてもらえるので幸いです。
この辺りの話が落ち着いたら、少しほのぼのさせることができたらなぁと思ってます。




