9 統括者
マリエールは宇宙盗賊団の惑星上空に放り出された。やることは判った。星を思い通りに作り変える大地創造だ。
9 統括者
マリエールは女神に教えられたその時は何に使うのか判らなかった星を思い通りに作り変える魔法、大地創造を使う時だと判った。
星を思い通りに作り変えるので其処にいた生物はそのまま行えば居なくなる。残しておく必要があるなら場所を移動するべきだがその必要はなさそうだ。
マリエールは惑星に目をやった。複雑に入り組んだ建物が乱雑なイメージを作り出す。悪者の拠点だ。一人一人に着目するなら情状の余地があるのかも知れない。しかし統括者が決めたことだ。マリエールに贖う余地はない。
女神に教えられた通りマリエールは惑星に正対して唱えた。
「神の御業、大地創造。」
惑星は光輝き、そして海と緑の大地の惑星になった。醜悪な建物は消え去った。宇宙盗賊団の惑星は消滅した。
取り敢えず統括者のところへ行こう。統括者は穏やかに、
「ご苦労様、きみほどの実力者に今さらだが、私の能力を授けよう。贖わず受け取りなさい。」
マリエールは銀河系の統括者の能力を受け取った。
マリエールはようやく重症の怪我人や欠損を治癒する回復魔法の能力を得た。統括者のところにもアンドロイドを置き自らは子爵領に帰った。様々な能力、魔法、技能、知識を得たマリエールは12歳になっていた。各師、各場所にいるアンドロイド達は新しい知識や情報を寄せてくれる。能力の高まったマリエールは100000体のアンドロイドを作り出して活動させている。相変わらず領民や貧民には優しいマリエールだが、以前とは違った方法で救済する方法に切り替え始めている。
マリエールは、領都とは少し外れた不毛の砂漠地帯に無数のダンジョンを作った。多くダンジョンは海に面しており、海からダンジョンに流れ込んだ海水が全て淡水になってこの地域全体を潤すという大がかりなものだ。この地域が子爵領の3割にも及ぶ大規模なものだ。ダンジョンはどの踏破だが10層までは初心者向きで誰でも参加できるものが多い。こういったダンジョンに貧民や孤児達を誘導してアンドロイドに管理させる流れになっている。このダンジョン群の管理はアンドロイドがしている。冒険者ギルドから承認はされているが独立している。ダンジョン群は子爵領、国全体の事業、産業、流通の要である。ダンジョン群のダンジョンにはそれぞれ特徴がある。通常のダンジョン通りアイテムドロップが落ちるダンジョンもあればそのまま討伐されるダンジョンもある。そういったダンジョンにはアイテムバックが必須である。必要なものは全てアンドロイドが用意する。住民はダンジョンを楽しみ、生産し、販売し、冒険者に宿を提供する。無数のダンジョンがあるが有名なダンジョンの回りには街ができる。
ダニエル一家は領都の貧民街出身だ。一家の主が工事で大怪我して右腕を欠損した。マリエールの回復魔法でもどうにもならなかった。一時金でしばらく凌いだが結局貧民街で暮らすことになった。父親と母親の僅かな稼ぎ以外はマリエールの施しが命の綱だった。転機はまたもマリエールだった。
マリエールはダンジョン群を作り上げた。全ての事業、産業、流通の中心となる。アンドロイドがその管理をする。




