表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/9

1,石板

故・柳家小三治師匠に。

 竜が住む山の近くの谷底から、その昔、人間が投げ込んだ石板が引き揚げられました。子供だった竜は、お母さん竜に連れられて、その石板を見に行きました。


 石板はすでに割れて、いくつかのかけらに分かれていました。でも、四角い大きな文字と、竜の絵が彫ってあることはわかりました。



 「わあ、竜の絵が描いてある」

近寄ってよくよく見ますと、絵の中の竜は手にそれぞれ五本の爪がありました。竜はお母さんにたずねました。


「この竜は手に五本の爪があるねえ。昔はみんな、五本の爪だったの?」

「いいえ、竜は三本爪が普通よ。五本爪の竜は、皇帝のための竜だと言われているの」

「へええ」

竜は驚きました。



 「皇帝のための竜?! それは、僕たち三本爪の竜とどこが違うの?」

「ええっ?! ……お母さんにも分からないわ。だって会ったことないんですもの」

「ふ~ん。じゃあ、僕らでもどうにかしたら五本爪の竜になれるの? それとも、五本爪の竜は、最初っから五本爪で生まれてくるの??」


 お母さん竜は、しなやかな眉毛の先を、瞳まで下げました。

「ごめんね、お母さんそういうことよく知らなくて。でもね、人間とはあんまりかかわりあいにならない方がいいって聞いてるわ。 何でも、寿命が違うからって」



 竜は、お母さんの答えにまったく納得できませんでした。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ