第七十九話 休息と行動開始
ディアムの報告は、ミルテナ帝国の騎士について。曰く、現在しらみ潰しにレジスタンスのアジトを探しているとのこと。そして、そのアジトとおぼしき場所を記した、地図の写しまで作ってきたらしい。それも、複製までしていて、三枚ある。
しかし、全く土地勘がない俺達にとっては、その地図に記されている場所の内、どこが有力な場所なのかまでは分からない。手の内にある情報が少なすぎた。
もしも、俺達よりミルテナ帝国の騎士達が先にアジトを見つけてしまった場合、ファルシス魔国の汚名返上は格段に難しくなる。それを避けるためには、でき得る限りの手をすぐに打ちたいところだったが……さすがに今は休息が必要だった。
砂漠越えで疲労した上でのレジスタンス捜しは、それなりにキツいものだった。現に、タロなどはドームを作り上げた後、ディアムの報告の途中で眠ってしまっている。
「今日は、もう休もう」
「そうですね。さすがに疲れましたわ」
「調査、続行、しなくて良い?」
「あぁ、お前も休め、ディアム」
ディアムはまだ平気だとばかりに提案してくれるが、砂漠を越えたばかりの今日くらいは休んでもバチは当たらないだろう。
そうして、俺達は昼過ぎまで眠ることにしたのだった。
「さてと、全員、聞いてくれ。今日の予定を確認しようと思う」
目が覚めると、太陽がちょうど真上で輝く時間だった。まだ残っているジャイアントスコーピオンの肉と、四つ足サボテンという、サボテン型の四つの足を使い、高速で移動する魔物の果肉を食べて腹ごしらえをしたところで、俺は円陣を組んでもらい、話を始める。
「まず、今日はタロの言っていた欠片の持ち主を確認しようと思う。そして、その後、全員がそれぞれに別れて情報収集だ」
前回は真夜中で見通しが悪かったことと、全くの未知の土地であったという理由から、全員で行動し、常に情報を共有し、どんな事態にも対処できるようにしていた。しかし、今回は昼間であり、地図もある。タロはさすがに地図を読むことはできないだろうが、タロだけなら迎えに行けば良いだけのことだ。
「「御意」」
「にゃー(分かったのだ)」
それに、案外タロが持ってくる猫同士の情報というものは馬鹿にできない。そして、その情報を得るためには、俺達は邪魔だった。
「願わくは、今日見つかってほしいところだな」
暑い日差しを受けながら、俺達は、元サナフ教国へと不法侵入を果たした。




