↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/32

獣人の服を買うつもりがいつの間にかたくさん買い物をしてしまっていた

 3人は、再び商業エリアに戻って洋服屋を物色する。


「モミジ様、これなんて良いんじゃないでしょうか」


 コロンが服を差し出す。


「うーん、ちょっと色が暗すぎじゃない? 店員さん、これのワンサイズ上で灰色のやつとかあります? さぁシャウラちゃん、これ試着行ってみよう」


「戦闘中以外に着る服などどうでも良いと思うのですが……」


 複雑な顔をするシャウラを、モミジとコロンが無理やり試着室に押し込む。


――

「コロンちゃん、このワンピースとかも良くない?」


「カワイイですねこれ! でも、シャウラさんワンピース着たままでも平気で足上げて人を蹴ったり飛び降りたりしそうですよね」


「うむ、服装などにとらわれず蹴ったり跳んだりするぞ私は」


 何故か得意げに胸を張るシャウラ。


「そんな人にはワンピースは着せられませーん。……ということで、このワンピースは私が着ることにします! すいません店員さん、これのワンサイズ小さいのありませんか?」


――

 3人はいくつも店を梯子する。


 最初は興味なさげだったシャウラも途中から自分で服を選び始めていた。


「モミジ殿、ボトムスがこれならこういった服も合うのではないでしょうか?」


「おお、分かってきたねシャウラちゃん! いいと思うよそれ。……買う?」


「はい、お願いいたします!」


――

 そして、日の暮れるころ。

「モミジ殿、今日は服を買っていただいてありがとうございます」


 シャウラは新しく買った服に着替えていた。派手さを抑えたモノトーンの一式。細めのボトムスで足のスタイルの良さを強調するのはコロンのアイデアだ。


「私、お城にいたころは服は侍女に用意してもらっていたので自分で選ぶのとっても楽しかったです!」


 コロンも、着ていたドレスは街を歩くには派手すぎるので新しく買ったワンピースに着替えている。


「結局シャウラちゃんだけじゃなく全員の買い物しちゃったね」


 一目惚れして買ったヒールが高いサンダルで歩くモミジの足取りはとても楽しそうだ。


 今日の買い物は今着ている服だけではない。モミジの魔法のリュックサックの中には、1人では抱えきれないほどの量の服が格納されている。


「「さんせーい!」」


――


「では、シャウラちゃんの仲間入りを記念して、……乾杯!」


「「乾杯!」」 


 3人が入ったのは、料亭も兼ねる酒場。周りの店よりもワンランク値段が高いが、街で一番味がいいと評判の店だ。


 テーブルの中央には香草を詰めた鳥の丸焼きが堂々と鎮座している。とろりと漏れ出す肉汁が食べてくれと誘っているようだ。そして3人の前にはそれぞれ野菜たっぷりのポトフと焼き立てのパン。


 デザートには名物のアップルパイを注文している。


「これは美味い! 私の村にはこんな美味しい料理はなかった! 人間の料理技術がこんなに進んでいるとは!」


 シャウラが感激しながら鶏肉を口に運ぶ。


「あれ、ちょっと待ってシャウラちゃん。その料理タマネギ入ってるけど大丈夫? 犬とか狼ってタマネギ食べたら駄目って聞いたことがあるけど」


「ご心配なく! 獣人は人間が食べられるものなら何でも食べられますので! タマネギは村でも栽培して食べていました」


 シャウラが放っておいたら1人で丸焼きを全部平らげてしまいそうな勢いなので、慌ててモミジとコロンも鶏肉を自分の皿に避難させる。


――


「果物以外にこんな甘いものがあるとは! 世界は広いですな……。そして一緒に飲む紅茶というこの飲み物もまた道の味わいで美味です」


 デザートのアップルパイを口に運びながらシャウラがうっとりとした顔で語る。その時、シャウラの耳がピクリと何かに反応した。


「失礼、少しばかり席を外します」


 シャウラがふらりとどこかへ行ってしまった。


「……大丈夫かな? 食べたことないもの食べて具合でも悪くなったのかな?」


「かも知れませんね。人間の街には慣れていないでしょうし、私もついていきます。街の人とトラブルを起こすかもしれないですし」


 と言ってコロンも席を立とうとしたとき。


「トラブルなど起こしませんよ、コロン殿」


 と、シャウラが笑顔で戻ってきた。両手には、気絶した男2人を持っている。


「見てくださいモミジ殿! こいつら”あの女の異世界人、ずいぶんでかい面してるじゃねぇか。ガキのくせに生意気だぜ””タイラントアリゲーターの素材を売った金がまだ財布に入ってるんだろ? 頂いてやろうぜ”と盗みを企てていました。なので、モミジ様に代わって締めあげておきました! エヘン」


「それをトラブルを起こしたっていうんですよ!」


 コロンが勢いよく立ち上がり、テーブルの上の紅茶のカップが揺れる。


「駄目なのですか?」


「駄目ですよ、街で殴ったり蹴ったりしたら!」


「そうですか……それは残念。しょんぼり。この者たちは元のところに戻して置くことにしましょう」


「そういう問題ではないのですが……」


 コロンとモミジは店内を見渡す。シャウラは一瞬で男たちを仕留めたようで、店内のほかの客は騒ぎに気づいていないようだった。


 シャウラが目立たないようこっそりと男たちを元の席に戻す。


お読みいただきありがとうございます!


【読者の皆様へのお願い】


少しでも面白いと思って頂けたら、ブックマークや評価をぜひお願いします!


評価はページ下部の【☆☆☆☆☆】をタップすると付けることができます。


ポイントを頂けるとやる気がモリモリ湧いてくるのです・・・!


これからも面白い物語を提供していきたいと思います、よろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。