ステータス画面を確認すると更に強さの伸び代があることが判明する
モミジとコロンは、山道を走る馬車に揺られている。
2人は窓の外の景色を楽しみながら雑談を弾ませていた。
ふと、コロンの視線がモミジの右手にとまる。
「モミジ様、手を怪我していますよ?」
「あ、気付いた? 流石に鉄より硬い鎧をあれだけバカスカ殴ればねぇ」
モミジの中指の背から、うっすらと血がにじんでいる。
「ちょっと失礼しますね」
コロンがモミジの手を握る。
「生体治癒・下位 ”小治癒”」
コロンの手がほのかな光に包まれる。光が収まると、モミジの手の傷はすっかり消えていた。
「何これ!?」
「私が魔法で治しました」
「魔法!? すごいすごい、もう一回見せて! 火とかバーンって出す魔法とかできない?」
「残念ながら、私の魔力は治癒にしか使えません……。もちろん人によっては火を出したり水を出したりモンスターを召喚したりできます。1人が使える魔法は1系統だけ。魔法はとても素質が大事なのですよ」
「なるほどねー。あと、私の世界の漫画とかゲームでは魔法を使うには杖とか呪文とか要るんだけど、要らないんだね」
モミジが宙で杖を振る真似をする。
「私の魔力は何に適性があるのかな? 何気に私、魔力のパラメータも高いんだよ」
モミジがステータスウインドウを開く。
――――――――――――――――――――――――――――――――――
|綾崎紅葉≪あやさきこうよう≫
能力:【怪力】
能力ランク:SS
――能力説明――
●筋力強化【極大】
●格闘技術【極大】
●(条件を満たすと解放)
●(条件を満たすと解放)
●(条件を満たすと解放)
●(条件を満たすと解放)
――基礎パラメータ――
体力:635/635
魔力:130/130
筋力:1283
知力:2
幸運:22
敏捷:238
※目安:成人男性の平均は各パラメータ20程度
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「本当ですね! すごいです! それに、まだ未解放の能力があります。……ということは、モミジ様はまだまだこれから強くなるということでしょうか!?」
「そうみたいだね。どんな能力になるか、楽しみだなー」
「ただでさえこんなに強いモミジ様が、さらに強くなったら一体どうなってしまうんでしょう……!」
コロンが目を輝かせる。
そしてパラメータ画面を見ていたコロンが、あることに気づいてしまった。
「……ところでモミジ様、大変聞きにくいのですがその、知力のパラメータは……」
コロンが指さした箇所には確かにこう書かれていた。
“知力:2“と。
「いやー、元の世界にいた時から頭が良くない方だとは思っていたけど、まさかここまでとは思わなかったよね……!」
(またランクアップ演出入らないかなー)とちょっと期待しつつモミジはステータス画面をつつくが、全く何も起こらない。
「だ、大丈夫ですよモミジ様。私は知能のパラメータが34ありますから、私がフォローします!」
「……ありがとうコロンちゃん!」
モミジがコロンに抱きつく。コロンの顔が少し赤くなった。
「ところでコロンちゃん、いま私たちはどこに向かってるの?」
「目指しているのは、隣国の”トパーズ王国”。毎回強力な能力者を召喚している国です、油断せず行きましょう」
そして数時間山道を進んだとき、馬車が急停車する。向かい合う格好で座っていたモミジの方に、悲鳴を上げながらコロンがつんのめる。
「おっと、危ない」
そんなコロンを、モミジが抱きとめる。胸の2つの山の間にコロンの頭が埋まる。
「す、すみません!」
コロンが慌てて飛びのく。
「何故でしょう、モミジ様に抱きとめられているとき、少しドキドキしました……。さっき抱きつかれた時もです。男性相手でもないのに……不思議です」
コロンの顔はまた少し赤くなっていた。
「うーむ、不整脈とか……? 今度国に帰ったときにお医者さんに心臓を診てもらったほうがいいかも知れないね」
首をかしげながら二人は馬車を降りる。
2人はすぐに馬車が止まった原因を見つけた。
「前を行く5台の馬車が道の真ん中で止まっていますね。きっとあれは隊商です」
馬車の前の方から、掛け声や何かがぶつかり合う音がする。隊商の護衛がモンスターと戦っており、しかもどうやら苦戦しているらしいということが分かった。
「様子を見に行きましょう!」
2人は駆け出していく。
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