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陰キャが異世界で無双してみた  作者: するめ狂い
陰キャ育児編
77/117

陰キャ再修行

「ここでいいわね」

「だな」

影虎とミコモは城の兵士の訓練場に来ていた。

前に影虎が依代の効果を試す時に使った訓練場である。

二人が霊術の修行をしたいので貸して欲しいと王に頼んだ所すんなり許可が貰えたのだ。


「それじゃあ今日は限界まで霊術の練習をするわよ。毒霊術であの的を狙って」

「ああ! ーーー毒液弾!」

影虎は拳大の毒液を生成し、五十メートル近く離れた人型の的に向けて飛ばす。

見事に毒液が的に当たった。

「大分上手くなったじゃない……どんどん飛ばしなさい!」

「おう! ーーー毒液弾、二連!」

影虎が次々と霊術を的に的中させていく。


「これだけ出来るなら十分だわ。次は私と霊術だけで戦う修行よ。殺す気でかかってきなさい」

「そうか……なら本気で行かせてもらうぜ! ーーー毒液弾五連!!!」

影虎が手の平から毒液の玉を五発飛ばす。

ミコモはそれを見てふっと笑い―――

「ふふ……一度に五発とは中々やるわね……でも無駄よ……

ーーー凍結結界!!!」


ミコモの周囲を凍える程の冷気が取り囲み、影虎の毒液弾を全て氷結させ無力化した。

「……嘘だろ!? くっ……こうなったらこれだ! ーーー霊力剣!!!」

影虎は霊術で漆黒の刀を創り出す。

キノニア戦の際刀を奪われた事から、影虎はスペアの武器も持っておく事にしたのだ。

そこでリトテから新たな刀を購入する時に、リトテに「こんな依代もありますよ兄貴~」と勧められたのだ。

影虎はこの依代便利だなと感心し、これを買う事に決めた。

切れ味は注いだ霊力にもよるが、さほど霊力を籠めずともトマトを切ってもくっつかない程度の切れ味はある。


「なんてどす黒い色なの……やっぱり霊術に影虎の性格が出てるわね」

「うるせえよ! ーーー霊力剣、業物! ーーー空毒斬!」

影虎は生み出した刀に霊術を掛けて更に強化し、刀に毒を付与しミコモとの距離を一気に詰める。

そしてミコモに刀を振るった。

「せいっ!」

「甘いわね……」

「ぎゃあ!」


ゴンッ!

影虎は前方に突然現れた氷の壁に頭をぶつけてしまった。

「痛ってえ……」

「氷結結界の本領はこれよ」

ミコモは影虎に得意げに言った。

「お前なあ……これじゃ俺攻撃しようが無いじゃねえかよ……もうちょい手加減してくれよ……」

「嫌よ。今のあんたならこれくらいは破れるわよ」

「嘘つけよ……出来る訳ねーだろこんなの……」

「はあ……ならヒントをあげるわ。霊術っていうのは発想力が大事なのよ。以上」

「そんな適当なアドバイスで勝てるかボケー!」

影虎はいい加減なミコモの助言に思わず突っ込みを入れた。


「じゃあ修行再開ね。ーーー連水弾」

「おま……ちょ……待っ……ぎゃあああああ!」

ミコモの唱えた霊術に叩きのめされる影虎。

「まだまだね……」

「痛えよこん畜生……本気で撃ってきやがったな……」

影虎は体の痛みに顔を顰めつつも立ち上がる。

「発想力だって……? そんなもんでどうにか出来るのかこれは……」


影虎は頭を捻る。

あの氷の壁を突き抜けて攻撃できる霊術は無いかと。

「でも俺が使えるのは毒と霊力剣だけだぞ……どうすれば……」

影虎がミコモの霊術に耐えながら頭をうんうん唸らせていると、ふと脳内に一つの発想が生まれた。

「そうだ……! こうすりゃいいんだ……!」

手の平から刀をもう一振り出す。


「ーーー霊力剣、業物……それでこいつを……投げる!」

影虎は刀をミコモに向けて投げる。

刀がヒュッと飛んでいき、氷の壁に突き刺さった。

「う~ん微妙だな……もう一息なんだけど……ああ! これだ!」

影虎は次に手からあるものを生み出し、投げた。

それはミコモの氷壁を貫き、ミコモに当たった。

「うっ……! な……何これ!?」

「この黒装束見て思いついたぜ……そいつは手裏剣っていう武器だぜ師匠~」


影虎が生み出したのは手裏剣。

なんと霊力剣で生成する事が出来たのだ。

「俺も駄目元でやってみたけど霊術って意外と自由が利くもんだな。もっと行くぜ!」

「成程~、まあ合格かな。ーーー豆腐の角に頭ぶつけて死ね!」

ただでさえ硬かった氷の壁が更に強化され、影虎の手裏剣を完全に無効化させる。

「マジかよ……」


あっさりと霊術を破られてショックを受ける影虎。

そんな影虎の心情などお構いなしにミコモが言った。

「カゲトラ、あんたの霊術は物理的な攻撃は無いから色々と工夫するのよ。今日の実践訓練はこんなもんでいいわよ」

「ああそうかい……」

「次は善行をしに行くわよ。ほら、魂が抜けてるわよカゲトラ」

「悪い……ごめんよ……」

影虎はまだしばらくこのショックを引き摺る事となったが、修行は滞りなく進められたのであった。


そんな影虎の修行風景を見ていた者が二人。

「頑張ってるなあ影虎君もミコモちゃんも……私も鍛えるか」

「オレも鍛えやすぜ! モエギの姉御!」

「それなら私達でこっそり修行をしようか。じゃあ行こう」

「はいっ!」

二人もまた、修行をする事を決意したのだった。






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