第五話 星うさぎのきらめき
魔王との決戦前夜。
レオノーラ・フォン・ヴァルツハイムは、自宅の衣装棚の前に立っていた。
軍議は既に終わっている。王国軍は総力を挙げて魔王軍を迎え撃つ。レオノーラの重装騎士隊には、敵の主力を突破し、魔王本人を討つという最も重要な任務が与えられた。
王国最強の戦士たる彼女に、異論はない。
問題は、そのための装備であった。
……。
レオノーラは、衣装棚を開いた。
そこには、一着の衣装が吊るされていた。
少女向け魔法劇『星うさぎの魔法少女プリムローズ』。その最終決戦用衣装である。
薄桃色のドレス。純白のレース。背中の大きなリボン。三段重ねのフリル。そして、星うさぎの長い耳が付いたフード。さらに、背中には小さな天使の羽が二枚。
……。
レオノーラは、しばし衣装を見つめていた。
何という完成度だろう。特に、星うさぎの耳を備えたフードと、背中の天使の羽。この二つを組み合わせるという発想が、まず素晴らしい。長い耳の柔らかな曲線と、小さな羽の愛らしい造形が、衣装全体に絶妙な均衡を生み出している。
しかも、あの三段重ねのフリル。それぞれの段が異なる曲線を描きながら、全体として一つの美しい流れを形作っている。
実に見事な意匠である。
これを考案した初演時の衣装師は、間違いなく天才だった。
後年の再演版では、背中の羽がわずかに大型化されていたが、あれは少々惜しかった。やはり、この程度の大きさでこそ、リボンとの調和が――
……。
……いや。
そうではない。
今夜考えるべきは、そこではない。
レオノーラは、衣装を見つめた。
これは、彼女が長い年月をかけて再現した、最愛の一着である。これまで鎧に取り付けてきた装飾とは違う。妥協した部分など、一つもない。
原典の造形を可能な限り忠実に再現した、まさに理想の衣装だった。
そして、これを身につけた場合、どれほどの力が得られるか。
彼女には、既に心当たりがあった。
しばらく前のことだ。
魔王軍との戦況が厳しくなり始めた頃、レオノーラは万一に備え、この衣装を自分の体格に合わせて仕立て直していた。
もちろん、着たいわけではない。あくまでも非常時に備えるためである。
ただ、寸法を確認する必要があった。
そのため、一度だけ軽く袖を通した。
そして、何気なくつかんだ鉄のドアノブが、紙屑のように潰れた。
……。
あの感触を、レオノーラは今でも覚えている。
硬い鋼鉄製のドアノブが、ほとんど抵抗もなく指の間で変形した。ほんのわずかに力を加えただけだった。それなのに、まるで柔らかな粘土でも握ったかのように、ドアノブは潰れてしまったのだ。
彼女は即座に衣装を脱いだ。そして、それ以来、一度も袖を通していない。
……。
おそらくこれを着れば私は人類最強をはるかに超えて、この地上で最強の生物になれる。
なれてしまう。
それはわかっているのだ。
……。
魔王に勝てるかどうか?そんな次元ではない。おそらくは、魔王など敵ではなくなってしまうだろう。
この衣装を着用すれば、それほどの力を得られる可能性がある。
もちろん、軍人としては喜ばしいことである。これ以上望ましいことなどない。
……。
しかし、それは、明日の朝、この衣装を着て部下たちの前に立つということでもある。
レオノーラは、想像してみた。
整列する重装騎士隊の兵士たち。先頭に立つ副官セルマ。そして、そこへ現れる自分。
身長六尺に迫る、筋骨隆々の三十九歳。顔には古傷。丸太のような腕。分厚い首。
その頭には、長い兎耳の付いたフード。背中には、小さな天使の羽。そして全身を包む、薄桃色のドレスと三段重ねのフリル。
……。
レオノーラは目を閉じた。
……。
*
脳裏にいつもの訓練場が浮かび上がった。
整列する新兵たち。その前を歩く、筋骨隆々の大女。鬼の猛女隊長レオノーラ・フォン・ヴァルツハイム。
訓練場には、緊張が張り詰めている。
そして、その新兵の列の中に、一人だけ奇妙な格好の女がいた。
三十九歳。筋骨隆々。顔には古傷。薄桃色のドレス。長い兎耳。小さな天使の羽。三段重ねのフリル。
……。
鬼隊長が、足を止めた。
……。
次の瞬間。
「そこのピンクフリルクソババア!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「貴様ァ! そのクソふざけた格好は何だ!!!」
「サー! 戦闘用装備であります、サー!!」
「戦闘用だと!? 貴様のそのクソでかいリボンは何だ! 敵を絞め殺すために付けているのか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「ではそのクソフリルは何だ!!! 三段も重ねやがって! 貴様は戦場でお姫様ごっこでもするつもりか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「何だその頭のクソうさぎ耳は!!! 貴様は兎か!? 兎になりたいのか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「背中のそのクソみたいな羽根は何だ!!! 貴様は空でも飛ぶつもりか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「だったら何のために付けている!!! そのクソちっぽけな羽根で敵が恐れ入って逃げ出すとでも思ったか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「貴様ァ! 自分が今どんな格好をしているか、わかっているのか!!!」
「サー! わかっております、サー!!」
「では言ってみろ!!!」
「サー! 星うさぎの魔法少女プリムローズ最終決戦用衣装であります、サー!!」
「何だとォ!!!」
鬼隊長の顔が、怒りに歪んだ。
「貴様その年になって魔法少女ごっこか!!! ここは訓練場だぞ!!! 貴様のようなクソババアがクソフリルを三段もぶら下げて来る場所ではない!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「貴様ァ! そのクソみたいな格好で戦場に出るつもりか!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「ふざけるな!!! 貴様のようなクソ間抜けのクソババアが戦場に出たら、敵も味方も何を見せられているのかわからんだろうが!!!」
……。
現実のレオノーラは、衣装棚の前に立ち尽くしていた。
ひどい。あまりにもひどい。何という罵倒だ。
しかし、自分なら、間違いなくそう言うだろう。それどころか、まだまだ言うだろう。
実際、想像上の鬼隊長は、ますます生き生きとしていた。まるで、長年待ち望んでいた獲物を見つけたかのように、魔法少女の服を着た自分に向かって、次々と罵倒を繰り出している。
……。
やがて、ひとしきり罵倒を終えた鬼隊長が、腕を組んだ。
「で、そのクソみたいな衣装を着ると何がどうなると言うんだ!!!」
「サー! 神授の祝福によって身体能力が向上します、サー!!」
「……何だと?」
鬼隊長が、ぴたりと動きを止めた。
「それは本当か!!!」
「サー! 本当であります、サー!!」
「どの程度だ!!!」
「サー! おそらく人類最強をはるかに超えるものと推測されます、サー!!」
「根拠は!!!」
「サー! 試着の際、鉄のドアノブを握り潰しました、サー!!」
「……そうか」
鬼隊長は、しばらく腕を組んで考えていた。
……。
そして。
「だったら何をぐずぐずしている、このクソ間抜け!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「貴様ァ! そんなに強くなれる装備があるのに、何をためらっている!!!」
「サー! ……!!」
「貴様は自分の見栄のために部下を死なせるつもりか!!!」
「サー! 違います、サー!!」
「だったら何を迷う必要がある!!!」
「サー! ありません、サー!!」
「貴様ァ! そのクソみたいなフリルが何だ!!! クソでかいリボンが何だ!!! クソうさぎ耳が何だ!!! それで敵を倒せるなら、何をためらう必要がある!!!」
「サー! ありません、サー!!」
「貴様はそれでも軍人か!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「ならばそのクソふざけた格好で戦場に出ろ!!!」
「サー! イエス、サー!!」
「そのクソみたいなピンクのドレスも! クソでかいリボンも! クソうさぎ耳も! 背中のクソ羽根も! 三段重ねのクソフリルも! 一つ残らず身につけてだ!!!」
「サー! イエス、サー!!!」
「何だその面は!!! 貴様、まだその格好を人に見られるのが嫌か!!!」
「サー! ……!」
「貴様は何のために強くなった!!!」
「サー! 大切な人々を守るためであります、サー!!!」
「だったら貴様のクソみたいな見栄で、そいつらを死なせるな!!!」
鬼隊長は、新兵の目の前に立った。
「いいか!! 貴様らに必要なのは、立派に見える装備ではない! 生き残るための装備だ! わかったか!!!」
*
想像が途切れた。
レオノーラは、衣装棚の前に立っていた。
……。
何のために強くなったのか。
その言葉が、遠い記憶を呼び起こした。
幼い頃、初めて連れていってもらった劇場。きらめく星々を描いた舞台。悪者に立ち向かう、小さな魔法少女。
そして、あの日聞いた言葉。
『星うさぎのきらめきに誓って! わたし、もっともっと強くなって、だいすきなみんなを守るのっ!』
……。
そうだった。
自分は、この言葉に憧れたのだ。
あの可愛らしい衣装に憧れた。きらめく星飾りに、ふんわりとした兎の耳に、軽やかに揺れるフリルに、心を奪われた。だが、それだけではなかった。小さな身体で悪者に立ち向かい、大切な人々を守ろうとするプリムローズの姿に、何よりも憧れたのだ。
自分も、あんなふうになりたかった。強くなりたかった。誰かを守れる人間になりたかった。
そして、自分は強くなった。
剣を振った。走った。鍛えた。戦った。幾度となく傷を負い、何度も死にかけながら、それでも強さを求め続けた。その結果が、今の自分である。
レオノーラは、自分の手を見下ろした。分厚い掌。節くれだった指。幾度もの戦闘で刻まれた傷跡。幼い頃の自分とは、似ても似つかない手だった。あの可憐な魔法少女とも、まるで違う。
しかし、この手で数え切れぬほどの人々を守ってきた。そして明日も、守ろうとしている。
レオノーラは、もう一度、目の前の衣装を見つめた。
最愛のプリムローズの衣装。あの小さな魔法少女が身につけていた、可憐で美しい衣装。自分がこれを着たところで、プリムローズのような可愛らしい少女になれるわけではない。今さら自分の肉体が小さくなるわけでも、顔の傷が消えるわけでもない。
鬼の猛女隊長レオノーラ・フォン・ヴァルツハイムは、明日も鬼の猛女隊長のままだ。
……それで、何が悪いのだろう。
ふと、そんな考えが浮かんだ。
自分は、プリムローズに憧れ、強くなって人々を守ろうとしてきたのだ。そして、その願いは今も変わっていない。あの日、劇場で胸をときめかせた小さな少女と、今ここに立っている歴戦の軍人。姿形はまったく異なるが、目指してきたものはずっと同じだった。
レオノーラは、衣装へ手を伸ばした。その指が、柔らかな生地に触れる。
原典の衣装を研究し、幾度も試作を重ね、長い年月をかけて仕上げた一着。そういえば、この衣装を縫い上げたのも、今の自分の手だった。
太く、傷だらけの指で針を持ち、何度も糸を通した。剣を振るうために鍛え上げた手で、あの繊細なレースを縫い付けたのだ。
……何も、損なってなどいなかった。
この衣装への愛情も、これまで歩んできた人生も。どちらも、間違いなく自分のものだった。
レオノーラは、女神の言葉を思い出した。
『汝は幼き日より強さを求め、たゆまぬ研鑽を重ねてきました。その力をもって多くの命を守り、今なお、より強くあらんと願っていますね』
『汝が最も深く愛する装いは、汝を最も強く守る力となるでしょう』
……ああ。なんという祝福だろう。
女神は、自分の強さも、長年の努力も、愛するものも、何ひとつ否定しなかった。むしろ、そのすべてを力に変えてくださったのだ。
最も愛するものを身につけることで、最も強くなれる。あの日憧れた理想に、さらに近づくことができる。
レオノーラは、衣装を手に取った。
薄桃色のドレス。純白のレース。大きなリボン。三段重ねのフリル。長い兎耳の付いたフード。背中には、小さな天使の羽。
やはり、素晴らしい衣装だった。
そして、明日はこれを着て戦おうと思った。誰かに命じられたからではない。軍人として、それが最善の装備だからという理由だけでもない。
この衣装を身につけて、大切な人々を守りたい。
そう思った。
*
翌朝。
王都の城門前には、第一重装騎士隊の兵士たちが整列していた。魔王軍との決戦を目前に控え、誰もが緊張した面持ちで出撃の命令を待っている。副官セルマは、いつものように隊列の先頭に立っていた。
やがて、隊長が姿を現した。
……。
セルマは、動きを止めた。
身長六尺に迫る巨体。分厚い首。広い肩。丸太のような腕。顔には幾多の戦場で刻まれた古傷。
そして、その全身を包んでいるのは、薄桃色のドレスだった。純白のレースに三段重ねのフリル。背中には大きなリボンと小さな天使の羽。頭には、長い兎耳の付いたフード。
……。
セルマは、しばらく動かなかった。後ろに整列する兵士たちの間にも、静かな動揺が広がっている。誰もが、目の前の光景を理解できずにいた。
しかし、レオノーラはいつもどおりの足取りで歩いていた。右手には、長年使い慣れた巨大な大剣。その表情には、いささかの迷いもない。
セルマの前で足を止める。
「状況を報告しろ」
「……はっ!」
セルマは、我に返ったように敬礼した。
「第一重装騎士隊、全員配置についております。出撃準備、完了しております!」
「よし」
レオノーラは頷き、整列する兵士たちを見渡した。
この者たちは、幾度もの戦場をともに生き抜いてきた部下たちだ。その一人一人に、守るべきものがある。家族、友人、故郷、帰るべき場所。
レオノーラは、大剣を肩に担いだ。
「貴様らァ!!!」
怒声が響き渡り、兵士たちの背筋が一斉に伸びる。
「今日の敵は魔王だ!!! これまでとは比べ物にならん強敵だ!!!」
レオノーラは、兵士たちを見渡した。
「だが恐れるな!!! 貴様らは私が鍛え上げた王国最強の重装騎士隊だ!!! 己の技を信じろ! 隣の戦友を信じろ!!!」
「「「サー! イエス、サー!!!」」」
「そして何より、生き残れ!!! 誰一人として、無駄に命を捨てることは許さん!!!」
「「「サー! イエス、サー!!!」」」
いつもと変わらぬ、鬼の猛女隊長の怒声だった。ただ、その姿だけが、いつもとはまったく違っていた。
セルマは、レオノーラを見つめていた。これまで見たこともないほど、奇妙な衣装だった。
だが、その声も、眼差しも、立ち姿も、間違いなくいつもの隊長だった。
セルマは剣を抜いた。
「第一重装騎士隊! 隊長に続け!!!」
「「「おおおおおおおッ!!!」」」
レオノーラは城門へ向き直った。その背中では、小さな天使の羽が、朝の風に揺れていた。
*
王都の北方平原。
王国軍と魔王軍は、ついに激突した。
魔王軍の兵力は圧倒的だった。地平線を埋め尽くす魔族の軍勢。空を覆う暗雲。大地を揺るがす咆哮。その中央に、魔王がいた。
巨躯を黒い甲冑で包み、禍々しい大剣を携えた魔族の王。その存在だけで、周囲の空気が震えるほどの魔力をまとっている。
王国軍の先陣を切る第一重装騎士隊は、敵の中央へ向かって突撃した。
「隊列を崩すな!!! 盾を上げろ!!!」
レオノーラの怒声が、戦場に響き渡る。
その姿は、異様だった。薄桃色のドレスをまとい、長い兎耳を風になびかせながら、巨大な大剣を振るう筋骨隆々の女騎士。しかし、その強さは異様などという言葉では到底表現できなかった。
一歩踏み込むだけで大地が砕けた。大剣を振るえば、魔族の重装兵が盾ごと吹き飛んだ。敵の槍が突き出されても、柔らかなドレスの生地に傷一つ付かない。
レオノーラは、自分の身体に満ちる途方もない力を感じていた。
これが《愛装》。
これが、最愛の衣装が与えてくれる力。
素晴らしい祝福だった。
やがて、魔王が動いた。
禍々しい大剣を掲げ、その周囲に膨大な魔力が集まっていく。黒い光が膨れ上がり、巨大な奔流となって王国軍へ放たれた。
その進路には、第一重装騎士隊の兵士たちがいた。
「総員、防御!!!」
セルマが叫び、兵士たちが盾を構える。
しかし、誰の目にも明らかだった。あれは、防げない。重装騎士の大盾など、まとめて消し飛ばされるだろう。
その瞬間、一陣の桃色が兵士たちの前へ躍り出た。
レオノーラだった。
大剣を両手で握り、迫り来る魔力の奔流へ向かって踏み込む。
「ぬうううううううッ!!!」
裂帛の気合いとともに、大剣を振り抜いた。
轟音。
大地が揺れ、黒い奔流が真っ二つに裂けた。
凄まじい魔力の余波が左右へ吹き荒れ、地面を深く抉り取っていく。しかし、レオノーラの背後に立つ兵士たちは、誰一人傷ついていなかった。
……。
セルマは、目の前の光景を見つめていた。
先ほどの一撃は、これまで見てきた隊長の力を、はるかに超えている。その背中には小さな天使の羽。頭には長い兎耳。薄桃色のドレスが、風にはためいている。
あまりにも奇妙な格好。
しかし今、その背中は、セルマがこれまで見てきたどんな姿よりも頼もしかった。
魔王が、ゆっくりと顔を上げた。その視線がレオノーラを捉え、強大な魔力が再び膨れ上がる。
背後には、部下たちがいる。さらにその後ろには、王都がある。その向こうには、数え切れぬほどの人々の暮らしがある。
この者たちを守りたい。王都に暮らす人々を守りたい。自分が大切に思う、すべての人を守りたい。
そして彼女は、魔王へ向き直る。
幼い頃、劇場で聞いたあの言葉。自分の人生を決定づけた言葉。今度は、誰かの台詞を思い出すのではない。自分自身の言葉として、口にする。
『星うさぎのきらめきに誓って!』
レオノーラは大剣を構え直した。
『わたし、もっともっと強くなって、だいすきなみんなを守るのっ!』
三十九歳。王国軍第一重装騎士隊長。レオノーラ・フォン・ヴァルツハイム。
その声は、幼い頃に聞いたプリムローズのものとは似ても似つかない。しかし、そこに込められた願いは、あの小さな魔法少女と少しも違わなかった。
そして彼女は、魔王へ向かって踏み込んだ。
――『鬼の猛女隊長レオノーラ・フォン・ヴァルツハイムの祝福』 完。




