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赤穂線から長船駅まで

赤穂線に乗りながら考えることは叔父さんのことだ。


叔父さんは少しだけクレイジーなところがあって、

話してくれる内容も面白かった。


叔父さんの息子とは仲が悪かったみたいで、

懐いた僕は理想的な息子の代わりみたいな存在だったのかも知れない。

両家にはわだかまりがあったらしいのだけど、

母の祖父も叔父もなぜか可愛がってくれた。


今思えば僕は性格も母方寄りだと思うし、背格好も叔父と似ている。

頭のハゲ具合も……だから通ずるものがあったのかも知れない。


社会人になってからも毎年墓参りのついでに立ち寄っていた。

その度に海や山に連れて行ってもらい、食べさせてもらっていた。

ナギさんにも話したイシガニが一番の目当てだった。


他県のイシガニは食べたことがないけれど、岡山のイシガニはアクが強い。

僕以外、沢山食べる人はいなかった。

その身は弾力があり、甘さがある。

茹でるとうまみが逃げてしまうので塩をまぶして蒸すのが一番だ。

ミソは毛ガニより断然上で内子とあわせると、やみつきになる。


『イシガニ丼』の作り方は至ってシンプルだ。

塩釜で蒸したイシガニをひたすらほぐしてゆく。

ご飯は熱すぎると白米の甘さが際立ってしまう。

これではトゲに刺され痛い思いをしながらほぐした努力が、水の泡になってしまう。

だからご飯はどんぶりにあらかじめよそっておくのが鉄則だ。


「僕は居酒屋の方が性分に合ってるのかな」


赤穂線に乗ると叔父さんの次に考えるのはイシガニだからだ。

ちなみに僕の中の美味しいカニランキングは大差をつけてイシガニだ。

次は毛ガニ、理由はイシガニと味が似てるから。

次はタラバガニ……って言ってもカニじゃないけどね。

これは量を食べたいからかな。


シャコについては同じ甲殻類だけど別ジャンルだね。

ボトムズとタチコマぐらい違う感じだよ。

シャコは甘味が少なくてソリッドな感じ。

酒飲みに好まれる珍味みたいなものだね。

シャコの一番おいしいところは、とんでもない威力の前足のところだよ。

良い子も悪い子も普通の子も、生きたシャコでデコピンしてはいけない。


そんなことを考えていると刀剣ブームで有名になった長船駅についた。


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