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広島風と言ってはいけない(前編)

僕が作ったハルナの物語はここで一旦、お終いだよ。

短編で一万文字ぐらいの内容だね。


小学生にも楽しめるように難しい設定はなし、

最近は音声で読書する人も増えてきているみたいだから

読者ストレスになるような冗長な描写は極力なくしていったんだ。


僕の子供に読んでもらって感想を聞いてみた。


「ハルナは結局、どうしたかったの?

 なんだか中途半端だよね」


「ハルナの頭から耳とか生やした方が良かった?」


「それはちょっと流行に乗っかりすぎ、

 とってつけたようなのはダメじゃん」


「彼女、猫の耳が生えてこなくてよかったね」


「ところでさぁ、ハルナって誰?

 パパが好きだった人?」


バカっ、それはチヅルさんが聞こえるところで言っちゃいけないのに。



背後に化け猫の気配が……もう遅いかも。



「カイさん……ハルナって誰?

 BH、AHでいうといつ頃の人なの?」


「BHとAHの意味がわかりませんし、なんか怖い」


「HといえばヒラノのHでしょ?

 女の恨みは……化けて出るわよ。

 この前も女子の店員さんに、

 優しいビームしてたって言うじゃないの」


「してないよチヅルさん」



我が家ではビフォアヒラノ(BH)、

アフターヒラノ(AH)という年代区分が

なぜかスタンダードになっていた。


嫉妬深い人と結婚する前に、

見知らぬ女性とタンデムしてはいけない。


僕はそう思った。



「チヅルさん、だから登場人物を考える時に

 尾道だし、猫だから……ふわっとした感じの

 名前にしようと思ったワケなんだよ」


「ふーん、カイさんって、

 そういう人が好みだったんだ」


「ちっがうってば」


「否定すると肯定したことになるよねー」


「どうしてそんなに捻じ曲げて受け止められるの?」


「あーあ、新婚旅行も行ってないしなー」


「その話は計画中でしょ?」


「子供も大きくなってきて夢も与えられないってさー」


「いやいや、話が逸れ始めてる」


「なんだかママやる気なくなっちゃったな―

 どうしようかなー、どうしてくれるのかなー

 どこに行くのかなー」


「結局、旅行行きたいんでしょ!」


「よくわかったね!

 じゃあどこにする?

 海外旅行なら沖縄で良いよ」


「いや、それ国内だよね」


「いや、せとうちの外。

 内海をでたらもう海外でしょ」


「仕事もあるし、学校も始まったばかりだから

 土日利用して行くぐらいだよ」


「じゃあ、思い出のハルナさんに会いに尾道行きますかい?」


「だから、実在しない人だってば」


「パパって浮気してたの?」


「もうそのネタはお終い!」



「そろそろ晩御飯の準備だね。

 今日はお好み焼きにしよう」

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