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アブダビへ

「カイ君、次はアブダビ」


ヒラノさんと同じで僕はもうコンドーさんのノリに驚かなくなっていた。


「アブダビって、あれですよね」


「そう、ドバイよりお金持ちな場所」


「あのー、衣食住がすさまじくお高いような気がするんですけど」


「そこらへんは大丈夫」


「大丈夫って……コンドーさん、もっと詳しくお願いします」


「不動産を持ってて、友達夫妻に貸してるんだ。

 短期滞在だったら空いてる部屋を使えるって契約にしてる。

 その分、家賃は安く設定してるんだ。良心的でしょ?」


「えーっと、コンドーさんってお金持ち……なんですね。

 失礼しました」


「自分なんか大したことないよ」


「アブダビだけに、アラブの王様みたいな人に和食作ってあげるんですか?」


「機会があればね。今回はMMAのイベントに参加だよ。

 詳しくないから、あまり聞かないで。行けばわかるよ」


MMA……略の意味が分からない。僕には縁遠い世界だ。

命がけで向かい合うってことは他のスポーツと変わらないんだろう。

最低限のリスペクトをもってケンカするってことかな。



僕は自宅に戻って荷造りをした。

『せとうち日記』もバッグに入れた。


今日に至るまで、あまりページをめくる時間はなかったんだ。

生活のために働く時間やコンドーさんとのからみで使った時間が僕の大半を占めていた。


中身を読み解くのは少し時間がかかる。

三行詩だったり、メモだったり、つぶやきだったり、日記だけに文脈はなかった。

視線が今日というその日だけに向けられていたからだろう。

ただ、太陽を熱したガラス玉と言う風に描写している部分は特に印象に残っていた。

もちろん最後のページに書かれていることについても。


僕はまだ後ろを向きながら前進しているみたいだ。

人が歩いた所、辿って来た道、そこを進むことに慣れ切ってしまっているんだ。


そんな心模様を覗いている時間は少ししかなかった。

既に現地にいるコンドーさんが迎えに来てくれるらしいから夕方ぐらいには着きたい。

ということは自宅を出るのは、ほぼ最寄り駅から始発ってことだ。


ネットでこの街というか海外について調べてみた。

まず、驚いたのは砂漠の国なのにマングローブがあるらしい。

鳥取と沖縄が一緒になった感じかな。


観光もできるけどサウナ状態でボートに乗ろうとは思わないけどね。

一つ気になってることがあるんだ。


石油が見つかったのは五十年以上も前の話だよ。

昔話じゃないけど地面掘ったらお金が出て来た。

今も出続けてるってみんな思ってる。

でもどうして年中サウナ状態のところから移住しないのかなってね。

コンドーさんに聞いても分からなかったみたいだから聞いてみたいと思った。


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