チョコレート
僕は外国の言葉をしゃべれない。
そこらへんはコンドーさんがカバーしてくれる。
今日初めて世の中を動かしてそうな人に会った。
よくテレビや映画でやってるようなものとは少し違いがある。
まあ、彼らだけの習慣なのかもしれないし人それぞれなんだろうけどね。
「カイ君、この人たちは常温でお願い」
後で聞いた話なんだけど、体を冷やすような食べ物や飲み物はとらないという考え方らしい。
日本だと氷点下まで冷やしてビールを飲んだりするのだけれどね。
〇〇タリアンとか〇〇主義とか宣言しても年をとったり病気になったり、何かに苛まれたり。
その都度、自分の体調って変わってくる。
その時、肉を食べるという選択肢を捨ててしまうと坂を転げ落ちるように自分の体調が悪くなるかもしれないね。
午後三時前後、僕はこの時間帯を『食魔の時間帯』って呼んでる。
みんなわかると思うけど、口さみしくて何か食べたくなるんだよね。
そんな時にチョコレートだのなんだの食べたらアウト。
ほぼ死語になってるけどバイオリズムが狂ってしまう。
一度狂ってしまった歯車を元に戻すにはどうしたらいいのだろう。
多分食事以外のことで紛らわす必要があるんだと思う。
それはエンタメだったりスポーツだったりするんだね。
「カイさん、何か食べるものある?」
そう言われて、僕はおもむろに昆布を細く千切りしていった。
「塩分が多いのであまりたくさん食べないでくださいね」
コンドーさんがその場にいなかったので僕はスマホの翻訳アプリで応対した。
その人は目でありがとうを言ってどこかへ行ってしまった。
ナッツ類はしつこいし量を食べてしまう。
消去法で言ってしまうと塩分は体から排出しやすい。
あくまで消去法だから食べ過ぎると体に悪いことには変わらない。
こう考えると食べ物はすべて毒であることに気づくんだ。
だから不調を覚えたら食べ物をシンプルにしてゆく。
一汁三菜や素食、これを突き詰めて行くと精進料理になっていったり、絶食になったりしてゆくんだと思う。
これは言い換えると体からの声に耳を傾ける事なんだと思う。
これをコンドーさんに話してみたら一言。
「つまり、食べたい時に食べたい物を食べれば良いってことね」
コンドーさん、それって元も子もない身も蓋もないって言うんだと思います。
僕は少し膨らんだコンドーさんのお腹を見てそう思った。




