表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
婚約破棄されたので辺境で本気を出したら、王国の制度を全部書き換えてしまいました ―戦わずに国家を動かす追放領主の改革録―  作者: 水無月カレン


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/101

第67話「黒海都市ヴァルカ」

黒海都市ヴァルカ。


港は騒がしい。


だがグランデルの港とは違う。


怒号。

酒の匂い。

血の匂い。


荷札はない。

契約印章もない。


代わりにあるのは、武装だ。


桟橋には奴隷が並ばされていた。


鎖。

焼き印。


商人が値をつける。


「この女は航海経験あり」


「こっちは農作業」


値段は簡単に決まる。


交渉は短い。


なぜなら契約がないからだ。


「金を払え」


「嫌なら帰れ」


それだけ。


ヴァルカは黒海同盟最大の都市。


海賊都市。


だが同時に巨大な市場でもある。


市庁舎の屋上。


一人の男が港を見下ろしていた。


鋭い目。


短い黒髪。


名はラグナー・ヴァルカ。


黒海同盟の実質的支配者。


部下が報告する。


「協議会商船三隻、無事拿捕」


ラグナーは笑う。


「抵抗は?」


「ほぼ無し」


「賢いな」


部下は続ける。


「世界基準の印章を持っていました」


ラグナーは興味深そうに聞く。


「透明契約とかいうやつか」


「はい」


ラグナーは紙を受け取る。


そこには整然とした契約。


利子構造。

責任者。

航路。


すべて書かれている。


ラグナーは吹き出す。


「正直すぎる」


部下が言う。


「連中はこれで世界を変えるつもりらしいです」


ラグナーは港を見渡す。


奴隷市場。

密輸船。

傭兵。


「世界は変わらない」


低い声。


「強い奴が決める」


彼は命じる。


「船を返すな」


部下が驚く。


「身代金も?」


「いらん」


ラグナーは笑う。


「メッセージを送る」


「なんと?」


ラグナーは海を見る。


遠くの水平線。


「世界基準はここでは通じない」


その頃。


グランデル。


レオンは黒海同盟の情報を読んでいた。


奴隷市場。

海賊経済。

暴力信用。


ガルドが言う。


「軍を出すか」


レオンは首を振る。


「それが相手の土俵だ」


エリスが問う。


「では?」


レオンは静かに言う。


「基準の戦争だ」


港の向こう。


カイナの船団が準備を始めている。


外洋連盟の船。


速い船。


黒海へ向かう航路。


カイナが笑う。


「面白くなってきた」


レオンは海を見る。


世界基準は作った。


だがまだ。


世界は納得していない。


黒海。


そこは秩序の外側。


だが。


秩序は、外側で試されて初めて意味を持つ。

本話もお読みいただき、ありがとうございました!


少しでも続きが気になる、と感じていただけましたら、

ブックマーク や 評価 をお願いします。


応援が励みになります!


これからもどうぞよろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ