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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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77/204

夕方の営業(常連客編、その22)

物語は更に更に続編になります


広志【尚美ちゃんよ~】


朝陽【はい!】と焼酎を飲みながら

   広志に視線を向けている


広志【尚美ちゃんの元カレさんは

   やはり有名人だったな…】


アコ【お父さん、津雲さんの

   電話はもしかして…】


広志【さっきの電話な…東葉日報で

   記者やってる津雲さんて

   人からの電話でな、

   あの日待ち合わせしていた相手 

   は尚美ちゃんだと分かった

   そうだ!初デートの時に

   立ち寄った果物屋で

   ツーショット写真撮って

   もらっただろう、お店の人が

   覚えていたそうだよ!】


山武【やはりそうだったんですね】


アコ【それでお父さん、

   和水さんの状態は?】


広志【今は意識回復してリハビリに

   励んでいる、両足骨折している 

   ようだから活動はしばらくは

   無理だろう!雑誌のインタビュー 

   とかは少しずつ出来るように

   なってきているだとさ!】


朝陽【それで彼は何て…】と少し

   戸惑いながらも心配の様子を

   見せている


広志【叶うならば1度直接話をしたい 

   そうだ…そうでないと彼の心は 

   壊れたまんまだろうよ】


アコ【お父さん?】


広志【彼は意識回復してから、

   その事で落ち込んでいてな…

   一時は自暴自棄にまでなった

   そうだ!他のメンバーが懸命と

   励ましてリハビリしているけど 

   よ…何か覇気が感じられないん 

   だとよ】


アコ【尚美ちゃん、どんな結論に

   なってもきちんと向き合って

   話をしないと前には

   進めないわよ】と諭すように

   語りかけている


朝陽【でも…今さら…】


山武【尚美ちゃん、逢うだけなら

   いいんじゃないの?】


早川【余計なお世話とは思ったのです 

   が、昔からあるじゃないですか 

   ~嫌い嫌いも好きのうちって】


広志【それに、このままだと引退して 

   しまうのかも知れないしな~】  

   と珍しく腕を組みながら

   話している


哲男【でも、人気の有名人なんすよね 

   ~そんな簡単に病院

   入れますかね~】と悩んでいる


洋之【そうですよね~】


和邦【それに熱狂ファンならば

   病院の前とか待機して

   そうですもんね~】


周藤【確かにそうですね~

   自分も昔好きだった有名人が

   怪我して入院した時に

   病院前で少しでも応援したいっ 

   て待機してましたからね~】


早川【周藤君て…そんな1面も

   あるんだ~】


周藤【昔の話だよ…しかもそこで

   知り合った先生とそのまま

   ゴールインしてさ~】と

   たそがれている


早川【誰のファンだったの?】


周藤【星野由里子】


早川【へ~~ああいう人なんだ~】


周藤【昔の話だよ】とヤケになって

   話している


アコ【確かに病室に行っても事務所の      

   人とか病院の人に家族ですか?

   とか関係者以外は立ち入り禁止 

   とか言われるのが関の山よ…】


広志【それはさっき津雲さんに

   退院したらここに来る様に

   伝えてあるよ!】


朝陽【え!】


広志【こちらから行く手もあるけど

   逆に尚美ちゃんがウチの店の

   常連客である事を話してある!

   身体回復して落ち着いたら

   来るだろうさ、こちらから

   行く手もあるけどな…】


アコ【お父さん、何かあるわね…】と 

   心の中でつぶやいている


広志【とりあえずこれな和水さんの

   入院先と病室のメモな】と

   メモした紙を渡す


広志【後は尚美ちゃんが決める事

   だろうさ、行く気になったら

   教えてくれ

   津雲さんを通せば後輩だとして 

   通してくれるだろう】


アコ【お父さん?何をしたんですか?】


広志【さあ、昔のなしのつぶてか杵柄 

   (きねづか)とでもして

   おきましょう】


朝陽【はい!落ち着いてから

   会いに行きます!】と

   覚悟を決めたかの様子で

   話している


アコ【そうね~はい!この話は

   ここでおしまいね!】とみんなを 

   納得させる様に視線を

   送っている


哲男【そういや~試合は一体

   どうなったんだろう】と慌てて 

   テレビの野球中継を見始める


実況【試合の途中ですが、ここで野球 

   中継を終了させていただきます 

   あらかじめご了承ください!

   トルクヤ対島広は1対0で

   9回の表の島広の攻撃ですが

   現在、2アウト満塁のチャンス 

   なのですが、放送時間が

   後1分30秒ほどになってきて

   しまいました!さあ、ここまで

   一人で投げてきている

   先発の緒川、打者は代打の一又 

   ボールカウントは

   フルカウント、

   セットポジションから

   投げました!三振~試合終了~

   この辺でお別れします、

   本日もご覧いただき

   ありがとうございました!】

   そしてエンディングが

   流れている


哲男【勝った勝った~Aクラスだ~】 

   と小躍りしている


アコ【はいはい、あら!もうこんな時間 

   なのね、みんな~そろそろ

   閉店の時間よ~】


山武【もうこんな時間だ!

   帰らなきゃおあいそ

   お願いします】と

   バタバタして帰宅準備している


哲男【俺らもそろそろ】


洋之【良かったですね~】


和邦【これで明日も仕事に

   励めますね】


哲男【おうよ!アコさん、お会計を】と 

   かっこつけながら話している


山武【そうですね】と

   お会計をしている


山武【それじゃ~お休みなさい】


周藤【ごちそうさまでした~】

早川【ごちそうさまでした~】と       

   軽く頭を下げて挨拶をして

   店を後にして、それに続いて

   哲男達も各々会計を

   済ませていく


哲男【お休みなさ~い】

洋之【お休みなさい】

和邦【お休みなさい】と店のドアを

   開けて暖簾をくぐり

   店を後にしていく


朝陽【私もそろそろ】と

   会計をしていく


アコ【尚美ちゃん、自分の気持ちに

   正直にね】と語りかける様に

   話している


朝陽【ありがとうございます!

   おやすみなさい】


アコ【は~い、おやすみ~】と

   みんながお店を後にする姿を

   見えなくなるまで遠巻き様に

   見送っている


広志【まだひと波乱もふた波乱も

   ありそうだな】


アコ【裏では色々と…】


広志【津雲さんからな、事件の犯人が 

   もうすぐ明らかになるそうだっ 

   てさ…その時には波乱が

   更に増すだろうだとよ】


アコ【そうですか…何となくそれで

   分かりましたよ!さて、後片付け 

   しましょう】と店の中へと

   戻って行きました


そして、皆それぞれの家路へと

足を向けていったのでした




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