夕方の営業(常連客編、その21)
物語は更に続編になります!
プルルル…プルルル…と
電話が鳴っている、滅多にお店の
電話が鳴る事がないので、
みんなが珍しいな~と驚きながらも
一斉に視線を固定電話に向けている
広志【はいはい、今いきますよ~と】
と向かおうとする
アコ【お父さん、私が…】と代わりに
足を運んでいって受話器を取
る…ガチャ
アコ【もしもし~小料理屋アコで
ございます】
津雲【もしもし~アコさんか~
東葉日報の津雲です!
すみませんね、
ご無沙汰してしまって】
アコ【あら~お久しぶりです~
どうされたのですか?】
津雲【すいませんが、大将を
お願いできますか?】
アコ【は~い、少々お待ち下さい!
お父さ~ん、珍しい人から
電話ですよ~】と受話器を
渡そうとする
広志【あ~はいはい、今行きますよ~】
と言いながらアコから
受話器を受け取る
広志【もしもし~】
津雲【おう、悪かったな~
連絡遅くなって】
広志【ご無沙汰してます~
どうされました?】
津雲【お前さんの勘は相変わらず
鋭いな~見事な御名答だったよ】
とぼやく様に話していく
広志【それじゃあ】
津雲【和水竜哉の恋人の名前は
朝陽尚美っちうお姉ちゃんで
間違いないだろう】
広志【やはりそうでしたか…】と
納得した表情をしている
その頃の店内はといいますと…
山武【アコさん、大将はどなたと
話をされているのですか?】
アコ【昔の常連客だった津雲さんよ、
この店が開店してからの
常連だったのよ、
良く来てくれててね~
一人で来たり、
ご家族できたりとね~
人事異動で本店に
行かれてからも
たまに来ているわよ】
山武【そうなんですね~
でも何かあったのですかね~
話が長くなりそうですが…】と
気になる様子でやりとりを
見守っている
一方電話口では広志と
津雲のやりとりが…
広志【それで、どうなられて
いますか?】
津雲【まぁ、和水竜哉が被害に遭った
際に週刊誌の連中がそばにいた
のにも関わらず、
通報もしなかった事が
これから明らかになる!
まるでパハラッチの様な
追いかけで発生した
惨劇だとしてな!
言い逃れ出来ない様に
詳細な経緯も含めてな、
その時のスクープを
取ろうとしてる写真が
他国の新聞一面に明日
掲載される、もし即座に救急車
を呼んで蘇生措置を
施していればな、ここまでの
大事にならずに療養する事も
なかったろうよ…ちなみに広志
の知り合いは和水竜哉より
年上かい…】
広志【そうですね~】
津雲【それでか~ラブホの前で
思い立った様に逃げる様に
立ち去ったという話しが漏れて
きていたんだよ!経験ないのかと
思ったが、あの場所はいわく
付きでな…少し前に事件が
あったからそういうのも
あるのかもしれないな~
肝心な事忘れていたよ!
和水さんの状態だけどな~
10日間ほど意識不明でな、
予断を許さない状態が続いて
家族以外は面会謝絶でな…
それでも意識回復して
今はリハビリに励んでいる
そうだ!話しは出来るがお前さん
も知っている通りの
あの事務室だからな】
広志【ガードが堅いというべきか
そうですか…となるとそれが
原因というわけでは
ないのですね?】と
確認しながら聞いている
津雲【恐らくはな、そういえば今度の
事件はなぜか分からんが
本店と支店が合同捜査してる!
最初は支店だけだったのに
途中から本店が出張ってきてい
るんだよ!どうやら大事に
なるやもしれん】
広志【さすがですね…
そこまで調べあげていた
なんて】と驚いている
津雲【後一つだけ、和水の本命は
お前さんの知人で
間違いないよ】
広志【聞き出したのですか?】
津雲【その辺は企業秘密と
しておこうや】
広志【相も変わらず恐ろしい
ですね~】
津雲【恋愛は相手を選べ、
御法度だと言うような
事務所の中でも交際相手して
いるんだから本気と見るのが
筋だろう!下手したらこの世界
からも糸も簡単に抹消するのが
あの連中だからな…
逆に見ればそれこそ全てを
捨てても一緒になるつもりの
考えの様だな…昔のお前さんも
そうだったろう】
広志【随分と懐かしい話を
持ち出しますね~
本気の相手なら当たり前の
事ですよ…】と少し苦笑い
しながらも照れくさい
表情をしている
津雲【おっともうこんな時間かい】と
時計に視線を送ると
津雲【さてと…お前さんの知人に
言付け頼むわ】
広志【なんでしょう】
津雲【和水の入院先だよ…】
広志【助かります】とメモ帳とペンを
取り出す
津雲【いいか~○○中央総合病院の
7階で一番奥の719号室にいる、
当然ながら個室だ!】
広志【すみません本当に
ありがとうございます!】
津雲【あの事務所の社長の事の
癖が癖だからな】
広志【相変わらずですか…】
津雲【また、連絡するよ】
広志【ありがとうございます、
失礼します】
そういって電話の受話器を
下ろしていく…ガチャ…ツーツーツー
広志【ふぅ~】と一息ついてから
足を運んでいく




