夕方の営業(常連客編、その44)
さてさて時計の針は
もうすぐ19時になろうとしています
店内はたわいのない話で
賑やかになっておりますが
広志【アコ~みんなの分上がったよ】
と出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【はい!よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま!
めしあがれ】とそれぞれの
テーブルに置いていく
山武【ありがとうございます】
周藤【ありがとうございます】
早川【ありがとうございます】と
割り箸を割って手を合わせて
山武【いただきます】
周藤【いただきます】
早川【いただきます】をしてから
食べ始める
山武【うまいです、今日も
五臓六腑に染み渡ります】と
言いながら十四代を
一口飲んでいく
山武【くぅーたまりませんな~
身体が喜んでいます】
早川【どれも美味いです
ほっとする味です】と
揚げ出し豆腐を1口食べて
笑顔になっている
周藤【今日はバタバタしていて
あまりお昼を
食べられなかったので
お腹減っていたんですよ~】と
ガツガツ食べている
アコ【落ち着いて食べなさい
逃げやしないわよ】と
たしなめていると
矢野【こんばんは~】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラと開けて、
店の中の様子を伺っている
アコ【いらっしゃいませ~
どうぞこちらへ】
矢野【ありがとうございます】と
店に入りカウンター席に
腰を下ろして座っていく
広志【いらっしゃい!
拓海にしては遅かったな
今日は来ないかと思ったわ
他に行く所があるだろうし】
とぼやきながら調理を始める
矢野【まあまあ良いじゃないですか
昨日もお世話になりましたし
それで2人の様子は】
広志【とりあえず全身打撲で10日間の
入院と安静だとよ】
矢野【それは良かったです
そう言えば桜木さんは
大変の様子ですね
週刊誌に撮られたりして】
周藤【桜木さん?】
早川【アイドルの桜木隼人の
事ですか?】
矢野【このお店にたまにですけど
食べに来られるんですよ】
広志【あれだけ分かりやすいのもな】
アコ【私は芸能人ですと
変なオーラがあるわね】
矢野【そんなオーラのある人が
週刊誌に撮られるとは】
哲男【それ俺も見たんすけど
女の子の方がカメラ目線なのが
気になるんすよね】
矢野【そこは思いましたね
いかにも撮って下さいと
言わんばかりに】
山武【何かの宣伝のために
裏で手を組んで撮らせると
言うのはあるよね】と
少しほろ酔い気分になっている
アコ【はいはい千鳥足にならない
ようにね】
早川【そういうのもあるんですね~】
周藤【初めて知りました】
広志【そうだな、アコ上がったよ】と
料理を盛り付けている
アコ【はい!よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、拓海君おまちどおさま!
めしあがれ】とそれぞれの
テーブルに置いていく
矢野【はい】と割り箸を取って
いただきますをして
食べ始めていた
広志【そう言えば拓海はクリスマスの
予定は決まっているのか?】
矢野【とりあえずは彼女と
デートの予定を】と
少し照れながら話している
アコ【良かったわ~
クリスマス来られたら
違う方から色々とね】
広志【どこに行くとか考えとかないと
レストランとか予約して
食事のあとは夜景を見にいって
それからだろうさ】
矢野【レストランの予約は
なかなかの競争なので
かと言って、話しをすると
そういう場所は苦手だと】
アコ【あの親にしてこの子ありね】
広志【間違いなくな】と
思い出している
アコ【どうせならプロポーズとか】
矢野【それは…】と
顔を真っ赤にしている
広志【歌であるだろう
僕よりも~僕の事を知ってる~
神様よりも君だよ~】
山武【誰の歌ですか?】
広志【確かTUBEのプロポーズという
曲だったかな】
洋之【良いよな~相手いる人は】と
頬ずいている
和邦【大将!クリスマスは
開けておいて下さいね~】
広志【寂しい事を言うな
一人者同士で盛り上がれ】
アコ【そうよ、ここなんか来ないで
たまには出かけなさい】
山武【結婚して親になると
子供のプレゼントの事や
年末年始の休みの事とかで
あっという間ですから】
周藤【何か先輩が話すと深いですね】
早川【いつか私達もそうなるのかな】
広志【人間は十人十色というだろ
それぞれの道というもんだ】
周藤【僕達はクリスマスなんて
親睦会で終わりですからね】
早川【そう言えば周藤君は
昨年も出てたね】
周藤【その言葉は早川さんに
そっくりお返しするよ
冷やかされて
無理やりお酒飲んで
酔いつぶれた挙げ句に
僕に絡んできて
帰れなくなって
結局おんぶして自宅まで
送り届けたんだから】
早川【そんな事あったかな~
記憶にございません】
周藤【しかも、いきなり脱ぎ始めて
目のやり場に困る事困る事】
アコ【なんでそこから行かないのよ】
哲男【それをアコさん言いますか】
周藤【無理やりというのは
相手にも失礼ですし】
広志【常識と理性と分別か
良く保ったな~】
早川【思い出したわ
次の日起きたら
なぜか下着姿だったのが
分からなかったけど
そういう事だったのね】
山武【周藤君お目付役頼むぞ~】
周藤【今年もですか】と
ため息をついている
アコ【それか早く彼女を作る事ね】
山武【その通り】と頷いている
そんなこんなとみんなで
たわいな事を話をしながら
夜は更けていったのでした




