夕方の営業(常連客編、その30)
さてさて、お店は飲み食いしながら
たわいのない話で盛り上がっています
時計の針は17時半を少しに回った
その頃…
哲男【こんばんは~大将に
アコさ~ん】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて
大きな声で入っていく
和邦【こんばんは~】
洋之【こんばんは~】
アコ【いらっしゃい!!来たわね~
今日もいつものでいいのね!
お父さ~ん日替わり3つ
お願い】
広志【はいよ…】と調理に取りかかる
哲男【アコさん、揚げ出し豆腐も
お願いしますよ~】と
言いながら
いつもの指定席のテーブルに
それぞれ座っていく
和邦【そうそう】
洋之【ONとOFFの食べ物
なんですから】
広志【分かってるよ~】
哲男【お願いしま~す】
和邦【そういえば今日のお通しは
何ですか?】
洋之【もう腹ペコで…】
アコ【はいはい】そう言いながら
コップに水を入れてテーブル
にそれぞれ置いていく
アコ【はいおしぼり】と渡している
哲男【ありがとうございます】
洋之【ありがとうございます】
和邦【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【少し待ってちょうだい】と
小皿に盛り付けてから
アコ【はい、お通しね】とそれぞれの
テーブル席に置いていく
哲男【今日はきんぴらとこれは…】
アコ【大根の葉っぱと油揚げを
一緒に炒めた物よ】
洋之【初めて見ました】
和邦【大根の葉っぱって食べられる
のですね】
アコ【お酒のつまみやお茶漬けにも
良いわね】と話していると
鈴村【アコさ~ん、お通しおかわり~】
と泥酔しながらコップを
持ち上げていると
アコ【あんたはそこまでにしなさい
はい、こっち】とコップに
なみなみと入った飲み物を
渡している
八百【これはまさか…】
アコ【これ以上飲ませたら
明日は店開けられないわね~】
と満面に笑みを鈴村に向けて
話している
その表情を見て他のみんなは
恐怖心と謎の寒気が襲ってきている
そして、コップになみなみと入った
飲み物をグイっと飲み干してから
突っ伏して眠りについてしまった
アコ【後で奥さんに連絡してから
タクシー呼びましょう】
丸井【ちなみにあの飲み物は…】と
恐る恐る聞いていくと
アコ【飲む前から酔いが醒める
水よ水】と応えている
哲男【あ~ほっとした~】
洋之【こっちまで冷や汗かきました】
和邦【本当に脅かさないでください】
広志【アコ~、みんなの分
上がったよ】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【はい!よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま!
めしあがれ】とそれぞれの
テーブルに置いていく
哲男【本当に今日もありがとう
ございます】
洋之【ありがとうございます!
いただきます】と割り箸を
割って手を合わせて
哲男【いただきます】
洋之【いただきます】
和邦【いただきます】
哲男【今日の日替わりは】
アコ【今日はね
“サンマの南蛮漬け”に
“野菜たっぷり肉団子汁”に
“おからの酢の物”ね…
後は追加の揚げ出し豆腐】
アコ【早く食べちゃいなさい、
冷めちゃうわよ】と諭される
各々一口ずつ食べ始めている
哲男【うまいっす、今年も
サンマ食えました~】
洋之【秋到来ですね~】
和邦【本当にそうですよね~】
広志【まだ新しいのではないから
明後日に新サンマ入荷する
ってそこの寝ている大将から
連絡きたから、それからが
本番だな】と手を動かしながら
話している
アコ【しかし、見事なくらいに
気持ち良い食べっぷりね~】と
手を動かしながら
3人の表情を見つめていると
哲男【えっ】
洋之【えっ】
和邦【えっ】とみんな顔を上げると
それぞれご飯粒が付いています
それを見てみんな笑ってしまいました
そして各々てんやわんやしながら
たわいのない話をしながら
夜は更けていったのでした




