第三部番外編 怪異ハンター 十二使徒の造反 前 6
そして、その夜に、イギリスから来た船で次々と事件が起こった。
船員たちがいきなり暴れて、仲間を殺したのだ。
「どうした? 何があった? 」
「船長っ! 街に降りて飲みに行った連中が戻ってきて、次々と暴れ出して! 」
船員がそう答えた途端に撃たれた。
「糞っ、船員の寝てる奴を起こせっ! 反乱だっ! 銃を装備しろっ! 」
船長が叫んだ。
船内から激しい物音がして、マスケット銃を装備した船員が飛び出てくる。
「いやいや、人間と言うものは本当に騙しやすいものですね。楽しくて行けない」
そう船長の背後から声がする。
「誰だ? 」
船長が振り返ると、そこにアメリカの市民軍の将軍の姿をしたアドナキエルが立っていた。
「ふははは、私は市民軍の将軍です。イギリスから独立させて戴きたくてここに現れました」
アドナキエルがそう笑った。
「貴方には、その事をイギリス政府に伝えて貰いたい。この被害とともにね」
そうアドナキエルが手をまるでショウタイムが始まるように拡げてみせたところで、船長の乗っている船以外が次々と爆発していった。
「き、貴様、こんなことをして独立する気かっ? 」
「そう言ってるじゃないですか」
そうアドナキエルが答えると、船室から出て来た船員たちが一斉にマスケット銃で銃撃するが、全く動じない。
「ははははは、無駄無駄。この国だけでなくイギリスもフランスもすべてを這いにして見せましょうぞ」
そうアドナキエルが光り輝きだして、十二枚の羽根を見せた。
「なっ! 」
「十二枚の羽根? 」
「ルシファー? 」
迷信深いせいもあって一斉に船員たちが動揺した。
「さあ、伝えなさい。この国は独立して我らが主のものになるのです」
そう笑いながら空を飛んで上空から笑いかけた。
船員たちには十字を切るものも現れた。
「逃げるんだ! これを本国に伝えなければっ! 」
そう船長が絶叫して、船が出港した。
船員たちは震えながら十字を切って神に祈りをささげていた。
「おお、流石だ。我が主の本当の姿を似せると、これほどインパクトがあるとは。さて、この世界を主の世界に変えますかね。十二使徒の本来の使命ですから」
そうアドナキエルが笑った。
そして、その瞬間に植物が次々と動き出して、人間達を襲い始めた。
孔明の策が動き出したのだ。
いや、孔明の本来の策がであるが。
「あちらも始まったようですね。バキエルも来た。これでマルキダエルとムリエルは意図が違いますが、十二使徒が四体。やや微妙ですね。もう少し、仲間を増やさないと主が喜ぶ世界が作れない。ちょっと勧誘に行ってまいりますか。今の段階では、バキエルとマルキダエルとムリエルだけで何とかなるでしょう。問題は光の創造主と闇の創造主がどう動くか、ですが……」
アドナキエルがそう笑って姿を消した。
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「あれは? 」
「もう一体の十二使徒だな。多分、アドナキエルだな。戦争と混乱と破壊を起こす奴だ……」
オリジナルユウキの母親の言葉に親父が答えた。
「どうするんだ? 」
光の創造主がオリジナルユウキに聞いた。
「……仕方あるまい。ここは皆で逃げよう」
オリジナルユウキが厳かに告げた。
「逃げるんかーい! 」
「結局、それかっ! 」
「全然駄目じゃ無いのっ! 」
そうミツキやスカーフェイス達が一斉にオリジナルユウキを攻めた。
「いや、俺に対してやってるなら、俺がいなくなれば意味が無くなる」
オリジナルユウキがきりりと答えた。
「いなくなっても続けたらどうすんだ! 」
オリジナルユウキの母親のかかと落としを受けて、オリジナルユウキが血を吐いて倒れた。




