第三部番外編 怪異ハンター 桜の木の章 1
桜の木が流行りなのかと思い、勝手に書いてみました、
まるで仕留めた猪のように手足を棒に縛られて運ばれてオリジナルユウキ達は元の世界のある時代で止まった。
そこは古きアメリカのイギリス調の屋敷のようだった。
かなり荒れていて、人がしばらく住んでいないようだった。
「え? こんなところで母さんが待ってるのか? 」
親父が動揺して騒ぐ。
「違うよ。流石に次元を超えて、さらに時間を超えるのは大変だから、一旦、ここで休んでもう一度時間を移動するつもり」
ミツキがそう答えた。
「どこよ。ここ」
「さあ、アメリカの独立前だと思うけど」
オリジナルユウキの言葉にアイが答えた。
いつの間にか、アイ達の力のおかげでオリジナルユウキも他の皆も当時のアメリカのパリッとしたスーツとドレスを着た服装に変わった。
「アメリカかぁ」
そうスカーフェイスがかっての母国を思い出して呟いた。
「まあ、逃げれないようにしとくけど、手足の方は外したげる」
そうミツキが言いながら、金で出来た腕輪を俺と親父と光の創造主の左手につけた。
「何、これ? 」
「ああ、母さん達が作った呪具だよ。これで時間移動とか出来ないから」
親父がミツキに言われて不貞腐れた。
「あれ? 龍女さんとか麟女さんは? 」
「お義母様に言われて先に行って待ってると思いますが」
ゼブがそう答えた。
「マジか」
オリジナルユウキが嫌な顔をした。
「正座じゃあ済みそうにないなぁ」
親父がトホホって顔で呟いた。
「それにしても、腹が減ったな」
そう光の創造主が呟いた。
「いや、別にお父さんは食べなくても大丈夫でしょ」
アイがそう突っ込んだ。
「いや、うまいもんは食べたいからな。食べなくても生きていけるとしても」
そう光の創造主が愚痴った。
「この屋敷って誰かいるの? 」
「いや、そちらの世界にお兄ちゃんを追いかけに行く前にしばらく居たんだけど、その時は誰もいなかったと思う」
そうミツキが笑った。
「何だ? インディアンか? それにしたら白人が一緒だが? 」
そう、マスケット銃を構えて若い男が降りてきた。
地味なシャツとスーツを着た男だが、育ちは良いようだった。
「いや、日本人だが? 」
オリジナルユウキがそう答えた。
オリジナルユウキとミツキと親父は日本人だが、アイ、ミク、ゼブ、光の創造主とスカーフェイスは白人の姿だったから、向こうが困惑したらしい。
「日本? どこだ? 」
そのライフルを構えたアメリカ人が困惑していた。
「いや、東洋だが」
オリジナルユウキが困ったような顔をした。
「私の友人ですよ」
そう孔明が現れて笑った。
だが、孔明はしれっと銀髪の白人顔に変わっていた。
服の方も、あの時代の貴族が着る金糸のスーツになっている。
「ちょ! 何だ! その姿は! 」
オリジナルユウキが突っ込んだ。
「いやいや、この時代は有色人種が差別されてた時代ですよ。黄色人種でいるとか無茶ですから」
「こ、こいつ……」
オリジナルユウキが呆れた。
「まあ、白人に変われば良いんじゃない? 」
「いや、今はまずいだろ」
ミツキが簡単に言ったので親父が止めた。
元々、オリジナルユウキもミツキも親父も白人系の姿も出来るのだが、見てる前で変わるのはあまりにも不審過ぎるからだろう。
「まあ、インディアンじゃないなら良いや。私の名前はローレンス・ウォシントン」
「ローレンス……ウォシントン? 」
スカーフェイスがその青年を見て微妙な顔をした。
そして、その背後から10歳前後の男の子が出て来た。
無口で大人しそうだ。
「この子は弟のジョージだ」
そうローレンスが笑った。
「ジョージ? ジョージ・ウォシントン? 」
スカーフェイスが素っ頓狂な声をあげた。
「? 弟を知っているのか? 」
「あ、いや、他人の空似だ」
スカーフェイスが焦って答えた。
「誰だった? 」
そう同じようなスーツを着た若い男と中年の男が降りてきた。
その陰から老夫婦がのぞき込んでいる。
「これは? 」
光の創造主が聞いた。
「いや、馬車がインディアンに襲撃されて、逃げているうちに壊れてしまってな。ちょうど、ここで休ませてもらってるんじゃ」
老夫婦の旦那さんの方はそう笑った。




