1話
声が聞こえる。
私の名前を呼ぶ声が。
「.....ば」
「.....おば」
「青葉!!!」
意識がはっきりとする。
落下していく感覚、夢の中にいるのだろうか
いや違う、すぐにわかった。
この全身に感じる風、手足に感じる冷たさ。
私は落下しているのだ。
目を開けると、目の前には青い空。
それと、見たことのない、これは魔方陣であろうか。
落下しているとわかりながらもきれいと感じてしまった。
体が雲を通り過ぎるのがわかる。非常に痛い、冷たい。
このまま落下し続けたらどうなるのであろうか。
そういえば、なぜこうなったんだっけ。
そうだ、私は交通事故に遭ったんだ。
婚約者の彼と談笑をしながら話していた。
それなのに私は話に夢中で前方不注意、恐らくトラックの類に轢かれたのであろう。
後ろからは婚約者の叫び声が聞こえたのを最後に、今に至る。
ああ、彼にはもう会えないんだな、そろそろ地面かな
そう考えていたら、突然落下がピタッと止まった。
体に何の衝撃もない、恐らく空中に浮いている。
1秒もたたないうちに背中に衝撃が起こった。
でもそこまで痛くはない。
体を起こしてみる。
ここは丘の上なのだろうか、一体に森が見える。
一瞬自分に影が掛かった。
上を見てみると、あれはおとぎ話のところでいう、ドラゴンか?
それに上に人が乗っているように見える。
立ち上がり、ドラゴンが進んだほうを見ると
そこには街、いやあの大きさ、恐らく王国だ。
外壁に囲まれた随分とでかい王国のようなものが見えた。
とりあえず、状況が本当によくわからない。
私の見たドラゴンはいったい何なのか。
そういえば魔法陣のようなものは一体?
上を見てみるが、もう消えていた。
私は好奇心に抗えなかった。私はいったいどこに来てしまったのだろうか?
森を抜け、あの王国に行くことを決意する。




