お父様とお母様
急いで用事の合間に書いたのでおかしいかもしれませんがその度、指摘のほどどうかよろしくお願いします。
「お帰りなさいませ」
そう言って家中の召使いたちがお嬢様を迎えた。
「あの、毎度言っていますがそんなにも迎えに来なくてもいいのですよ?」
「何を言うのです、お嬢様。お嬢様を迎えることは私たちの喜びの1つなのです」
「それは貴方だけでは?アル」
そんな馬鹿な。この思いは家中の者共通の筈。
そうだろう!?みんな!!!!
そう思って召使いたちに目配せをすると、それを察したのか1つ俺に頷きを返し口を開いた。
「いえ、アルなどと一緒にしないでくださいお嬢様。私たちの思いはその者などよりもっと強いです。つまり、お嬢様を迎えることは私たちの生き甲斐の1つです」
「「「「「そうです」」」」」
そうやって召使いたちが一斉に声を合わせて言う。
思わず俺の額に青筋が浮かんだ。
そういえばコイツらはそういう奴らだったぁぁぁあ!!!!
「……くっ、お嬢様。騙されてはいけません!この世界中でお嬢様のことを一番に思い、一番お嬢様のことを知っているのは私、アルセルトです!」
「ふっ、世迷言を。私たちこそがお嬢様のことを一番に思い、一番お嬢様のことを知っているのです!ですよね、皆さん!」
「「「「「そうだそうだ!」」」」」
……コイツら!
「そこまで言うのなら仕方がありません。ここは1つ勝負といきましょう」
「ほう?……勝負ですか」
「ええ、名付けて“どちらがお嬢様の素晴らしいところを知っているのかを言い合いで決めてしまおう大決戦”です!!!!」
「「「「その喧嘩、買ったぁぁぁあ!!」」」」
ふふふふ、コイツらこの俺にお嬢様のことで勝てると思っているのか?
甘い、甘いぞ貴様らぁぁぁあ!身の程というものを思い知らせてくれるわっ!!!!!
「ふふふふ」
「「「「「ふふふふ」」」」」
「「「「「「ふふふふふふ」」」」」」
そうして俺は長きにも及んだ戦いに決着をつけるため口を開ける!!
「お嬢様は!世界で一番優しく、強き方だ!!」
「お嬢様は!世界で一番物知りなお方です!!」
「お嬢様は!…………だ!」
「お嬢様は!…………です!」
「………!」
「………!」
〜★〜
「ぜぇ、ぜぇ、……なかなかやるじゃないか」
「「「「「ふう、ふう、……そちらこそ」」」」」
そうして俺たちはいい(謎の)汗をかきながらも笑顔を見せていた。
ちなみに今はもう1時間が経過している。
「だがな、まだまだあるぞぉ!!!」
「「「「「こっちこそ!」」」」」
そうして、またも言い合いを始める中端っこで小さく涙を流す美少女の姿があった。
「これはいったい何の公開処刑ですか……」
全くもってその通りである。
〜★〜
「な、なかなかやるじゃねえか」
「「「「ぜぇぜぇ、そっちこそ」」」」
「……だがなぁ!まだ……」
「もう、終わりです!!」
俺が振り返った先には涙を流し顔を赤くしたお嬢様の姿があった。
「え、お嬢様?どうされたのです!」
「もう、これ以上言い合うなら皆様は解雇します!」
そんなお嬢様は俺たちにミサイルを撃ってきた。
「な、なんだってぇぇぇえ!?」
「「「「そ、そんな……」」」」
そんな、お嬢様の良いところなどまだ言い足りないのに……
「も、申し訳ございませんお嬢様!……ですので解雇だけは、それだけはどうかご勘弁ください!!」
「……もうしないでくださいね?」
「「「「「「「はい」」」」」」」
「まあまあそんなに怒るなヒルダ」
俺を含めた使用人達はそう言いながら個々に来た金髪の御仁に膝をついた。何故なら……
「お父様!? 何故このようなところに!?」
そう、この伯爵家の当主だからだ。
「あらあら、どうしたのですか?あなた?」
そして、悪魔ゲフンゲフン……奥様までいらっしゃった。
「アールー?今、失礼なことを考えたでしょぉ?」
「め、滅相もございません」
ちっ、人の心を止めるのかこの悪m……ヒイ!? 物凄い殺気が出したぞ、あの人!!
「……まあ、いいでしょう。アルいつまで外にヒルダを待たしているのですか? 貴方、執事でしょぉ? 娘が風邪を引いたらその首……叩き落とすからねぇ?」
最後は俺の耳元で撫でるような声で囁いた。
普通に怖い。やばいぞこれは!!
と、内心冷や汗ダラダラになりながらもなんとか頷くことができた。
「で、では行きましょうかお嬢様」
「そうですね。では、お父様とお母様も行きましょう」
「あとで、執務室に来なさいねぇ?アルゥ?」
ヒィィイ!?
「りょ、了解致しました……」
どうやらまだ地獄が待っているようであった。
後日談ではあるが、その後何日か王都には男の悲鳴が響いていたという。
次回。執事、正体バレる!?
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