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リカ、リアル充実???(マジだ、信じてくれ※汗)怪しい。


 最高の目覚めは意欲を引き出す。


 イイ仕事をする上で、

 ファーストコンタクトの相手は欠かせない、『超』重要なファクターだ。


 誰だって、思い描いた理想があるはず。 

 覚醒したら最初に“愛”に触れたいだろう? 

 ちなみに俺の場合、一日の始まりは決まって

 〈携帯端末(パーソナルハンド)〉のアラームだ。



 ……同情なんてしないでほしい。俺のリアルは充実している。

 マジだ、この瞳を見て。そして信じてくれ。

 確かに〈携帯端末(パーソナルハンド)〉は

 ベーコンをカリカリに焼いてはくれないが、いつも傍に居て、

 俺を見守ってくれている。



 引き落とし口座の残高と、バッテリー残量にさえ気を配るだけで、

 文句も言わないし、無茶なオネダリしないし、

 言うこと聞くし、軽いし、コンパクトだ。

 その日のキゲンに左右されない、

 正確無比な彼女のモーニングコールに俺は“愛”を感じてしまう。



 ああ……なんのハナシだっけ。すまない、昨日はちょっと飲み過ぎた。

 一杯ひっ掛けるつもりで、贔屓にしている知人の店で酒を飲み、

 串焼きをチョビチョビつまんでいると、どうも歯止めが効かなくなった。

 

 最高のスタートを切るために、ファーストコンタクトは重要だ。

 だが同じくらい重要なのが、“その日をどう終えるか”だろう。

 人生ってヤツは途中でアガれない。



 明日が来ない日はないのだから。



 ――で、俺はリアルに帰還する。

 〈携帯端末(パーソナルハンド)〉は狂ったように、

 徐々にアラームの音量を上げながら叫んでる。

 そろそろ止めようかな。となりの住人に壁を叩かれるし。

 “愛”と“憎”が入り混じる、これぞ最高の目覚めだね。

 マジだ、この俺の瞳を見てくれ。ああ、思わず涙がポロリ……。



 精いっぱい腕を伸ばし、

 サイドテーブルで“愛”を叫ぶラブ・マシーンにタッチ。


「……?」


 ジーーーッ。ジーーーッ、ジーーーーッ。


 それでも覚醒を促し続けるラブ・マシーン。

 何度タッチしても荒ぶっている。


「はあん? どういうこっちゃ。なんで止まらねーんだよ」


 タッチ・アンド・タッチ!

 もう怒り狂って俺は、ストロング・ターーッチ!


 しかし鳴りやまず。となりの住人が壁をドン――分かってるわ!


「マジで意味わかんねーよ。イイ加減にしねーとブッ壊すぞコノ野郎!」


 するとそこでようやく、“彼女”に非がないことを俺は知る。


 ジーーーッ。

 ジーーーッ、ジーーーーッ。

 ジーッ。ジーーーッ、ジーッ、ジーーーーッ。


「――はっ。部屋のベル!」


 俺の一日は、こうして慌ただしく始まった。


 そして、“サイアク”が始まったのだった……。




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