リカ、やるき“まんまん”???(今日はなにを食べ※肉)
ほんの少し足を伸ばすだけで好きな人に会えるのに、
どうしても素通りしてしまう。
好きで好きでたまらないくせに、あえて避けようとする。
そんな経験あると思う。
ないってヤツは、この慎み深い俺を遠慮なく笑ってくれ。
これは同じ経験をしたヤツじゃなきゃ分からない、
とてもロマンティックなハナシなんだ。
リスナーの皆さん、驚くなかれ。ココは恋愛相談室じゃない。
俺の仕事は予定通り進行中――と、
こんなカンジでスケジュールはビッチビチに詰まってるから、
【公園】でゆっくりする時間なんてないんだ。
なにを俺が言おうとしているのか分からない人は、
どうか聞き流してほしい。そしてココで聞いたことは外に
“ゼッタイ”漏らさないように。
なにかの偶然で、もしも大好きな人たちに
本当の想いが伝わってしまったら、俺は彼女たちに会えなくなる。
……恋愛カウンセラー求ム。
義理と人情たっぷりの、今や絶滅危惧種の〈ヤクザ〉を助けるために
洗練された【商業地区・六番街】を出て、
混沌うずまく【興業地区・四番街】行きの
専用ラッピング電車に乗る。
ボロイ屋台で売れないパニッシュを売る
凄腕の情報屋とこれから接触する。
どうやら俺は会いたくないヤツに限って、
足が自然と向くように出来てるようだ。
つくづく素直じゃない俺。
「私は案内人ではありません! この街を守護する勇敢なる一族の末裔です! 遥かなる昔からそれは〈メネディアン・ナイツ〉と呼ばれ、この街の変わらぬ誇りとなっています! もしも皆さんの中に、よからぬ企みを抱く邪悪な者が居るとしたら、その身の安全は保障しません! なぜなら一族でもっとも優れている私が、こうして皆さんの前に――」
毛のないミニチュアハウンドを連れる、
真っ赤なロングスカートを当たり前のように履いた『夢の国』の住人は、
ごった返す観光客の中から俺の姿を見つけると
ニヤッと笑ってウインクする。
コイツとも、すっかり顔なじみ。
よく来る俺を、B級グルメ評論家とでも思っているんじゃないだろうか。
確かに、そんじょそこらのグルメレポーターより、
ココで俺はメシを食っている。
ゴールドパス(全店制覇の証明! 加盟店に提示すると……?
なんと!!!!“隠しメニュー”が解禁に!!!!)
も持ってるし、ホルモンで二時間は語れるね。
ヒマが出来たらブログでも始めようかな。
「――さあ歓迎します、悪人も善人も! これより一歩でも足を前にした者は誰でもこの街の住人だ! 【興業地区・四番街】へようこそ!」




