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5/5

海緑vs緑っぽいなにか

九尾(つづらお)ゆる、というVTuberがいる。

ガワはかなり頑張っている。

誰にでも好感を持ってもらえるやわらかい人柄と、それに似合った声もいい。

自称バトスピVTuber。

なにを言っても自由なのだが、一つ問題がある。

なにをかくそう九尾ゆる、バトルスピリッツめっちゃ弱い。

何故か縁がある私は今日も彼の武者修行に付き合っていた。


権利はゆる君、先攻で手札入れ替えを選択、

私は手札を見る。


---

ラスヘッド

マーメイディア・プリンセス

リオネ=マキナ

リオネ=マキナ

---


重いと言えば重いが、後攻1ターン目にプレイできるカードは揃っている。

手札入れ替えはしない。


相手1ターン目


<ラスヘッド>を召喚。


---

ラスヘッド

3(1)/緑/海緑・甲魚

<1>Lv1 3000 <3>Lv2/真界放 5000

Lv1-2『召喚時』

コスト4以下の相手のスピリット1体を指定できる。それを疲労させる。

Lv2《真界放》『アタック中』

このスピリットをBP+2000する。

---


おや同型。ここは年長者としてお手本になるプレイをしなければならない。

先一に真界放持ちはいいスタート。


自分2ターン目


ドローはストラレイ。いいところを引いた。

こちらも<ラスヘッド>を召喚、相手の<ラスヘッド>を疲労させる。

私はどやがお、ゆる君は困り顔。

バトスピが下手だと言ったのはちょっと語弊があるので訂正しておくと、

リアクションはうまい、声もいい。プレイは綺麗。

対戦相手に気持ちよくプレイしてもらうという意味では、数いるバトスピVの中でも群を抜いている。


折角疲労してもらったのだから、<ラスヘッド>でアタックする。


5-4


相手3ターン目

<マーメイディア・プリンセス>を召喚。


---

マーメイディア・プリンセス

5(3)/緑/海緑・渦人

<1>Lv1 5000 <4>Lv2/真界放 7000

Lv1-2『召喚時』

ボイドからコア1個をこのスピリットに置く。

Lv2《真界放》【水流:海緑&コスト8以上】『自分のアタックステップ』【起動:フラッシュ】

このスピリットを疲労させる▶コスト8以上で系統:「海緑」を持つ自分のスピリット1体を指定する。このバトル中、それに緑シンボル1つを追加する。

---


本当に同型のようだ、面白い。格の違いと言うのを見せつけてやろう。

アタックはせずターンが返ってくる。

慎重なプレイをするタイプの子なのだ。


自分4ターン目


ドローは<モラモーラ>

色々な選択肢はあるのだが、ここは面白さを優先。

相手と同じく<マーメイディア・プリンセス>を召喚した。

「うぉあ」

ゆる君がいい声で啼く。

ナイスリアクション。

こちらもそのままターンエンド。


相手5ターン目


<ガビアダイル>召喚。

同型ではなかなか超えにくい壁が立ってしまった。

攻めあぐねて、ここもターンエンド。


自分6ターン目


ドローは<ラスヘッド>

あちらは慎重にフィールドを構築しているが、私は攻撃的なのが信条だ。

手札にあるバニラスピリット、<ストラレイ>そして<モラモーラ>を順番に召喚。

数的有利になったので削っていく。

<モラモーラ>Lv2でアタック、<ガビアダイル>にブロックされたら相打ちだが、

スピリットの格的には相打ち取れればウェルカムだが、ライフで受けられる。

「うぉあ」

胸についているライフカウンターのコアが弾けるようなリアクション、それは大げさ。


緑相手に深追いは禁物、

メイン2に入り、回復状態の残りスピリット2体をそれぞれ最高レベルにしてターンエンド。


5-3


相手7ターン目


明らかに今引きの<ガリザロト>を召喚。


---

ガリザロト

スピリット

5(3)/緑/甲魚

<1>Lv1 5000 <2>Lv2/真界放 6000

Lv1-2『アタック時』

疲労状態の相手のスピリット1体を指定できる。このバトル中、それは可能なら疲労状態でもブロックしなければならない。

Lv2《真界放》『アタック中』

このスピリットをBP+2000する。

---


アタックして、レベルを下げた疲労状態の<モラモーラ>が喰われる。


えーっと……

確かに<ガリザロト>は強いけどさ。

海緑なのか甲魚なのかどっちかに寄せない?

謎デッキに翻弄されるのは本当に不本意なのだけれども、

現状強いのは間違いないので文句を言う筋合いではない、ぐっとこらえる。

そして決意を新たにする、この戦い負けられない。


8ターン目


海緑だか甲魚だかわからん謎デッキとはいえ、とりあえず今そこにいる<ガリザロト>はかなり厄介。

何とかしなければ、と思いながら引き込んだカードは<甲手スクィード>


---

甲手スクィード

5(3)/緑/海緑・甲魚

<1>Lv1 5000 <3>Lv2 7000

Lv1-2『召喚時』

疲労状態の相手のスピリット1体を指定できる。それを重疲労させる。

Lv2『アタック中』〔ターン1回〕

バトル終了時、このスピリットを回復できる。

---


<ガリザロト>が嫌すぎて反射で出していた。

次ターンの<ガリザロト>は止められはしたが、

どう考えてもアタックに行ける盤面ではない。肝心の2回攻撃は不発。

出すんじゃなかった。迂闊にもほどがある。

なにもせずターンエンド。


相手9ターン目


<ハンマーグラウ>召喚。


---

ハンマーグラウ

スピリット

4(2)/緑/甲魚

<1>Lv1 4000 <4>Lv2/真界放 6000

Lv2《真界放》『アタック時』

[ソウルコア]が置かれていない相手のスピリット1体を指定できる。それを疲労させる。

---


結局甲魚なのかよ。

そしてこの超攻撃的なスピリットも出したはいいがこちらのBP7000ラインを越えられず、アタックできず。

なんというぐだぐだしたバトル。


自分10ターン目

ドローはやっと引けたマジック<ボルテクスシェイブ>

これでやっとアタックに行ける。

こちらスピリット5体に対してブロッカーが4体。

越えられないのは<ガビアダイル>のみ、とすれば私が取る手段は一つ。


「<ラスヘッド>召喚、効果で<ガビアダイル>を疲労」

「あうっ」

ゆる君から変な声が洩れる。

「これは厳しくなりました」

これでスピリット5体に対してブロッカーが3体。

メイン2でいままで手札で腐っていたリオネ=マキナをブロッカーに立てればまだ減らされていない5点のライフは守り切れる。

腹は決まった、相手フィールドを更地にする所存。


アタックステップ開始、

<甲手スクィード>のアタック、これはまだ余裕があるのでライフで受ける、想定範囲内。


5-2


回復した<甲手スクィード>でもう一度アタック。これもライフで受けるのかマジか。

ライフ1にしちゃうのはまずいんじゃないのかな、私が言うのもなんだけど。


5-1


ここから先はブロックせざるを得ない状況ということをわかっているのかな、ゆる君。

私はまだBP7000のスピリット2体がアタック可能。

ゆる君側でブロック可能なスピリットはどちらもBP7000ラインを受けきれない。

勝った、第3部完!

<マーメイディア・プリンセス>BP7000でアタックする。

受けるしかないよね、ゆる君。

<ラスヘッド>でブロック、そして……

「ブロック後のフラッシュで<ボルテクスシェイブ>をつかいます」


---

ボルテクスシェイブ

4(3)/緑/甲魚

フラッシュ:

相手のスピリット1体を指定する。それを疲労させる。

---


持ってたか。ゆる君のくせに味な真似を。

アタックを控えていた<ストラレイ>が疲労する。計算が狂った。

<ラスヘッド>を取ったところで諦めてターンエンドするしかない。


メイン2

初手から握っていた<リオネ=マキナ>をやっとフィールドに立たせることができる。


---

スピリット

8(6)/緑/海緑・無形

<1>Lv1 9000 <3>Lv2 12000

《継召》

トラッシュのEXシンボルを除外し軽減できる。

---


<モラモーラ>のEXシンボルを使ってフル軽減で召喚する。

出したからには最大BPで仁王立ちにさせたい。

どうせ次のターンには決着をつけるんだし、

疲労している<ストラレイ><甲手スクィード>を自壊してLv2にした。

BP上げてビビらせればアタックに来ないだろう、ゆる君だし。

こちらは<リオネ=マキナ>含めて3体のブロッカーがいる。

ライフはまだ5点ある。

負けることはない、返しのターンで決める。

ゆる君だし。


相手11ターン目


ゆる君はいつもの唸りながらの長考。

「ライフが5点あるということはー、8回殴れなきゃならないんですよね」

当たり前の算数を口にする。

「そのまきなさんはBP高いんですよね」

よく聞いてくれました。聞いて驚け。

「BP12000ありますよ」

また唸りだす。

やがて意を決して動き出す。

<パッファ>を召喚、トラッシュにコアブ。

そして<ハンマーグラウ>でアタック。

「ソウルコア乗ってないその子を疲労させます」

あ。

<リオネ=マキナ>が疲労する。

ダメじゃん私。

ライフで受ける。


続けて<ガリザロト>が<マーメイディア・プリンセス>を指定してアタック。

これはまぁ想定範囲内、仕方ない。

<マーメイディア・プリンセス>破壊。


4-1


自分12ターン目

ドローは<ハイドロフォース>


---

ハイドロフォース

7(4)/緑/海緑

《継召》

トラッシュのEXシンボルを除外し軽減できる。

フラッシュ:

系統:「海緑」を持つ自分のスピリット1体を指定する。このターン中、それをBP+7000する。

その後、このターン中、それがBP比べで相手のスピリットだけを破壊した時、2枚ドローする。

---


BPパンプと大量ドローを同時にこなす海緑デッキの切り札、もうこれは勝ち確といっていいだろう。


あと1点とれば終わりのゲーム。

自分のフィールドに居るスピリットは3体。

シンボルを減らしてしまったので、手札の<リオネ=マキナ>は出しづらい。

調子に乗って自壊したのは軽率だった。

相手フィールドにブロックできるスピリットも3体。

そのままならライフまで届かないが、

最後の1体を<ボルテクスシェイプ>で疲労させてフィニッシュするだけの簡単なお仕事。

手札は<ハイドロフォース>で増やせるし、最悪このターンで仕留められなくても、

メイン2でブロッカーを立てればいい。

大丈夫だろう、相手ゆる君だし。


<ラスヘッド>からアタック。

<マーメイディア・プリンセス>でブロックされる。

「コア4つ乗ってますよね?」

「はい、Lv2BP7000です」

BPじゃないんだよ、4つもコア乗ってたら自壊むりだよねってことが知りたかったんだ。

私は手札から<ハイドロフォース>を提示。

「<ハイドロフォース>は男のロマン!」

「うぉぉ!」

お決まりの掛け合いの後、<マーメイディア・プリンセス>破壊、私は2枚ドローする。


---

未熟なネレ=イロ

アロトール

---


この場で決めるためのマジックが欲しかったが、仕方なし。

続いて2体目の<ラスヘッド>でのアタック。

<ガビアダイル>でブロックする。

相手が疲労マジックを握っているなら使いどころはここなはずだが、何もせずにフラッシュが返ってくる。

マジックは手札にないと判断、押し込むことにする。

「<ボルテクスシェイプ>を使用、<パッファ>を疲労」

決まった。どうだいゆる君バトルスピリッツはこうやって勝つんだよ。

ブロックされた<ラスヘッド>は破壊される。そんなのはもうどうでもいい。

次のアタックでゲームは終わるんだから。


「<フラッティ>を召喚します」

決めに行く最後のアタックの最後のフラッシュタイミングなはずだった。


---

フラッティ

2(1)/緑/甲魚

<1>Lv1 1000 <3>Lv2 3000

フラッシュ『相手のアタックステップ』

手札のこのカードは、召喚コストの支払いと上に置くコアをリザーブから使用して召喚できる。

---


その手があったかぁ!ゆるのくせに生意気なぁぁ!

<フラッティ>でブロック。

BP12000あろうがブロックされればライフには届かない。

私のフィールドにアタックできるスピリットはいない。

前のターンの迂闊な自壊を今更悔やんでも仕方がない。


メイン2

気を取り直す。所詮相手はゆる君だ。

<ハイドロフォース>で引いた<未熟なレイ=ネロ>と<アロトール>をブロッカーに立てる。

ライフが4点もあれば次のターンでどうにかなることはない。

相手はゆる君なので。

私の手札は1枚、未だに出す余裕のない<リオネ=マキナ>


相手13ターン目


「うーん、どの手で行くか」

そんなに悩むほど手があるのかな。

やってみるがいい、驚いてあげるから。


「4コア支払って<ペルガソス>を召喚」


---

ペルガソス

4(2)/赤/紅雲・風炎

<1>Lv1 4000 <3>Lv2/真界放 6000

Lv2《真界放》【激突】『アタック中』

相手のスピリットすべては、可能ならブロックする。

---


驚いた。思ってたのとはだいぶ方向違うけど。


<()()()()()()>()?今<()()()()()()>()って言った?

なにそのカード赤いんだけど。もう緑ですらないんだけど。

「これが、僕です」

控えめに、でも真剣に、ゆる談。

「あと4点、とらなきゃならないんですよね」

<フラッティ>を召喚。

そしてアタックステップ宣言


私のフィールド

---

未熟なネレ=イロ

アロトール

ラスヘッド(疲労)

リオネ=マキナ(疲労)


手札1枚 リオネ=マキナ


ライフ4点

---


相手フィールド

---

ハンマーグラウ

ガリザロト

ペルガソス

ガビアダイル

パッファー

フラッティ


手札1枚

---


<ハンマーグラウ>でアタック、<未熟なネレ=イロ>を指定して疲労。

ライフで受ける。


3-1


<ペルガソス>でアタック、【激突】なので<アロトール>で受けざるを得ない。

<アロトール破壊>


<ガリザロト>アタック。指定なし。

ブロッカーは居ない。


2-1


<ガビアダイル>でアタック。

私が握っているたった一枚の手札は<リオネ=マキナ>、フラッシュタイミングを返すしかない。

「お?行けるのか」

ゆる君の声が弾む。

ええ俺負けるの?なんだかよくわからないデッキに轢かれて負けるの?

なんかほんとにイヤなんだけど。


ライフで受ける。


1-1


「<パッファー>でアタック」

最後のライフが落ちる。

ゲームエンド、

私の負けである。


「ごめんね、甘く見てたわ」

これは負け惜しみ。悔しい。

「……いやお見事でした」

これも本心。勝った相手は讃えられなければならない、願わくば調子に乗ってほしい。

それもまた私の流儀だから。


対戦相手を甘く見るのは本当に良くない悪癖だと思う。

戦うからにはどんな相手にでも全力を尽くさなければならないんだと、

改めて心に刻み込んだ。

ゆる君も一端のカードバトラー、

対戦相手には常に敬意を払わなければならない。

そんな紳士淑女の優雅な遊び、バトルスピリッツ。


「そういえば、また笑われちゃうと思うんですが…」

ゆる君が手札最後の一枚をオープンする。


---

四剛ギガントケイレス

スピリット

8(4)/白/鉱人

<1>Lv1 7000 <2>Lv2 9000

《継召》

トラッシュのEXシンボルを除外し軽減できる。

Lv1-2『アタック時』〔ターン1回〕

BP6000以下の相手のスピリット1体か、相手のネクサス1つを指定する。それを手札に戻す。

スピリットを戻したなら、ボイドからコア1個をこのスピリットに置く。

ネクサスを戻したなら、このバトル中、このスピリットに白シンボル1つを追加する。

---


いや、もうこいつには一生絶対負けない。

海緑

ラスヘッドx3

アロトールx3

未熟なネレ=イロx3

ストラレイx3

ガビアダイルx3

モラモーラx3

マーメイディア・プリンセスx3

甲手スクィードx3

リオネ=マキナx3

深打ホエイラx1

ダブルヴォーテックスx3

ボルテクスシェイプx3

テンタクルアタックx3

ハイドロフォースx3


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