戦いの果てに−1
第14話
「ったく、待たせすぎだろ。」
煌々と燃えるリカの登場に龍の止めも止まった。
「貴殿は彼女へ繋ぐ為に命を懸けていたのか…何とも素晴らしい。この戦いを見届けさせずに屠るのは失礼というもの。決着の後、止めを指してやろう。」
そう言って龍は俺を放置し、リカに向き直す。
「…ははっ、ありがたいね。」
九死に一生を得る事は出来たが、この戦い次第で死ぬことになるかもしれない。力無く呟くことしか出来なかった。
「《龍燈》、《天火》」
リカの足元に蛇の様な長く連なった火の玉が、肩には一匹の燃える大鷲が現れた。
「行けっ!!」
リカの号令と同時に二匹は龍へと襲いかかる。
その間に俺は何とか地面を転がり巻き込まれない様に距離をとる。再び戦いに目を向けるとリカは空中に大量の白い火の玉を作っていた。
「喰らえ!!《白火繚乱》」
いつもの赤い火ではなく更に高温の白い火が花弁へと変化しながら龍へ降り注いでいく。
「クゥゥ、中々の熱量!だが我は火龍!この程度の火では焼くことは出来ん!!」
「うん、私の火じゃ焼けない相手なのは分かってたよ。これを作っててほんと良かった。」
炎の花から龍が抜け出してくると同時に電光石火でリカが飛んでいく。一瞬で龍の懐へと入るとその勢いのまま手に持った剣を龍に突き刺した。
手に握られているのは今日作ったという新たな武器。
「この剣はね、私の火力じゃ効かない時の為に作ったの。焼き切るんじゃなくて溶かし切る様に出来てるんだ。」
突き刺した剣を振り抜く。
「グガァァァ!!!」
龍の身体に対して人の武器では小さすぎるため致命傷にはならない。だが今日2つ目の確かな傷を龍の身体に刻んだ。
「…フゥゥゥ、まだまだッ!!」
リカが荒い息を吐く、たった一太刀を入れただけでかなり消耗しているようだ。
仲間が命を燃やしているんだ、寝転がって見るだけなんてありえない。俺もまだ戦わなくては!
気づかれないようだ先程よりも小さい反射炉を組み上げていく。狙うなら龍がリカへ反撃を仕掛けるその瞬間。俺を既に死んだものと考えている隙を突くしか無い。
「まともに斬撃を食らうなど生まれて初めてだ、実に良い。今度はこちらから行かせてもらうぞ!!」
龍が口を開け火球をリカへ吐こうとする。
今だ、ここしか無い!!
思ったよりも早く来たチャンスに驚きつつも龍の頭を狙い攻撃を放とうとした。
「気付いていないと思ったか!!」
攻撃の瞬間龍がこちらを向き火球を放ってくる。
簡単に隙を見せたと思ったらこちらが簡単に釣られてしまった。回避する体力は残っていないし、防御する術もない。
逃げることが出来ないのを悟ると最後の一矢として攻撃を放つ。龍も攻撃直後で大きく回避は出来ず俺の攻撃は角を切り飛ばした。
「クッ、見事!!」
「マギルッ!!!」
リカの悲痛な叫びが聞こえる。
「悪い、リカ。どうにかお前だけでも逃げてくれ。」
聞こえるかどうか、叶うかどうか分からない願いを呟き俺は目を閉じた。
こんばんは、水守です。
かなり空いてしまいました。申し訳ありません。忘れてしまった方は前話からご覧頂けると幸いです。
次の話は何とか8月中に投稿したいと思いますのでよろしくお願いします。




