my room
快適な寮生活の始まり?
一階フロアに降りると美里が待っていた。
たった数十分の間に終わるような用事だったのだろうか?
「やあ、さっきぶりだね。紡。」
「あぁ。寮に案内してほしい。」
多分把握していると思うが、要件を告げる。
「うん。ついてきて。」
俺たちは歩き出した。俺の思い込みかもしれないが、美里は何だか元気が無さそうだ。俺は自分の変な思い込みを忘れるために、美里に話を振ってみた。
「そうだ。今日は刀静さんはいないの?」
「え?」
美里は一瞬怯えるような顔をした。とっさに表情を戻して、
「刀静さん、土曜日は休みなんだ。その分僕が働いて、日曜は僕が休み。紡は?」
思い込みを忘れるために話を振ったのに…
何かあるな。と思ったが、俺はあまり考えないようにし、問いに答えた。
「俺も日曜日が休み。よろしく頼むよ。」
「うん。あ、ついたよ、ここが寮だ。」
寮は本社より小さいが、それなりの規模があった。個室に期待ができる。そういやサイコーって美里が言ってたか。
俺は美里に自室まで案内された。位置的には悪くない。何より自販機が近い。
「じゃあ、僕はここで。またね、紡。」
「うん、じゃあな。」
美里は走り去っていった。刀静さんと何かあったようだけど、どうなんだろうな。まあいっか。
どうやらロックは指紋認証で解除されるらしい。俺は自室のドアを開けた。するとそこには快適な空間が広がっていた。キッチンも非常に使いやすそうで、寝室も用意されている。リビングも広いスペースでいい。浴室の窓からは海が見える。本当に最高だった。
俺が模様替えを終え、リビングのソファに座ったその時。
ブーッブーッブーッブーッ!※ブーブークッションではありません。
サイレンが鳴り出した。俺が自室から出ると、赤くランプが光っていた。
赤いランプは確か…敵襲か!
俺は寮前へ向かった。