2.切片篇・経済・社会・出稼ぎ逆流
(現在、具体的な切片を見てみよう)
切片篇・経済・社会・出稼ぎ逆流
日本はかつて世界有数の国際労働力流入国のひとつであり、何百万もの外国人労働者が潮のように日本へ押し寄せ、あらゆる業種に入り込んでいた。しかし急激な円安により、後2040時代の日本は労働力の流入国から流出国へと転じた。ここでは、かつて日本で働いていた人々の様子を見てみよう。
interview現場:
カメラの前に立つこのベトナム人は、かつて東京の街角で出前配達の仕事をしていた。今はベトナムの物流企業の創業者である。
「当時日本で出前配達をしていたのは本当にきつかったよ。毎日十何時間も配達して、雨の日も嵐の日も年中無休さ。歯を食いしばって続けられたのは、お金を貯めて家族の生活を良くしたいという一心だった。それがその後、円がどんどん下落してね、換算してみたら稼ぎがベトナムで働くより少なくなりそうだった。幸い稼いだ金の大部分はすぐ国に送金してあったから、いっそのこと帰国して起業したんだ。」
この中国人はかつて大阪で「四川楼」という中華料理店を営んでいた。今は四川でフュージョン料理を売りにしたチェーンレストランを経営している。
「……USD/JPYがちょうど1:365になった頃はまだ何とか耐えようと思っていたんだが……その後も円は下がり続けて、一日の利益で花椒すら大して買えなくなってきてね。店を手放したよ。」
テーブルの前に座るこの韓国人イラストレーターは、かつて日本で働いていた。今はソウルで自分の工房を運営している。
「実は2026年より前から、韓国の一般的な時給はすでに日本を上回っていたんです。ただこの業界のハイエンドな部分はまだ日本に残っていたので、多くの人が日本の業界を体験したがっていました。でもその後、円が紙くず同然になってからは、日本本土のハイエンド業者ですら出て行ってしまって……」
このインド人エアコン設置業者は、かつて40℃の酷暑の中で日本人宅にエアコンを取り付けていた。今はインドのエアコン企業の創業者である。
「……インドはとても暑いからね、初めて日本に来たときは『日本は本当に涼しいな、ここにずっと住めたらいいのに』と思ったよ。でもその後日本政府の移民政策はどんどん締め付けられて、円もどんどん価値が下がって……その上日本政府ときたら『純血大和』とかいうものまでやり始めた。俺はもう完全に諦めたね……」
(今度は、世界各地で出稼ぎをしている日本人の様子を見てみよう)
「オーストラリア、超好き。」オーストラリアの農場で働く日本人女性が言った。「ここは時給高いし、何より支給されるのが紙くずみたいな円じゃないもん。日本ほど高い消費税もないしね〜ヾ(❀╹◡╹)ノ~」
「この前のICEの捜索は本当に危なかったよ。」アメリカで不法就労している日本人青年が言った。「……俺が海外で働くことを決めた時にはもう遅かったんだ。日本から出稼ぎに行く人が多すぎて、各国が日本人への就労系ビザを次々と締め付けてさ。観光ビザがまだ制限されていないうちに滑り込んだんだ。今思えば不幸中の幸いだったよ、もう少し遅かったら手持ちの貯金はもう飛行機代も買えないくらい価値が下がってたかもしれない。」
某紛争地域の国連部隊駐屯地で、日本人青年の自衛隊員が見張り台から交代したばかりだった。基地に戻ると彼はまず画面の割れた個人端末を取り出し、何度か操作して「残業手当が振り込まれました」の表示を見て嬉しそうに笑い、新しく振り込まれた外貨手当を国内の妹に送金した。「国連の手当が外貨決済っていうのは本当にありがたいな」と彼は感慨深げに言った。
某インドネシア企業の大規模面接会場で、身なりのきちんとした礼儀正しい日本人の顔をした候補者たちが、流暢なインドネシア語でグループディスカッションをこなしていた。「本当に流暢だなあ、俺が昔日本語で面接を受けた時なんてしどろもどろだったのに。」このインドネシア人マネージャーはかつて日本のコンビニで働いていた。「正直言って、あの頃のたどたどしい日本語には随分苦労させられたよ。今回もしインドネシア語がたどたどしい候補者に当たったら、絶対優しく接しようと思ってたんだけどね。杞憂だったみたいだ。」
謎の声1:「円安の影響はかなり大きそうだね。」
謎の声2:「そうだね。賃金の逆転で出稼ぎ逆流が起きて、若い働き手が大量に流出した。これがさらに日本経済を破壊したんだ。」
謎の声1:「これは日本の高齢化もより深刻にしそうだね。でも今のところ、後2040時代の日本の高齢化率は深刻とはいえ、想像していたほどではないみたいだ。これはちょっと意外だな。」
謎の声2:「そうだね。ただ、それは極めて残酷な経緯によって実現されたものなんだ。」
(画面が切り替わる)
2026年から2040年のある日、大規模な疫病が再び発生した。前回と同様、ICUは満床となり、医療資源は極度に逼迫した。
高齢化率が以前より深刻な各国は、人手不足に陥り、こぞってあらゆる手段で他国から看護師を引き抜こうとした。
オーストラリアは前回よりもさらに好条件を打ち出し、賃金を3倍に引き上げ、越境して働く意志のある看護師への語学要件を緩和し、永住権取得の面でもより大きな便宜まで提供した。
一方の日本政府は、再びグローバルサプライチェーンの寸断に直面したが、今回は大幅に下落した円ではもはや何一つ買えなくなっていた。ICU機器は不足し、人手は深刻に足りず、看護師一人が数十人、時には百人を超える重症患者を担当することもあり、病院はまるで地獄のようだった。
一方は地獄のような労働環境、もう一方は為替換算で10倍もの賃金格差。医療資源は残酷なまでに、通貨価値が堅調で移民が容易な富裕国へと流れていった。
支払い能力を失った日本は完全に成り行き任せの状態となり、脆弱な高齢者人口が真っ先に大量に命を落とした。これこそが、後2040時代の日本で若い働き手が大量に流出したにもかかわらず、高齢化率が爆発的な数字にはならなかった理由である。
謎の声1:「この変化について、他の人がどう論評するか見てみたいね。」
謎の声2:「ちょうど最近、面白い時空の狭間を見つけたところなんだ。」
(画面が切り替わる)
流亡姫避難所
高麗姫:「ya〜 変化すごいね〜 昔は外国人がみんな日本に来て高い給料を稼いでたのに、2040年以降は完全に逆転しちゃった〜 やっぱりみんなお金が好きなんだね〜 あの日本行き斡旋業者、みんな日本脱出斡旋業者に商売替えしちゃって、語学学校の今の宣伝文句なんて『1ヶ月でインドネシア語をマスター らくらく高収入』だってさ、あはははは〜」
ツァーリ姫:「かつて日本の街には世界各地から来た外国人があふれていた。コンビニでも、建設現場でも、いたるところで見かけたものだ。日本政府は移民政策を締め付けることで『純血大和』を実現しようとした。だが結局、外国人の流入を止めたのは賃金の逆転だった。純化は実現した。だがその代償として、日本は老いさらばえた高税率の孤島へと完全に成り下がった。支払い能力を失った日本は、いざ人手が必要になっても、どれだけもがこうと、もはや手の施しようがない。」
日本姫:「かつて私たちはガラス張りのビルの中でエアコンに当たりながら座り、世界各地から来た外国人たちは炎天下で3K労働に従事していました——少しでも多く稼いで家計の足しにするためだけに。今はそれが逆になり、日本の若者たちが世界各地で出稼ぎをしています——でもそれもまた、少しでも多く稼いで家計の足しにするためなのです。こうして懸命に働く人々のために祈りましょう。そして、かつて日本で働き、帰国して事業を興し、今こうして日本の若者たちに機会を与えてくださっている方々にも、感謝を捧げましょう。」




